2013
12.31

こんな年末に…

 Yahooニュースで知ったんですが、大滝詠一が亡くなったんですね…。

 このブログでは2007年に記事にしていまして(コチラ)、けだるいような甘ったるいような、そんな独特の歌声と爽快感あふれるリズムの組み合わさった曲たちが好きでした。最近はポップス界のご隠居なんて言われてましたね。

 大動脈解離だったようで、なんとも残念。恐ろしい疾患です。

 驚きと落胆。悲しいことでございます。
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2013
12.28

仕事納め

 今日(12/28)が仕事納めです。やっと一年が終わりました。どんな思いで皆さんはこの一年を過ごしてきたでしょうか。

 外来では、今年最後の診察となる患者さん方に「次回は来年になりますから、良いお年をお過ごしくださいね」とお話しします。2-3ヶ月に一度の診察という方々もいるので、早い時は10月の段階で「次回は3ヶ月後だから、おっ、来年ですねぇ。早いですけど、良いお年を」と言うこともあります。そんな時、患者さんは必ず「先生、早すぎ!」と返してきます。そりゃそうだ。

 でも、何とか外来でやってきたけど症状が思わしくない患者さんに対しては、やっぱりそういう声はかけられなくて「お大事に」の一言でおしまいになってしまいます。苦しい中で1年間頑張って過ごしてくれたので、そこを評価するのも良いんでしょうけど、ちょっと白々しいでしょうか? どうかな?

 そんなことを思いながら、過ごしております。12/29から12/31まではお休みで、新年早々の2014年1月1日が何と当直。12/31とか1/1とか、良く当直当たるんですよねぇ。。。

 休みが中途半端で、なかなか実家に帰る気も起きず。おそらくこたつで寝正月。それもまたよし。
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2013
12.24

遂に改訂されました。

Category: ★本のお話
 やってきました、藤本卓司先生の『感染症レジデントマニュアル』第2版でございます。

感染レジマ

 自分が研修医の時は2004年に出た初版でした。今回の題2版は80ページ弱の増加。もちろん抗菌薬の最新情報が詰まっています。

 巻頭のグラム染色の写真がずいぶんと増えています。「グラム染色大事だよ!」というメッセージですよね。また、グラム染色の手順の写真では、何故かドライヤーで乾かす写真だけが変わってます。形の違いを知って、ドライヤーも進化したなーと実感。

 各論では、以下の項目が新設。

・人工呼吸器関連肺炎
・ペースメーカー、埋込み型中心静脈ポートの感染症
・トキシック・ショック症候群
・劇症型A群連鎖球菌感染症
・急性硬膜外膿瘍
・腸腰筋膿瘍
・人工関節の感染症

 トキシック・ショック症候群と劇症型A群連鎖球菌感染症については、初版では”その他の重要な皮膚・軟部組織感染症”として一括されていましたが、今回は項目別に。

 memo(コラム)も増えてまして、新しくつくられたものの中では”好気性菌と嫌気性菌”は必読!「血液培養が陽性になった」のみではなく、好気ボトルが陽性になったのか、嫌気ボトルが陽性になったのかで原因菌がある程度推定できるというのは知っておくべき知識です。

 注目すべきは、身体診察。初版からのスタイルで研修医用にきちんとページを割いていますし、更に詳しくなっています(COPD患者さんの診察など)。

 でも最も大事なのは、著者の”熱意”でしょうか。最近の本はマニュアルをなぞってエビデンスを言ってオシマイという、無難で万人用のものが多いです。でもそれだけじゃなくて、著者の思いや哲学がきちんと見えてくるような、そんな本。

 マニュアルではありますが、熟読の価値あり。研修医の皆さんは是非、そして初版を持っている先生は買い替えに十分値するものだと思います。

感染症レジデントマニュアル 第2版感染症レジデントマニュアル 第2版
(2013/12/24)
藤本 卓司

商品詳細を見る

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2013
12.23

ピンキーなおでん

 某月某日、勤務している病院にて当直。その時のお夕飯の検食(給食的な)。

 おでん、でした。それだけならまぁとりたてて変なことは無いんです。

 実際のお姿を見てもらいましょう。

おでん1

 お大根、こんにゃく、たまご、厚揚げ。あとこのピンク色は何…?

 人参じゃありません。練り物か!何でこんな色なのかしらね…。

 ちょっと拡大。

おでん2

 見事にピンク色ですよね。。。これは何とも人工的な。

 うーん、ちょっと食べる気が起きません。「あ、そうだ」と思いつきました。



中はどうなっているのかしら?



 これは正当な疑問だと思います。外見のような色が中も続いているのかそれとも練り物らしく白いのか。ちょっとトライ。

 いざ。

おでん3



( ゚д゚)…



 どピンクですやん。。。

 すげぇなオイ…。想像の遥か上を行く色の濃さですな。この色にするセンスは何なんでしょう。これは赤色106号の色でしょうかね(桜でんぶみたいな)。紫外線当てると光りそうですよ。

 結局食べる気が枯渇し、残してしまいました。
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2013
12.19

覚書その7~人格構造という軸

Category: ★精神科生活
 この章も純粋な精神分析の考え方です。発達理論や防衛機制を勉強したのでちょっとお腹いっぱいかもしれませんが、それらを基に考える人格構造というのも、患者さんを診ていく上で役に立つ精神分析的アプローチ。少し知っておいて損はないんじゃないかなと思います。なお、この“人格構造”とエーの言う“人格”は意味が異なりますので。エーの人格というのは過去と未来を貫いた、1つの通時的な存在としての人間のありようを指しています。

==========

 今回の“人格構造”ですが、これは精神病的人格構造境界的人格構造神経症的人格構造という3つに分けられます。発達理論で勉強した発達の進み具合を考慮してますから、世界が1人称だけの世界からだんだん進んで2人称の世界になりそして3人称が入ってくる、また防衛機制も低次なものから高次のものを優位に使えるようになってくる、そういうのを考えてその人の人格構造を決めていきます。

 人格構造は上記の3つに分類されると述べました。発達の進み具合で説明すると、神経症的人格構造ではフロイト先生の“エディプス・コンプレックス”、すなわち2人関係の世界から3人関係の世界になるところです。境界的人格構造では上手く2人関係の世界に入れるかどうかという分離個体化の時につまづいており、精神病的人格構造では1人関係の原初的な共生期のところにとどまっていると言われます。

人格構造

 カーンバーグに従って、それぞれの人格構造を示してみましょう。同一性統合の程度、防衛機制の水準、現実吟味の水準という3要素によって分類されます。

神経症的人格構造:“あいだ”はほぼ成熟しており、自己と他者との区別は保たれています。現実と想像との区別にも問題はない構造。防衛機制は抑圧をベースとした高次のものを主に用い内的な葛藤から保護しますが、使い方が不器用で硬直しています。
境界的人格構造:“あいだ”が成熟の途中で止まっており、自己と他者との区別は曖昧になっています。しかし、現実と想像との区別は可能でして、現実の生活や人間関係にも何とか適応できます。ただし現実検討能力が心的負荷により一時的に損なわれ精神病的となってしまう構造。防衛機制は分裂をベースとした低次のものを用い、内的な葛藤から保護します。この人格構造は“不安定の中に安定している”“正気とするには狂気であり、狂気とするには正気である”とも評されます。
精神病的人格構造:“あいだ”は原初の状態でして、自己と他者との区別が完全に混乱しています。現実と想像との区別もはっきりせず、現実検討能力を欠いてしまっている構造。防衛機制は分裂をベースとした低次のものを用い、バラバラになりそうな解体不安を追い出そうとしたり回避しようとしたりと試みています。

 この境界的人格構造はいわゆる“境界例”と似たような表現と言っても良いと思います(ホントはちょっと違いますが、気にしない)。

 防衛機制に注目すると、神経症的人格構造では抑圧がメインである高次のものを主に使うのですが、柔軟性がなくてそれが長期間続いてひずみが生じてしまっていると考えられます。境界的と精神病的は分裂がメインである低次のものを主に使います。分裂というのは、関係性を自らにとって“良い”関係と“悪い”関係とにスパンと分けてしまうこと。じゃあ同じ低次なものを使うんならどこが違うのか、ってことになりますが、精神病的人格構造では、身体がバラバラになるんじゃないかという内なる不安(解体不安)を追い出して、外からのものと位置づけようという試み。原初の“不安=世界”という状態を追い出して、迫害するものとして位置づけます。それは被害的な幻聴であったり、被害妄想であったり(図の①)。

 対して境界型人格構造ではもうちょっと発達が進んでいますから関係性も原初的ではありません。2人関係を上手く作れない苦しさがあり、それを解決するために万能的な“良い”関係と迫害的な“悪い”関係に戻してしまい、“悪い”関係を追い出そうとします(図の②)。

精神病的境界的

 境界型人格構造は、葛藤や苦痛な感情を“あえて意図して行動で出す”ということ。アルコール、リストカット、ひきこもり、万引きなどなど。伝える手段であるべき言葉が未熟であり、主に行動で表してしまうのが問題。すぐに抱えられなくなり、積極的に追い出しちゃいます。

 「なるほど、患者さんの人格構造はこんな風に分かれているのか。じゃあこれはどういう時に使うの? てか、使ってどんな意味があるの? 精神科がよく非難される、机上の何たらってやつじゃないの?」という質問が出てきそうですね。私たちは一般に症状を聞いてそのまとまりを疾患としていますが、それとは別の軸でこの人格構造から患者さんを眺めて見ることも求められてるんです。日本漢方の理論には、患者さんを気血水で考えるのと五臓で考えるのと2つの視点がありますが、それと同じかもしれんですね。患者さんを診察する時は「この患者さんはどの人格構造かな?」と考えてみることも大事。これは全ての患者さんで漠然とで良いので思っておいた方が良いと思います。どうして人格構造の目線を持つのが大切かというと、患者さんに接する時の心構えがそれで変わってくるからなんです。

 例をいくつか挙げてみます。神経症的であれば比較的短期間で治療が決着するかもしれません。境界的、精神病的になるにつれて、短期での改善というのは少し望みにくい。また、診察の際の柔軟性も神経症的では大きくとも大丈夫でしょうが、境界的や精神病的ではある程度一定の型の診察の方が無難だと思われます。診察の方法も、神経症的ではいわゆるコテコテの分析的な探求をしても耐えられますが、境界的では個体化を援助するような方針が適切であり、精神病的では支持的で現実的な対応が求められます。

 まとめてみましょう。発達の成熟度、つまり“他者と自分”という感覚をしっかり持てているかの幅(日常生活の世界にいられるか)が人格構造によって異なるんです。神経症的人格構造のように“他者と自分”を持てているならば、態度や発言や診察頻度といった治療者側の因子が少し変動しても大丈夫。境界的人格構造や精神病的人格構造のように“他者と自分”が確固としていない患者さんならば、治療者側の因子は変動させない方が良く、治療の枠というものをしっかり固めた方が無難ということ。境界的人格構造には「主体はあなたですよ」という雰囲気を出すことが個体化には必要ですし、精神病的人格構造に対してはわざとらしいことをしないのが良いと思います。

 防衛機制に注目すると、低次の防衛機制を用いる人格構造の場合は“悪い関係”を追い出すため、その追い出し先が治療者になるかもしれません。そうなると、患者さんは治療者を“迫害するもの”として捉えてしまう可能性もあるでしょう。前もってそういう事態を想定しておくと、びっくりしたりイラッとしたりというのが和らぎますし、何とか理解も可能になります。また、コテコテの精神分析は患者さんを退行させる(発達段階の原始的なレベルに下げてしまう)ことがありますが、境界的人格構造や精神病的人格構造ではそれが容易に起こりやすいと言われます。なのであんまりよろしくない。人格構造を視野にいれることで、そういった見通しが立つようになりますし、冷静な優しさを持てるようにもなります。臨床に役立ちそうな気がしてきませんか?

 この章の最後に、境界的人格構造とDSMの境界性パーソナリティ障害とはどう違うんだろうという疑問が湧くと思うので、それにお答えしておきましょう。先程も言ったように、人格構造による軸と症状によるグルーピングの軸の違い。別の見方からなっておりまして、横割りか縦割りかと表現しても良いかもしれません。パーソナリティ障害との関連性を示したカーンバーグの図が分かりやすいので紹介します。

見取り図

 この両者の視点を持ちましょう。この図から、パーソナリティ障害と言うのは色々な段階にあるんだなというのが分かるかと思います。水準の高い患者さんもいれば低い患者さんもいます。境界性パーソナリティ障害は境界的人格構造に含まれますが、決してイコールではないということも納得できるんじゃないでしょうか。
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2013
12.14

知ったら飲まない?

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 皮膚科の漢方治療は、自分は大の苦手。上手くいかないことが多いな、と感じています。

 この領域で外せない漢方薬に”消風散”があります。あの華岡青洲がつくった十味敗毒湯と双璧をなしておりまして、大雑把な感覚としては

・ジュクジュク系には消風散
・カサカサ系には十味敗毒湯

 です。でもそんなにスパっと分かれることもないので、消風散と十味敗毒湯の両方を出してその配合比を変えることだって往々にしてあります。しかも十味敗毒湯は抗炎症の作用が弱いので、そこを強めるために他の漢方をプラスすることも(炎症や充血が強いと黄連解毒湯、滲出性なら消風散や越婢加朮湯など)また、消風散は冷ます傾向にあり、十味敗毒湯は温める傾向。こういったところも考慮が必要。

 さてこの消風散、生薬を見てみると…

荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、蒼朮(ソウジュツ)、木通(モクツウ)、石膏(セッコウ)、知母(チモ)、苦參(クジン)、地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、牛蒡子(ゴボウシ)、胡麻(ゴマ)、蝉退(ゼンタイ)、甘草(カンゾウ)

 といった感じで、結構色々はいってます。蒼朮や木通が水バランスを整えるので、湿潤した状態や水疱に効きます。石膏や知母が冷ます代表格の生薬で、滲出性の炎症に用いられます。炎症で組織が浮腫っている部分をターゲットにしていると言えばいいでしょうか。乾燥にも一定の配慮があって、当帰や地黄や胡麻がそうですね。他は痒み止めの生薬。炎症と言えば黄連や黄芩もありますが、それらは毛細血管が拡張して真っ赤な感じの時に。滲出性で腫れててでも赤くなって痒い!という時は消風散に黄連解毒湯を併せることもあります。漢方製剤は一種類しか出さないという主義の先生もおられますが、自分は組み合わせるのが好きでして。ここは考え方に依るんでしょうね。

 そんな消風散ですが、この生薬で”蝉退”というのがあります。これは痒み止めの生薬ですが、何と正体は



セミの抜け殻



 これを患者さんに言ったら飲むのを拒否されそうな…?

 ということで、これはシークレットでございます。というか、何でこれを使おうとおもったんでしょうね、古の人は。
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2013
12.10

偉そうなことを言ったものの…

Category: ★研修医生活
 今日は研修医の救急勉強会。いつものように、研修医ではない自分もちゃっかりオブザーバーみたいな感じで参加。

 1つ目は、発熱と意識障害でした。診断への道筋は、まずは患者背景からしっかりと探ることが大事。


・年齢はいくつくらいか?
・どんなお薬を飲んでいるのか?
・どんな嗜好品があるのか?
・既往歴は何があるのか?


 こんなことが、目の前の患者さんの鑑別を考える上でとっても重要です。地味ですけど、ここを軽んじてはいけない。背景をしっかり捕まえることで、現病歴に入る前に鑑別の重み付けが出来てきますよ。

 今回は、高齢男性で、薬剤歴は不明、嗜好品は特に無く、既往歴には膵頭十二指腸切除術(膵がんの手術)がありました。

 さて、どう考えましょう。マニュアルなんかを眺めると鑑別がつらつらと書いてありますが、そういうのには重み付けがなされていません。このような患者背景があると、特定の疾患の確率がどんどん膨らみます。

 既往歴からやっぱり”胆管炎”ですね。そして、高齢者という点で”肺炎”と”尿路感染症”は当然出てきます。確率的にはこの辺りをスリートップとして探りつつ、他の見落としてはいけない疾患(髄膜炎などなど)やコモンな疾患も考えていきます。膵がんの患者さんですから、膵炎ももちろん重要な鑑別です。Cope先生の仰るように発熱もしますしね(半数くらい)。ただ、膵炎だと意識障害になる前に来院することが多いでしょうか。でも確率としては言うまでもなく外せません。レア系ですけど、大動脈解離なんてのも熱が出て意識障害になる疾患。大動脈解離で発熱というのは結びつきづらいかもしれませんが、SIRSになる疾患ですのでやっぱり外せません。しかも亜急性の経過を辿ることもありまして、発症から1週間後に分かったなんてのも。”不明熱です”と紹介された患者さんが、実は大動脈解離だったなんて話もあります。あと、今回は”発熱”って言っちゃいましたけど”高体温”ということなら、季節にもよりますが熱中症というのも鑑別に挙がります。

 結局その患者さんは胆管炎だったんですが、個人的には鑑別になる疾患としてコレを外してはいかん、と思ってます。高齢の男性、意識障害、発熱、、、ときたら?


レジオネラ肺炎


 でございますよ。これは肺炎にしては変な経過をとる疾患。過去の記事をちょっと出してみましょう。


日本では温泉や24時間風呂が発症の患者背景として多いです。市中肺炎での占める割合は数%ですが、50歳以上の男性が圧倒的に多く発症します(男性は女性の3-8倍の罹患率)。突然の高熱、全身倦怠感で発症することが特徴で、2-3日してから咳や痰が出るようになり、消化器症状の合併もあります。症状の進行は異様に速く、検査値では低Na血症やLDH・AST・ALTなどの上昇が見られることが多いとされます。レジオネラには血清型が複数あり、日本におけるレジオネラ肺炎の半数が1型によるものです。

尿中抗原はその1型を基本的に調べるもの。1型の診断率は95%以上の感度とされますが、それ以外の血清型では約78.6%、L. pneumophila以外の菌種では13.6%という惨憺たる結果。異なる血清型や、異なる菌種によるレジオネラ感染症を完全には否定することはできません。すべてのレジオネラを含めると感度特異度ともに肺炎球菌尿中抗原と大体同じ値。ただし、2009年のCHESTに掲載された論文では、対象とした論文の質がどれも低く、出版バイアスの可能性もあるとのことで、更なる検討が必要としています(Shimada T, et al. Systematic review and metaanalysis: urinary antigen tests for Legionellosis. Chest. 2009 Dec;136(6):1576-85.)。



 性差があるっていうのが興味深いところですね。肺炎の中でもコレを頭に入れておくと、病歴をとる時に注意できますでしょ。高齢男性の頭痛と発熱という主訴でレジオネラ肺炎にたどり着くなんていうことだって出来ます。呼吸器症状なしで肺炎とか何かもう何なんだって感じ。高齢者で「何か良く分からんなぁ」と思ったらレントゲンと尿検査と心電図はやっておいて損はない。

 さて、今回お題を出した研修医は血液ガスをとっておりました。

自分「血ガスとってるけど、解釈した?アルカローシスとかアシドーシスとか」
研修医「あ、いや…」

 これは実にもったいない。血液ガス、特に意識障害患者さんの血液ガスは情報の宝庫!です。患者さんに代わって医者に語りかけてくれるような。それをその研修医にとうとうと説いたんですが、なんとなんと



自分が読み方忘れてました



 精神科になってから実は読んだことがなかったという…。結局、方法すら忘れてしまった。。。カッコ悪いところを見せてしまいました。でも皆さんはとったら解釈しましょう、うん。

 また、意識障害では収縮期血圧(sBP)が重要になってきます(Ikeda M, et al. Using vital signs to diagnose impaired consciousness: cross sectional observational study. BMJ. 2002 Oct 12;325(7368):800.)。高ければ高いほど頭蓋内病変の可能性を示唆します。

・sBP:160-170~LR4.3
・sBP:170-180~LR6.1
・SBP:180以上~LR26

 そして、低ければ低いほど頭蓋内病変の可能性は低くなっていきます。

・sBP:110-120~LR0.5
・sBP:90-110~LR0.08
・sBP:90以下~LR0.03

 これだけでかなりのアタリが付いてしまうという恐ろしさ。低血糖は意外と高血圧を示すことがあるので、それはどんな場合でも真っ先にrule outする必要があります。なので、意識障害があれば血糖測って血圧測って、というのが迅速な対処の第一歩でしょうか。血圧が高ければ頭部CT優先ですし、低ければ静脈血でもいいので血ガスを。
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2013
12.07

お財布に優しいマグロ血合いの角煮

 カツオとかマグロは甘辛く煮ると非常に美味しいですね。ということで、この前マグロの角煮を作りました。しかも経済的に、血合い肉を使います。生臭いということで敬遠されがちですが、安いのがポイント。きちんと調理することで生臭みも消えてくれますよ。

 材料はこんな感じ。

角煮1

 血合い肉、お醤油、みりん、お酒、お砂糖、生姜。

 みりんは”三州三河みりん”を使ってます。これは”みりん風調味料”ではなく本当のみりんでして、コクがやっぱり違うと感じています。あと、お酒も料理酒ではなく日本酒。”菊水の辛口”がクセなくて有用。本当は”越乃景虎”が好きなんですけど、新潟(自分の出身大学のある県)以外では全然見かけなくて…。

 マグロ血合いは生のキハダマグロでもこの安さ。100g48円。スーパーによってはもっと安くなっていることもあります。あ、たまにぶっとい骨があるので、そこは気をつけて下さい。

角煮2

 調理する上で重要な点としては、以下が挙げられます。

・最初に多めのお湯で軽く茹でておく
・お酒をしっかり使う
・灰汁もきちんと取る
・生姜を十分量投与する

 これを忘れずにいれば、血合いもなんのその。

 ということで、まずは血合いを切ります。味を染み込ませるためには、大きすぎないほうが良いでしょう。一口で軽く食べられる様なレベルに。

角煮3

 そして、多めのお湯で茹でます。すごい色になりますね。。。

角煮4

 ざるに。

角煮4半

 そして、お水とお酒を合わせてマグロがひたひたになるくらいのレベルに。自分はお水:お酒=1:1くらいにしてますが、全部お酒で押す人もいるようです。

 茹でていくと、こんなに灰汁が!

角煮5

 強迫的に掬って、綺麗にしましょう。

角煮6

 次に生姜を。適当な大きさに切って入れます。生姜も多めが適切。

角煮7

 しばらくしたらお砂糖とお醤油とみりん。煮詰めることを考えると、入れた時点では「少し味が薄いかな?どうかな?」くらいにしておくのが適切。自分は甘めが好きなのでみりんが多くなります。

角煮8

 後は放置。落し蓋がなかった。。。

 これくらい煮詰まれば十分ですね。

角煮9

 火を切って、おつゆに馴染ませるため再び放っておきます。個人的には1日寝かせてから食べるのが好き。

 で、こんな感じ。寝かせておくと色合いが良くなりますよ。「煮た!」って感じですよね。

角煮10




んまい



 ホロッと崩れて甘辛さがじわっと。ごはんが欲しくなりますね…。日本酒にも合いそうです。
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2013
12.04

鶴舞公園をお散歩

 初冬の鶴舞公園を散歩してみました。実はこうやってこの公園をじっくり見て歩くのは、名古屋在住5年にして初でございました(そろそろ6年目なのに…)。

 正式名称は”つるま”公園。今は”つるまい”公園とも呼ばれますが、なぜこの漢字でこの呼び名なのか調べてみたら、wikipedia先生にこの様な記載が。


元々、この地は水流間(つるま)という地名で、公園設置にあたり縁起の良い「鶴」の字を当てて鶴舞公園(つるまこうえん)とされたが、その後にできた隣接する旧国鉄の鶴舞駅(当初は臨時駅)や、昭和区内の町名がいずれも「つるまい」としたために、区別無くいつしかつるまいこうえんと呼ぶ者も多くなった。


 そんないきさつが。

 というわけで、ちょろちょろ歩き回りましたので写真をご紹介。

 果物がなっています。

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 様々な色が1つの景色をつくっています。紅葉のしっとりとした感じはやはり良いですね。

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 綺麗に咲いてらっしゃる。

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 ん?なにコレ? 

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 あらー、そんな歴史が…。さびしげな台座ですね。。。

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 これが、本来の加藤高明総理大臣像。戦争の時は構ってられるかという感じだったんでしょうか。

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 平和な今は、みなさん楽しそうに遊んでおります。

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 随分とひねくれた幹。

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 木々が青空に映えますね。ほっとします。

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 ホウキグサ?

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 手を添えるとこんな感じ。良い色になってます。

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 下に眼を落すと、ドングリ発見!子どもの頃は良く集めました、こういうの。

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 ナナカマドでしょうか。

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 この朱色がまた素晴らしいですね。

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 病院が見えました…。良い気持ちで散歩していたところでしたが、仕事を思い出すなぁ。。。

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 気を取り直して。お、銅像発見。足の裏でもかゆいの?

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 近づく。やっぱりかゆいんじゃないだろうか。”踊り子”という銅像のようですが、バレリーナもトゥシューズ履きっぱなしだと足が蒸れてかゆくなるということか(たぶん違う)。

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 真っ赤!

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 近づいても真っ赤!

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 その奥は更に真っ赤!

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 すごい真っ赤!

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 今度は黄色!イチョウですね。

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 カルガモさん発見。

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 やっぱり色合いが綺麗。この鶴間公園は桜が有名で”日本さくら名所100選”にも選ばれています。でも秋~冬もまた違った感情を持っていますね。

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 最後は何かトロピカル。

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 そんな感じでお散歩終了。かなり疲れて帰ったら寝てしまいました。。。体力が無いなぁ。
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2013
12.02

植物のシーラカンス?

 住んでいるところにはイチョウが並木がございます。季節柄、少し前から独特の匂いが立ち込めております。

RIMG0467.jpg

 交通量の多いところにあるもんですから、路に落ちた実が車や自転車や歩行者に潰されて、そりゃもう凄いことに。。。

 でも青空に映える黄色は、寒さの中に凛とした姿を表現してますよね。実に綺麗です。

イチョウ1

 ホントに良い色ですねー。スキっとしてます。

イチョウ2

 匂いも本数が少なくてほのかに香るなら季節を感じさせますが、いかんせんこの辺りは…。

 そんなイチョウは、今から2-3億年前に栄華を極めていたとのこと。”かなり前”っていう言葉も足りないくらいの前ですね! 裸子植物で雌雄異株。雄花から飛んだ花粉が雌花に付くとそこで鞭毛を持った精子が出来て、精子は自力で卵まで泳いでいきます。これは古い古い受精法でして、現生する種子植物としては最古の部類。種子植物の中で精子を使って生殖するのは、イチョウとソテツ類のみ。どっちの精子も日本人が発見(イチョウは平瀬作五郎先生、ソテツは池野成一郎先生)。大したもんです。

 氷河期など環境の変化で追い詰められ、約170万年前には、現在のイチョウ一種のみを残して他は絶滅。そんなこんなで”生きた化石”と呼ばれます。

 野生種はなく、今あるイチョウさんはすべて人の手によっております。日本のイチョウも中国から仏教伝来とともに伝わってきたとするのが有力。その中国には野生種があるかも…?と言われることも。奥深くにはあってもおかしくないですね、あの国は何があるか分からない。ヨーロッパのイチョウも死滅してしまって、日本から持ち込まれたものを植えて増やしていったそうですよ。

 いたるところにあって珍しくないイチョウ。私たちとの距離が近くて、何か親しみを持ちます。江戸時代には防火樹として、人々を火事から防いでくれました。原爆とも無縁ではなく、広島のお寺にあるイチョウは原爆により幹を残して焼けてしまいました。でも翌年、しっかりと芽吹いたんです。原爆と敗戦で傷ついた広島の人たちにとって、それは大きな暖かみだったことでしょう。生活に根付き、そして心にも根付くイチョウ。やっぱり日本のシンボルだな、と思います。
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