2013
11.29

そんな人だったなんて…

Category: ★精神科生活
 数年前、飲み会の席で超大先輩の先生からこんなことを言われました。

「覚えてる中で一番昔の記憶を言ってごらん」

 それによって、言った人がどんな性格を持っているか大体分かるよ、とのこと。

 へー、と思って言ってみました。


幼稚園で、先生が集めた落ち葉をぐしゃぐしゃにしてその後ぴゅーっと逃げたこと


 これが一番昔の記憶。悪ガキでしたなぁ…。そうしたらその先生の御言葉。

先生「ほー、落ち葉。先生は女の人?」

自分「はい」

先生「落ち葉はどうだろう、まあるく集まっていたかね」

自分「んー、確かそうだったと思います。よくある盛り上がった感じの」

先生「なるほどね」

 先生、何か分かったようです。そしてその次に



先生「その落ち葉は おっぱい だね」



は?



先生「君は愛着のあるもの、大事なものを壊したいという願望を持っている」 



え?



 そんな自分の願望(と思いたくない)を知った周りはドン引きですよ。。。

周囲「えー先生そんな人なんだー」
周囲「先生DVとかしちゃうんじゃない?将来」

 いやいやそんなアナタ…。

 この時はさすがに「精神科やべぇなおい…」と思いました。精神分析では乳房とか生殖器にまつわることが数多く出てきますが、その頃はまだそういうのをあんまり勉強していない時期で、いきなり発せられた”集めた落ち葉→おっぱい”という発想にポカンとしてしまいました。

 ま、今でもちょっと何なのって思いますが…。




 ちなみに、DVしておりません(重要)。平穏無事に暮らしております。そこは強調しておきましょう。
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2013
11.26

見て学ぶ

Category: ★精神科生活
 昨日(11/25)は、山梨県立北病院に行って来ました。なぜって?



多飲症への取り組みのためでございます




 電車と新幹線を使って、片道3-4時間くらい。出張とはいえ経費節約のこのご時世、日帰りですよ日帰り…。帰ったらすぐ寝てしまった。。。しかも写真を撮るのをすっかり忘れてしまいましたよ。

 その病院には1人で果敢に挑んだわけでなく、看護師さん3人と作業療法士さん1人と自分の計5人。多飲症チームのメンバーでございます。

 多飲症と言っても、特に統合失調症患者さんのものをお勉強。不思議でしてね、1日に10L以上水を飲んでしまう患者さんもおるのです。それで亡くなってしまう人もおり、また多飲が軽くならないと退院も難しいという人もいます。

 原因は不明。お薬のせいだ、とする意見もあります。確かに一翼を担っているでしょう。お薬の抗コリン作用で口が乾くとか、お薬を洗い流すために水を飲んで排泄するとか。でも多飲の報告は抗精神病薬出現前から行われており、お薬だけで説明がつく問題ではありません。原因はともあれ、多飲症の患者さんは、飲水が”嗜癖”になっているんじゃないかな、と思っています。行動としての拡がりが乏しくて、すぐに結びつくのが飲水。

 ちなみに自分も、他にすることが無かったり受けている講義が暇だったりイライラしたり、なんて時は飲水量が増えます。「あれ?こんなに飲んだっけ…」と思うくらいに短時間で2Lのペットボトルの中がものすごく減っているなんてこともあります。

 解決策としては”美味しく安全に水を飲んでもらうために、一緒に考える”ということ。特に何十年と入院している慢性期の患者さんだと、こちらが患者さんの持つ能力を過小評価してしまいがち。でも患者さんにはやれば出来る力が必ずあって、それを引き出しながら、信じながらこちらも取り組んでいくことが大切でございます。見学に行った山梨県立北病院もそのようなスタンスでチームを立ち上げたという昔話を聞きました。うちの病院はチームを立ち上げてまだ3年なので、これからの成長に期待でございますね。でもこの3年の取り組みで1年のうちほとんどを隔離ですごさなければいけない患者さんがほぼ隔離ナシになったり、そうでなくても激減したり、効果は出てきております(水を飲み過ぎると死亡してしまうことがあるので、やむなく身体の安全上隔離して水から離さねばならないことがあるんです)。

 職業柄、やっぱりお薬のことを考えます。見学に行った山梨県立北病院はクロザピン(クロザリル®)が使える病院。これは多飲症にも効果大とのこと。うちの病院も使えるようにならんかな。他は、抗コリン薬を減らしたり単剤化と減量を試みたり。自分は”嗜癖”という観点からトピラマート(トピナ®)を使うことが多くてですね、まぁまぁ効果があるんじゃないかなと思っています。

 漢方的には、五苓散が効いた患者さんが1人、清心蓮子飲が効いた患者さんが1人。効かない患者さんのほうが多いのは言うまでもありませんが…。こういった”渇き”に注目する以外にも、例えばイライラした際の対処行動としての多飲ならそのイライラを抑えるもの(抑肝散とか)を使っても良いんだと思います。

 そんなこんなで、山梨県立北病院はこんな多飲症の本を出しています。精神科の医療スタッフで多飲症に関わる方は、目を通しておくと良いことだらけ。

多飲症・水中毒―ケアと治療の新機軸多飲症・水中毒―ケアと治療の新機軸
(2010/02/01)
不明

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2013
11.22

RCTもこわいもんです

Jones CW, et al. Non-publication of large randomized clinical trials: cross sectional analysis. BMJ. 2013 Oct 29;347:f6104.

 この論文は、衝撃的。

 RCTというのは昨今のエビデンス医学の中では重宝されていまして、これで白黒付けるべきと言われています。しかも大規模なら尚更。小規模のものやちょっとした比較試験はあんまり見向きされない傾向。さびしいもんですけどね。

 さてそんなRCTですが、この論文ではClinicalTrials.gov(色んな臨床試験が登録されているところ)を用いて、今は終了している大規模RCT(組み込み予定数が500人以上)をたくさん眺めてます。

 それらの結果が論文化されているかどうかをpubmedで頑張ってチェックしたところ、なんと29%も結果が未公表でした!!!585件のうち171件にも昇ります!



(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)



 RCTが終わっただけでまだ執筆中なんじゃない?と思うかもしれませんが、調べた論文は終了してから中央値60ヶ月が過ぎてまして、このまま放置されるRCTも相当な数になるとされます。

 しかも、585件のうち、製薬会社がお金を出している研究が468件(80%)でして、未公表な171件に限るとなんとそのうち150件(88%)!!!

 角度を変えると、製薬会社が資金提供している468件中、150件(32%)が未公表、資金提供なしの117件だと未公表は21件(18%)。製薬会社関連の研究結果の方が公表されにくいと判明しました(p=0.003)。



ここまであからさまなのか!



 大規模なRCTというのはお金がかかります。よって製薬会社がFundingをしますが、ここにやはり色んな黒いものが渦巻きます。

 すなわち”製薬会社に不利な結果になった場合、それを公表しない”ということになります。想像に難くないですね。他は、色々と統計のやり方を変えて何とか誤魔化すか。

 ここで大事なことがありまして、いわゆるガイドラインってやつ。精神科でもCANMATとかWFSBPとかありますが、そんなガイドラインはエビデンスを集積したもの。RCTが重視されます。でもそのRCTも製薬会社に都合の良いものだけが世間に公表されている可能性がちらつく。となると…?

 すごく怖いことだと思います。RCTだからといって飛び付いちゃいけません。abstractだけ眺めてオシマイではなく、どんな方法で行ったのか、資金提供はどこが行っているのかというのもしっかり見ましょう。良質なRCTは確かに数多くありますから、それを見ていく。

 若手の医者や研修医は、小規模な臨床試験や症例報告を馬鹿にしがちです。でも生きた治療経過というのは、それらに色濃く反映されますよ。

 公表されていないRCTについては残念ながら結果を知る由もないですが、公表されているRCTも疑いのマナコで吟味。最低最悪なRCTの代表は、以前このブログでも取り上げましたが、某ファ○ザーが資金提供を行ったリネゾリドのZEPHyR試験ですね。ひどいですわ、あれは。それがトップジャーナルに載るんだもんなー、やってらんねぇよ(愚痴)。

 エビデンスに支配されない様に。でももちろんエビデンスを無視して良いという訳ではありません。このおかげで標準的な治療が定まってきた部分もあるため、参考にするところはして、個々の患者さんに合った治療を選択していく姿勢が大事です。
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2013
11.17

研修医用の腎臓内科テキスト

Category: ★本のお話
 腎臓は身体の臓器の中でも非常に大事。ICUにおいても、腎臓を生かす/保護することが重要な戦略でございますね。なので、研修医のうちは腎臓についてしっかりと勉強しておくことが、この先の医者人生をグレードアップさせます(たぶん)。自分も今は内科にも外科にも程遠い科にいますが、研修医の時は腎臓内科を4ヶ月くらい廻りました。その経験が論理的に考えることや救急外来にも活きたんじゃないかな、と今思っています。

 ということで、今回は腎臓内科のテキストで研修医が無理なく学べるものを少しご紹介。以前に”総論・各論・マニュアル本”という記事で少し出しましたが、それとはちょろっと変えています。

 まずは、腎臓についてしっかりと総論的に学ぶことが求められます。どの科にも言えますが、マニュアルで対処してると知識が全然つながりません。

 ということで、こちらを。

腎臓病診療に自信がつく本 Basic and Update (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 2)腎臓病診療に自信がつく本 Basic and Update (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 2)
(2010/09/01)
小松 康宏

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 少し誤植はありますが、「これ誤植だ!」と気付ける範囲。内容は実に素晴らしいです。カイ書林の出してる本は表紙が少し素っ気ないので、羊土社の読みやすい感じと比べると地味で人目を引きませんが、中身はしっかりしてますよ。同じシリーズの胸部レントゲンも秀逸。

 んで、お次はこちら。

考える腎臓病学考える腎臓病学
(2011/03/24)
谷口茂夫

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 この本も実に良いんですよねー。こういうのが欲しかった、読みたかったと思わせてくれます。この2冊で、マニュアルで動くタイプから”なぜそうなるかを考える””なぜこう動くかを考える”という立派な研修医になること間違いなし、かもしれません。自分が今研修医なら、この2冊を間違いなく買って読むでしょう、うん。決して網羅的ではないですが、”考える”ことを重視してくれてます。

 そして、その後にコチラを。

レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版
(2012/01/13)
深川 雅史

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 「表紙にマニュアルって書いてあるじゃねぇか!」と思うかもしれませんが、いえいえアナタ。中途半端な教科書を完全に凌ぐ出来でございます。単なるマニュアルじゃないんですよ。これは読み込む価値あり。

 基礎知識をこれらでがちっと固めておく。そして、電解質は別個にお勉強。この2冊でしょうか。

酸塩基平衡、水・電解質が好きになる―簡単なルールと演習問題で輸液をマスター酸塩基平衡、水・電解質が好きになる―簡単なルールと演習問題で輸液をマスター
(2007/03/01)
今井 裕一

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より理解を深める!体液電解質異常と輸液より理解を深める!体液電解質異常と輸液
(2007/04)
柴垣 有吾

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 電解質では黒川清先生の『step by stepで考える~』が有名ですが、読みやすくて実践的なのは今井先生の本。そして、和書の中で電解質をじっくりと考えて”張度(有効浸透圧)”を上手に解説しているのが柴垣先生の本。この2冊を繰り返し勉強すれば電解質や輸液も怖くない。後者は重厚な本ですが、頑張って繰り返し読みましょう。輸液の基礎知識を学びたければ、柴垣先生の『輸液のキホン』という本もあります。超薄くて文体も軽い。

 とは言うものの、やっぱりマニュアルは欠かせない。上記の本で体系を学んだ上でのマニュアル使用であれば、それは正当性が保証されます。腎臓内科ではやはりこれでしょうか。

 
腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第6版腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第6版
(2012/06/01)
今井 圓裕

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 ポケットに入れる腎臓内科マニュアルはこの1冊で十分。”レジデント”と銘打ってはいますが、外科内科に携わるすべての医師に欠かせないマニュアルだと思います。

 こう言った本を読み込むことが大事。一回読んでオシマイじゃなくて、読み終わったら少し置いて、再び読む。そうするとその間に勉強した他の知識とピタッとくっつくこともあり、新しい発見が生まれることうけ合いでございます。
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2013
11.14

疎経活血湯と視床痛

Category: ★精神科生活
 視床痛。視床の部分の脳血管障害を発症して、数週から数ヶ月してから出現することが多いと言われます。

 視床はほとんどの感覚の中継点。大脳と感覚器をつなぐ役割を持ちます。この視床が障害されると激しい痛みを呈することがあるのですが、それを視床痛と言います。痛みのみならず、しびれなどの感覚障害も併存することも多いのです。

 視床のところのごくごく小さい梗塞でも症状は激烈。何の怪我もない部分の感覚の障害というのは、外から見ると健常であり主観的なものなので、他の人に分かってもらえないつらさがあります。それも相まって、長期化すると心因的な要素も加わって更に治りにくくなります。心のつらさが身体のつらさ、この場合は痛みの増強となって現れる、といっても良いでしょう。

 そういうこともあり、治療はかなり厄介。精神科では痛み用の薬として抗うつ薬のアミトリプチリン(トリプタノール®)やデュロキセチン(サインバルタ®)など、カルバマゼピン(テグレトール®)、プレガバリン(リリカ®)、エビデンスレベルは低いもののバルプロ酸(デパケン®/セレニカ®)やラモトリギン(ラミクタール®)やトピラマート(トピナ®)なんかが使われますが、なかなか視床痛はそれらに反応してくれません。オピオイドにも反応しづらく、トラムセット®も…。

 色んな科が協力して治療するのですが、非常に難しい。。。どのような身体の症状を持っている患者さんも、精神科に紹介されると「見放された…」と思うこともしばしば。そういう時、自分は「身体がつらくなると心もつらくなります。心がつらくなると身体もつらくなります。精神科では心のつらさを少しでも軽くしていくお手伝いをします。そうすると、身体のつらさも少し楽になることもありましょう」という感じで、いくつかの例えを交えながらお伝えしています。

 そんな手こずる痛みの時こそ、ブラックボックスの代表格である漢方にお出でいただきましょう。

 定型的には、視床痛の第一選択として”疎経活血湯(そけいかっけつとう)”が用いられます。この漢方薬は『万病回春』という中国の明の時代の書物に記載されています。なぜこのお薬か?

 口訣的に決まっているから、というのでも結構ですが、この漢方の生薬を見てみることにしましょう。


当帰、芍薬、地黄、白朮もしくは蒼朮、川芎、桃仁、茯苓、牛膝、威霊仙、防風、竜胆、生姜、陳皮、白芷、甘草、防已、羗活


 こんなにたくさん入っているんですね。 これをみると、四物湯(当帰、芍薬、地黄、川芎)から派生している感じがしますね。もしくは、当期芍薬散(当帰、芍薬、白朮もしくは蒼朮、川芎、茯苓、沢瀉)の強化版でしょうか。ということは、血虚や水滞への関与がありそうです。他に、桃仁やら牛膝やらで活血化瘀と利水の強化。防已、羗活、白芷、威霊仙も加えて湿や風を取り払う働きを。

 湿り気や寒冷で憎悪するような痛みを取ってくれそうな感じがしませんか?痛みというのは往々にして”冷えると悪化する””雨の降る日はゆううつ”というものですね。痛みのある患者さんにその様なことを質問するとYesと答える人が多いです。また活血化瘀の作用があることで、瘀血の結果に発症した脳梗塞にも手を広げてくれていますね。水バランスを整えることは梗塞部への配慮や神経の痛みに効果的。概して固定した痛みというのは瘀血や水滞が関与していることが多いのです。

 この漢方薬はかなりブロードな範囲を攻めるのが分かりますね。生薬から考えると、確かに視床痛に効果がありそう。ただし、この漢方は気虚への配慮がほとんどないので、生気を失ったような患者さんには向きません。そういう時は補中益気湯などの補気剤を合方します。瘀血がばりばりに関与しているのなら例えば桂枝茯苓丸など、水滞がかなりあるなと考えたら五苓散などを合わせてカスタマイズしていきましょう。

 1人の患者さん(プライバシーのために改変しています)。視床部の脳梗塞を発症して数ヶ月後、下肢に視床痛を発症しました。痛みとしびれが強く、ペインクリニックで様々なお薬を処方されるも無効。ブロック注射でやっと楽になったものの、それも効果が長続きしませんでした。じわじわと痛みが強くなり、もういかんわーという状態。こういう患者さんは実に多いですね。これを読んでいるかたの中には「そういえば知ってるあの人もこんな感じだな」と思われることもあるかもしれません。で、自分の勤めている病院にやってきたわけでございます。

 向精神薬を十分量十分期間使用しても無効、というのはちょっと精神科的に旗色がよろしくない。。。使ってないお薬を聞くと、三環系抗うつ薬と抗てんかん薬のトピラマートが挙がりました。ただ、三環系は大量服薬されると死んでしまうので、ちょっと二の足を踏みます。。。じゃあトピラマートかな?でも明らかに認知機能を落とすし、何ともなぁ。。。

 じゃ、まずは漢方を使ってみようか。その患者さんは冷え症ではないのですが寒いと痛みが強くなり、夏になるとしびれが強くなる、と言います。うーん。夏になると、というのはたぶん日本だと湿気ですね。ムシムシしていると憎悪、と。寒と湿は拾っておきましょう。脳梗塞をしているので活血化瘀の作用は欲しい。今は結構元気だから気虚はないでしょうか。舌診や腹診もしますが特にコレっというのは見つからず(脈診は自信無いです…)。

 よし、これらから疎経活血湯(7.5g/day)を行ってみましょう!

 患者さんには「すぐ効く人もいるけどちょっと気長に飲んでからじわじわ効く人もいますんで、まずはトライしましょう。もちろん効かない人もいますが、やれるだけのことはこちらもやります。少しでも改善してくれればという気持ちも込めて、第一歩としてこのお薬を使いましょう」と言っておきます。自分は漢方薬に必要以上の(?)念や祈りを込めます。プラセボなんじゃないの?と思うかもしれませんが、プラセボでもなんでも効いてくれりゃ棒棒鶏もとい万々歳です。

 さて、結果は。。。


患者さん「飲んで10日くらいしてからじわじわと痛みが取れてきましたよ!」


 おー。

 正直、助かった感いっぱいです…。「あんな風に言ったもののダメだったらさてどうしようか」と思い悩んでおりましたし。。。患者さんは「麻酔科で治らなかったのが精神科で良くなるって言うのが何だか不思議ですね」と言っておりました。なんちゃって漢方医としては医者冥利に尽きると言ったところでしょうか。でもしびれはまだ取れてないと言っておりました。痛みの方がつらいのでそれが軽くなっただけでも良いですよとのことでしたが、しびれは今後の検討課題。しばらく疎経活血湯を続けてしびれがどうなるか見るというのも大事ですね。利水をもうちょっと強力にするために五苓散を入れてみても良いかもしれません。

 疎経活血湯でもなかなか良くならないという人は多いと思います。そういう時は、エキス剤なら服用量を倍にしてみることをお勧めします(患者さんの自己判断はいけませんよ)。ツムラさんなら7.5gが常用量ですが、これを15.0gに増量(この量でも甘草は2.0g)。エキス剤の用量設定は低いことが多いので、量を増やすことは戦法の1つです。ここまでやってダメなら疎経活血湯はおそらく効かない。。。煎じ薬なら話は別ですが、自分は全部エキス剤を使っているので。

 ちなみに、自分はその患者さんにもし疎経活血湯が効かなかったら

・精神科的に”怒り”の身体化ととらえて抑肝散を中心に組み立てる
・精神科的に”心因”を考えて桂枝湯合麻黄附子細辛湯を使ってみる
・強力な駆瘀血剤を使う(通導散など)
・利水をメインに組み立てる(五苓散や半夏白朮天麻湯など)
・柴胡桂枝湯を使ってみる(男性の不定愁訴にはこれを使えという大雑把な口訣?があるので)
・腎虚ととらえて補腎剤を使ってみる
・トピナを使ってみる(25mg/day~)

 などの選択肢を用意していましたが、あんまり自信無かったのよね…。疎経活血湯が当たって良かった。

 全部こんな感じで上手く行けば良いんですけどね…。なかなか現実は厳しいもんです。漢方が全然効かなかったよ!っていう患者さんも多い。もちろんこれは自分の選び方が悪かったことが大きいですが。あと、今勤めてる病院は採用している漢方の種類が以前に勤めていた病院よりも少なくて、なかなか出しづらいところはあります。これはしゃーないですね。

 漢方は作用機序が不明なものが多く、質の高いエビデンスに欠けます(多くの文献は質が低い)。でも臨床の経験の中で、外すことも多いけどバチッと当たることもあり。この”当たり”を見るとやっぱり医者にとって大事な武器だと考えています。

 最後に付け足しですが、漢方といえども副作用はしっかりとあります。ネットでは「漢方薬は副作用がなく安心して使えます」と言っているクリニックのホームページなんかを見ますが、そんなことは決してありません。「証が合えば副作用なんてない」というのも詭弁だと思いますし、漢方薬も”薬”なんですから、怖さをしっかりと知って使いたいものでございます。
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2013
11.10

懐かしい教科書が改訂

Category: ★本のお話
 本屋さんでうろうろ徘徊していたら、こんな本が。

入門組織学入門組織学
(2013/03/13)
牛木辰男

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 おぉっ、改訂していたのか!

 自分が学部2年生のとき、組織学はこの本を入門にしました。その後はJunqueiraの『basic histology』で勉強しましたね、そういえば。今はこの『basic histology』も和訳されてるんですよね。良い世の中になったもんです。

 『入門組織学』は初版が1989年という、かなり古め。自分が学生の頃に「そろそろ改訂されるような?」という噂がどこからともなく出てきましたが、結局それはなされず。時は過ぎて2013年に新しくなりました。24年ぶりですよ!

 相変わらず牛木先生のスケッチが綺麗でした、懐かしい。大事な項目がコンパクトにまとまっているので、まさに入門として適していると思います。『basic histology』は基礎事項を説明なくふっ飛ばしているところがあり、最初の1冊には向かないと思います。あくまで2002年の版の記憶ですが。

 本屋さんで改訂された『入門組織学』をパラパラめくって、顕微鏡を眺めてスケッチしていた学生時代を偲び、また時代の移り変わりに思いを馳せておりました。
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2013
11.05

白玉は平和の調べ

 大学院のミーティングがなかったので、本日はちょっと余裕あり。

 ということで、お料理について。最近は”漬ける”ということを良くしてまして、生鮭も安くなってますから、鮭を買って塩麹に1日漬けておきます。翌日はそれを蒸したり焼いたり。丁度良い発酵具合と味わいで、美味しいものでございます。

 でも今宵はそれではなく、”お豆腐白玉入りコーンクリームスープ”を作りました。

 メイン材料はコチラ。豆乳とコーンクリームとお豆腐と白玉粉。

131105_1627~01

 コーンクリームはアヲハタから出ています。結構色んなお料理に使えるので便利。今回は435g缶を使ってます。

 スープから作成。お鍋にコーンクリーム1缶と豆乳を適量。何となくこれくらいかなというとろみのレベルまで豆乳は入れます。自分はあんまり何mLとか量らなくてですね…。適当です適当。好みによって300-600mLくらいでしょうか。

 それだけでも味は良いんですが、後はコンソメかブイヨンをちょっと入れてみます。

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 味見をして、少し黒糖をプラス。

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 これで良いでしょう。おしまい。強火だとお鍋の底が焦げることがありますし、とろみが強いといきなり沸騰してくるのでそこは注意。ゆっくり混ぜながら温めるのが無難。コクを出したければバターを少し落としてみても合いますよ。

 次にお豆腐白玉。従来はボウルに入れて手でよいしょよいしょと作ってましたが、フードプロセッサーが家に届いてからはもう何か便利すぎ。絹ごしお豆腐(もしくは充填式)を水切りせずに半丁入れて、白玉粉も何となく適当。多分100gも入ってないです。

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 おりゃっと回す。あっという間。すごいなー。

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 結構サラサラしてます。

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 自分はこんなもん。この分量だと、白玉というよりはふわふわしたニョッキのような食感。もちもち感を出したいのなら、白玉粉はもっと入れた方が良いですよ。お豆腐半丁(200g)なら白玉粉150g弱くらい?

 サラサラだと手で成形は出来ないのでスプーンを2つ使って形を整えます。

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 お湯の中にポチャンと。どんな仕上がりになるか不安なら、1つだけ作ってみてチェックを。

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 茹で上がったらこんな感じ。見た目もニョッキっぽい。

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 水にさらして、と。小さめに作ったせいか大量に出来ました…。40コくらい?

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 水を切ってコーンクリームスープのお鍋に。で、終了。簡単簡単。2人分を目標に作ったんですが、3-4人でもいけそうな。量が多くなるのはいつものことですが…。

 バジルかなんかを適当に振って、食べましょうか。

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 こんな感じ(スプーンが異様に小さいので白玉が相対的に大きく見えてます)。お豆腐の味わい残るニョッキ的白玉とコーンスープがフィットしております。白玉は罪のない味でございますよ。

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 ごちそうさまでした。

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 この白玉はチーズを混ぜ入れてみたり、みたらし団子のようにしてみたり。色々とアレンジ可能でございます。

 ということで、みなさんも作ってみてはいかがでしょうか?
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2013
11.01

毎朝気になる

 自分は電車通勤でございます。車は免許(オートマ限定)を学生の時に取って以来まったく乗ってなくてですね、もう怖いです。レバーみたいな左手でガタガタやるやつも2とかDとかありましたよね、確か。あれも何を意味しているのか覚えておりません…。足で踏むのはブレーキが左でアクセルが右でしたよね、たぶん。もうそんなレベルなので、乗らない方が安全。。。

 その通勤で用いる電車ですが、毎朝かなり混み合います。みなさんピリピリしていて、座れるか座れないかという静かな争いが絶えず繰り広げられております。

 んで、今日は毎朝電車を待つホームのお話なんですが、そこの石畳。

石畳1

 整然と並んでおりますね。

 基本的には以下の並びが繰り返されております。

石畳2

 で、す、が、一部とても混乱しているのがありまして。並べる人がいい加減だったのか、何らかの意図があったのかは知りませんが、こういうのが自分は気になって気になって。毎朝「うーん…」と思いながら電車を待ってます。

 一例を。

石畳3

 あ、何か1つ仲間はずれがおるよ!こういう秩序が乱れるのは無視できません。

 もっと破綻したものを。

石畳4

 うわぁ、何が何やら…。何でこうなってしまうん?

 ちょっと困っちゃうんですよね、こういうの。と言いながら、自分の部屋や勤め先の机は色々散らかって混沌としているのでした。。。
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