2013
05.31

アリピプラゾール増強

Category: ★精神科生活
 大塚製薬が開発してアメリカで爆発的なヒットとなったアリピプラゾール(エビリファイ®)。

 ドパミンのパーシャルアゴニストという、遮断一辺倒だけではないのが特徴。特に低用量では賦活する側面を持ちます。低用量で賦活というのは抗精神病薬全般に言えることではありますが、非定型、特にこのエビリファイはその傾向が強いと感じます。

 もちろん統合失調症用のお薬ですが、統合失調症にこれ単剤で挑むと途中で失敗することがあり、特に慢性期だとゆっくりゆっくりスイッチングする必要性が最近言われています(ドパミン過感受性精神病という概念)。普通に切り替えるなら、最初からドカンと高用量を入れた方が良いでしょう。ドパミン受容体への強い親和性から、極端な言い方をすればオランザピン(ジプレキサ®)15mgが持つ受容体占拠の力をエビリファイたった6mgが押しのけてしまうということにもなりかねません。ジプレキサ15mgでなんとかかんとか抑えていたような症状は、エビリファイ6mgで収まるはずもなく、大爆発。エビリファイはパーシャルアゴニストという点と受容体占拠の強さという点から、中途半端な量を使うのがもっとも最も怖い薬剤です。初発ならエビリファイ単剤でも割と良い状態に持っていけます。概して、エビリファイを使うならクエチアピン(セロクエル®)や、気分安定薬のバルプロ酸(デパケン®/セレニカ®)みたいな鎮静系を少し噛ませると安定してきますね。

 良くも悪くも鎮静系ではないので、合う合わないがはっきりと出て来やすいかなと思っています。鎮静系なら、見た目上”効いてる”と思われることもあります。中核症状に鎮静で蓋をするような。エビリファイはその蓋の作用が弱いので、中核に効く効かないが分かりやすいといえるかもしれません。

 このパーシャルアゴニストという側面とセロトニンへの配慮から、うつ病(大うつ病性障害)の増強として用いられることがあります。適応も2013年6月には取れるらしいですよ。文献も今年のものをいくつか見てみましたが、効果はかなり高いと考えて良いと考えられています。

 この増強は自分もかなりやっていまして、実に切れ味が良いなと思っています。特に低用量で行っていて、1.5-3mgで十分な効果を示すことも。用量を多くしたからと言ってそれに比例して増強効果が出るわけではありません。せいぜい9mgくらいでしょうか、自分が増強として使うのは。再取り込み阻害系と相性が良いような印象はあります。

 双極性障害のうつ病相(bipolar depression)には、残念ながらプラセボと8週時点で有意差なく、適応が取れませんでした。6週までは有意差あったんですけどね。個人的には、もうちょっと低い用量でやっていたら何とかなったんじゃなかろうかと勝手に考えています。何故かというと、これもエビデンスではなくて自分の経験なんですが、エビリファイ1.5mgとか3mgとかでうつ病相から抜け出した患者さんがいまして、それも複数人。抜け出せなくても、うつ病相が強くて毎年入院していた患者さんがエビリファイ3mgで何とか入院せずに外来でやってこれたというのもありました。だから、うつに対して使うには低めの量でというのがポイントだと思います。ちなみにですが、何故か葉酸とビタミンB12で双極性障害のうつ病相から抜けた患者さんもいました。一部の統合失調症の陰性症状に効果がある、という論文を見て使ってみたんですが、ちょっとびっくり。これはプラセボ効果??精神科はプラセボがどの科にもまして威力を発揮しますからね。論文見ても製薬会社のMRさんが「有意差ついてます!」と自信ありげに言いますが、自分は「付いてるっちゃ付いてるけど、プラセボでもこんなに下がるんですよねー」とちょっと攻撃してみたりしてます←意地悪

 エビリファイの肩を持つわけではありませんが、ジプレキサは単剤で双極性障害のうつ病相への適応を(今のところ日本だけで)取っているものの怪しげです、これ。実は、ジプレキサ単剤だとMADRSやHAM-Dといった評価尺度の”不眠””食欲不振”のところだけ明確に改善しており、他の中核的なところは有意差がプラセボとほとんど付いていません。ジプレキサの副作用を上手く利用してその症状だけ改善させて、評価尺度の総合点のみで見ると有意差あり。これはまやかしと考えてもおかしくない。評価尺度は総合点ではなく項目別でしっかりと見ましょう。そういうこともあり、自分は双極性障害うつ病相へのジプレキサというのを信用していません。ただ、有意差がないということは差がないということを意味はしません。実際に、周りにはジプレキサでうつ病相から脱したという患者さんを経験する医者もいます。使用する価値はあるかもしれませんし、やっぱり少量を用いると言うのがここでもポイントかしら。

 エビリファイに話を戻すと、自分は良く強迫性障害の増強にも使います。うつ病と同じような使い方。結構治療抵抗性の強迫性障害って多いんですが、エビリファイで雪が一気に溶けるような治り方をする患者さんも多いです。色んなSSRI使ってもダメで、結局エスシタロプラム(レクサプロ®)にエビリファイを3mg噛ませたらめちゃくちゃ良くなった経験もあります。その時は、患者さんが診察室に入った時の表情が全く違ったのを覚えています。晴れやかになっていて、口に出さずとも「良くなったんだなー」と思えました。強迫には、あとはプレガバリン(リリカ®)も使います。「え!?」て思うかもしれませんが、リリカは不安障害や統合失調症の不安症状に結構効いてくれるんですよ。単なる末梢神経障害の治療薬ではありません。脳内のGABA濃度を上昇させるらしく、それが効いてるんじゃないかと。

 エビリファイ増強の問題点としては、副作用です。吐き気と不眠とアカシジア。吐き気は頑固で、プリンぺラン®やナウゼリン®くらいの嘔吐中枢ドパミン遮断じゃエビリファイのドパミン受容体親和性相手に太刀打ち出来ないことが多いです。なので、ドパミン以外からも制吐に働くジプレキサを噛ませることがあります。不眠については睡眠導入薬で何とかカバー(そういうのもあって、自分は統合失調症にはセロクエルを噛ませることが多いです)。アカシジアは厄介で、発現率も高いです。焦燥(agitation)と区別が付きづらいですが、「こころと身体、どっちがよりそわそわしますか??」と聞くと、明らかなアカシジアの時は「身体です!!」と即答してくれます。微妙な時も多いですが。このアカシジアに対しては、ミルタザピン(リフレックス®/レメロン®)を少し噛ませたり、後は抗ヒスタミン薬のプロメタジン(ピレチア®/ヒベルナ®)やβブロッカーのプロプラノロール(インデラル®)を入れると収まります。これらの副作用については、増強前にしっかりと説明しておきましょう。パーシャルアゴニストの特性か、副作用が出た時には用量を”上げる”と、逆に良くなることもあります。不思議な薬剤ですね。

 ということで、アリピプラゾール増強のお話でした。もちろん、患者さんが良くなるには薬剤と同時に支持的な精神療法も必要です。車の両輪と考えて良いでしょう。特に最近は薬剤偏重で、薬剤が効かないとすぐ「治療抵抗性だ!」という風潮。そうではなくて、もう1つの車輪の方にもしっかりと配慮しなければならないと思います。薬剤には、薬剤たる部分とプラセボによる部分の両方があります。プラセボ的な利点を最大限生かすには、治療者のこころを込めるのが大事。バファリン®ではないですが、お薬の半分は優しさでできている、そう思います。




☆参考文献
Spielmans GI, et al. Adjunctive atypical antipsychotic treatment for major depressive disorder: a meta-analysis of depression, quality of life, and safety outcomes. PLoS Med. 2013;10(3):e1001403.
Wright BM, et al. Augmentation with atypical antipsychotics for depression: a review of evidence-based support from the medical literature. Pharmacotherapy. 2013 Mar;33(3):344-59.
Arbaizar B, et al. Aripiprazole in major depression and mania: meta-analyses of randomized placebo-controlled trials. Gen Hosp Psychiatry. 2009 Sep-Oct;31(5):478-83.
Masi G, et al. Aripiprazole augmentation in 39 adolescents with medication-resistant obsessive-compulsive disorder. J Clin Psychopharmacol. 2010 Dec;30(6):688-93.
Sayyah M, et al. Effects of aripiprazole augmentation in treatment-resistant obsessive-compulsive disorder (a double blind clinical trial). Depress Anxiety. 2012 Oct;29(10):850-4.
Muscatello MR, et al. Effect of aripiprazole augmentation of serotonin reuptake inhibitors or clomipramine in treatment-resistant obsessive-compulsive disorder: a double-blind, placebo-controlled study. J Clin Psychopharmacol. 2011 Apr;31(2):174-9.
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2013
05.30

すっと下がってしまった

 外来で診ているおっちゃんの患者さん。「血圧が高いんですよねー」と話します。「ほー、どれくらいですかね」と聞くと、返ってきた答えが



「160/110くらいです」



 結構高いですね…。

 なんで今まで言わなかったんだ、という疑問は浮かびますが(血圧のことを聞かないこっちが悪いんですけど)、とりあえずは「高血圧は血管が先に年を取ってしまうのよ」と説明し、ラーメンのスープ飲んじゃいかんよ、代用塩も適宜使ってみたらいかが(腎機能は問題ないので、カリウムがたまるリスクは少ないと判断)などと言いましたが、その効果はあんまりなく、血圧は変わりません。ていうかラーメン大好きらしくってついスープ飲んじゃうみたいです。。。そこなんだよ!と言いたかったですが、好きなものを制限するのは殺生なことでございます。つい同情してしまい、あんまり押せず。自分も好きなもの食べちゃいかんと言われたらガックリきそうですし、なかなか守れる自信がなくてですね。自分で出来ないものを他人に偉そうに言うのもちょいと。

 しかし、このまま値が高いのを指くわえて見てるだけというのもどうかしらと思ったので、頑固親父的なCa拮抗薬のアムロジピンを使うことにしました。ここまで高いとRAS阻害薬よりもやはりCa拮抗薬をまず使って下げたいと考えてしまいます。

 さて、下がったかな?と思って聞いてみたら



「150/100です」



 あんまり下がらんね。。。

 「血圧高いせいか、頭も前から痛いんですよねー」




ほう、頭痛ですか




 粉飲めますか?と聞くと「飲めますよ」と。じゃあこれ行ってみようかな。



釣藤散! 



 高血圧の人の頭痛やめまいなんかにはよく用いられます。石膏という冷ますモノが入っていますから、あんまり冷え性な人には使いたくはない感じはします(冷まし過ぎないように人参も入っていますが)。

 ツムラさんのものを1日3包から開始。じゃ、また4週間後に来てください。

 で、4週間後。どうなりましたかね?



「130/80になりました!!」



 なんと!丁度いいじゃないですか。「こんなにすっと下がるなんて、すごいですねー」と患者さん。

 エキスの釣藤散って血圧を下げる力はあんまり強くないと思っていましたし、経験的にも実感がそこまでなかったんですが、この患者さんにはやたら効きました…。頭痛も取れてすっきりしたとのこと。良かった良かった。

 そこで患者さんから衝撃の一言



「先生、なんで精神科やってるんですか?」



 いや、ま、そういわれてもね。。。

 確かに今回は精神科とは関係ない治療をしていた…。ま、高血圧はどの科でも一定の治療ができるようになっているんですよということで。

 ということで、今回は口訣的な漢方の使い方をしました。”中高年+高血圧+慢性頭痛=釣藤散”でございます。
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2013
05.28

定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬

Category: ★精神科生活
 現在、統合失調症の治療薬はオランザピン(ジプレキサ®)やアリピプラゾール(エビリファイ®)といった非定型抗精神病薬が主役。ハロペリドール(セレネース®/リントン®)やクロルプロマジン(コントミン®/ウィンタミン®)に代表される定型抗精神病薬はちょっと脇役になりつつあり、若手の精神科医はこれで統合失調症の治療を開始するということはあまりないです。それに伴い、治療にかかるお金がどんどん増えています。非定型はめちゃくちゃ値段が高くて、負担になりますね(自立支援や精神保健福祉手帳などでずいぶんと患者さんの負担は軽くできますが)。製薬会社は開発にかなりつぎ込んでいるため、それを回収するためにも価格設定が高くなるんだと思います。そういうこともあって、彼らの非定型抗精神病薬のプッシュはすさまじい。中枢神経領域の新薬開発は停滞しており、製薬会社にとってはリスクを負って開発研究をしている状況になっています。某ファ○ザーや某グラ○ソは「もう作りたくねぇよ!」と言っている始末。

 さて、そんな抗精神病薬ですが、使い過ぎれば当然のことながら副作用が出ます。PETの研究では、線条体ドパミンD2受容体の占拠率が70%を少し越えだすと錐体外路症状(EPS)が出やすくなるとされます。寛緩期の維持療法に必要な占拠率は50%ちょっとで良いという意見も。これで全てを説明できるかと言われると難しいでしょうけど、ある程度の根拠を持つ投与量設定になります(絶対視はダメだと思います)。

 そこで、定型の代表格たるハロペリドールを見てみましょう。発症初期の患者を対象とした試験では、ハロペリドールが60-75%のドパミンD2受容体を占拠するにはたった1-3mgで良い!ということが分かっています(de Haan L, et al. Subjective experience and D2 receptor occupancy in patients with recent-onset schizophrenia treated with low-dose olanzapine or haloperidol: a randomized, double-blind study. Am J Psychiatry. 2003; 160(2): 303-9.など)。そうかそうか、と思うかもしれませんが、精神科医の中には「めっちゃ少なくね?」と思う人もかなりいるはず。それだけ、この量でそんなに受容体を抑えられるのかと意外なのでございます。これまでの精神科医のハロペリドール処方量は、D2遮断というところだけを見るとずいぶん多かったのです。

 こういった事実を踏まえて、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬との比較試験を見てみます。こういうのは大抵、非定型を売り出す製薬会社がスポンサーになっています(そうじゃないのも多いですよ)。ということは、試験を行う研究者は非定型寄りの結果を求められますし、「やべっ」ていう結果になった試験は公表されずに闇に葬られることだってありえます。そういう試験において、比較対象となる定型に選ばれるものは上述のハロペリドールが圧倒的に多いですね。ハロペリドールはEPSが非常に出やすいタイプで、また試験では設定される投与量が多いのです。行われる試験の半数以上が設定を10mg以上にしている、とも言われます。更に、EPSを抑えるための抗コリン薬の併用が認められない試験も多い。

 かなりハロペリドールにとって不利な条件であることはお分かりかと思います。そんなこんなで、試験の結果を解析すると非定型は定型よりも効果が高いし副作用も軽いし何より継続率も高いし、みんなどんどん使ってね!そして会社を潤わせてね(心の声)!となります。ま、こういうのは精神科の試験に限らず何だってそうですが。。。医者はそういうのにだまされない姿勢が大切。

 では、投与量を下げてみるとどうでしょう?ハロペリドールの投与量は12mgを境にして、それ以上なら非定型が効果や副作用の少なさで優るけれども、それ以下なら差はほとんどないという結果があります(Geddes J, et al. Atypical antipsychotics in the treatment of schizophrenia: systematic overview and meta-regression analysis. BMJ. 2000; 321(7273): 1371-6.)。つまりは、非定型の利点は比較対象である定型が高用量だった時のみではないか?とも考えられます。これについては様々な意見があり、用量を下げてもやっぱり非定型の方がEPS出にくかった、とする論文も多いです。

 更に、非定型がハロペリドールに勝るのは抗コリン薬の併用がない時のみで、それがあるとハロペリドールが勝るとする論文も(Rosenheck RA. Open forum: effectiveness versus efficacy of second-generation antipsychotics: haloperidol without anticholinergics as a comparator. Psychiatr Serv. 2005; 56(1): 85-92.)。ここまで来たら何が何やら。ま、抗コリン薬は使い続けると認知機能に悪影響が出るので、出来るだけ長期間使いたくは無いですが。

 次はハロペリドールではなく、定型の中でもEPSが出にくい低力価のものと比較してみましょう。クロルプロマジン換算で600mg以下の低力価と非定型とを比較すると、EPSの出現は何と同レベルなのでございます(Leucht S, et al. New generation antipsychotics versus low-potency conventional antipsychotics: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2003; 361(9369): 1581-9.)。これは最近行われたいくつかの試験で確認されています。

 有名なCATIE studyでは、定型のペルフェナジン(ピーゼットシー®)と非定型のオランザピン、リスペリドン(リスパダール®)、クエチアピン(セロクエル®)、ジプラシドン(承認予定)との比較をしています(Lieberman JA, et al. Effectiveness of antipsychotic drugs in patients with chronic schizophrenia.N Engl J Med. 2005; 353(12): 1209-23.)。治療継続率や症状改善では、ペルフェナジンはオランザピンを除いた非定型抗精神病薬と同等でした。認知機能では何とペルフェナジンの勝ち。やるじゃん、ペルフェナジン。ただオランザピンの強さも見られます。この試験は、定型にペルフェナジンを選択したシブさと、投与量をちょっと控えめにしたことがこのような結果に結びついた一因でしょう。しかし、この試験はペルフェナジンに若干有利なように組まれているとの指摘があります。

 イギリスのCUtLASSでは、定型の方がQOLと症状の改善に優れているという結果に。イギリスらしく、定型の多くがスルピリド(ドグマチール®/ミラドール®/アビリット®)でした。スルピリドかー。。。これを主剤にする勇気はないですけどね…。

 こうやって考えると、定型、特にハロペリドールはこれまで投与量が多かったんじゃないか?という反省ができます。その多い状態で非定型と比較すると、継続率でどうしても負けてしまう。もちろんドロップアウトしてしまうとその時点で効果判定することが多いですから、EPSによる修飾で効果においても劣勢。製薬会社はこういう事実を知って臨床試験を組んだかどうかは知りませんが、医者の方でも自然と投与量を多くしてしまっていたこともあったでしょう。

 ついでなので、色々な薬剤をザザッと比較したメタアナリシスも見てみましょう(Leucht S, et al. Second-generation versus first-generation antipsychotic drugs for schizophrenia: a metaanalysis. Lancet. 2009; 373(9657): 31-41.)。有効性/陽性症状/陰性症状においては、アリピプラゾール、クエチアピン、セルチンドール(承認なし)、ジプラシドン、ゾテピン(ロドピン®)の5剤は定型より優れているとは言えませんでした。優れているのはアミスルプリド(承認なし)、オランザピン、クロザピン(クロザリル®)、リスペリドンの4剤。抑うつ症状については、アミスルプリド、クロザピン、オランザピン、アリピプラゾール、クエチアピンが定型よりも良い効果で、それ以外はダメ。EPSでは、2つ以上の文献で確認されているものが、クロザピンが低力価に比べて有意に出にくいというもの。非定型といっても様々ですね。

 最近は非定型の代謝系への副作用が問題視されます。オランザピンやクエチアピン、リスペリドンなんかは体重・脂質代謝・糖代謝に影響を与えますから、これが患者さんのQOLを下げかねません。肥満になると、それが慢性炎症につながるので患者さんにもよろしくない。定型は定型で相互作用やQT延長なんかがあって大量服薬されると怖い。なかなか世の中うまくいきません。

 抗精神病薬は少量や中等度の量でその薬らしさが出ます。多く使うと個性がなくなってしまい、副作用の面だけが強く浮き出ます。また、非定型は使用量がちょろっと多くても目に見えるEPSがすぐに出るというのが少なく、ある程度ゆとりがあり、若手の精神科医でも使いやすい面があります。スイートスポットが広い、とも言えますし、ハンドルでいえば”アソビ”みたいなものがあると表現できるかも。定型はもう少しデリケートな扱いが必要でしょう。

 ただし、様々な臨床試験を眺めてみると、一口に定型・非定型と言っても薬剤の性格が各々においてすらかなり異なっていることが分かります。よって、定型・非定型と分けること自体が無意味!とするご意見もあります。それぞれの薬剤のキャラクターを知り使い分けるべき、ということ。自分の所属する精神科の教授に上のような質問(非定型の方が良いとも限らないのでは?という内容)を持っていったところ、そのようなお返事をいただきました。更に教授は、加えて”定型”と称される抗精神病薬の中には臨床・基礎の証左がなく、使用量も間違って設定されているものも多いと、ピモジド(オーラップ®)とスルトプリド(バルネチール®)の例を出して教えてくれました。ということは、古い薬剤も新たな視点で研究し直されれば、それが患者さんにとって安心安全に使えるかもしれません(製薬会社はそれをしないでしょうけど)。

 ということで、定型・非定型とズバッと2つに分けてなんちゃら語る、というよりもこれらを同じ土俵に上げて理想的にはそれぞれの薬剤の個性というものを見定めて使う、ということなのですね。ただし、数多ある抗精神病薬全ての個性を知るのは事実上不可能。製薬会社もわざわざ昔の(売れても利益にならない様な安い)抗精神病薬を研究しなおそうという気概はないでしょうし。なので、現時点ではよりデータのしっかりしたいわゆる”非定型”の出番の方が必然的に多くなる、と言えそうです。最近の試験を見てみると、非定型との比較から逆に定型に明かりが当たりつつあるか??と思いますが、様々な理由により定型が抜本的に見直される可能性は低いのかも、と思ってしまいます。以上まとめでした。





 ここからは自分の勝手な話です。エビデンスとは無関係なのであしからず。。。

 治療薬として何が高い効果を持つのか、というのを考えると、もちろん上述の各々の薬剤の特性にもよるのでしょうが、6番バッターの様な、ある程度ソツなくこなすのはオランザピンかなーと思います。。。村上靖彦先生(精神病理学の大御所!)がとある病院で統合失調症患者さんの薬剤治療を行っていたのですが、定型をうんうんと悩み倒して使っても全然良くならない。そこで若手の先生にちょろっと任せたら、彼はオランザピンを5mgだったかしら?それくらい使うことにしたみたいです。当初、村上先生は「はぁ?オランザピン?効くのそれ?」という感じだったようですが、何と何とあっという間に良くなって度肝を抜かされた経験があるそうです。それ以降村上先生も非定型を勉強して使えるようにしたそうですから、さすがオランザピン。

 クロザピンは周知の通り、切り札的な存在。オランザピンもクロザピンも、いろんな受容体に程よくくっ付くというのが治療効果の高さのしるしなのだと思います。それ以外にもよく知られていないメカニズムがあるのでしょうね。ブラックボックス的な?そんな意味ではクロルプロマジンなんか研究対象として見直されても良いかなーとも思ったり。

 そういえばクロルプロマジン換算の話が少し出ましたが、これを絶対視するのが正しいかと聞かれると、違うんだろうなと思います。ドパミンD2受容体の遮断をベースにこの換算は出されていますが、くっつきやすさとか併用した際に純粋に足し算できるのかとか(例えばエビリファイ®24mgにコントミン®200mgを乗せたからといって換算値800mgの効果と言えるか?)、後はドパミンD2受容体以外の受容体の働きとか、そんなのを加味して行かないといかんのでしょうね。大量投与や多剤併用も悪いと言われますが、それをしないと上手くいかない患者さんがいるのも事実。精神病院で自分が担当したとある統合失調症患者さんは複数種類の抗精神病薬が入っており、クロルプロマジン換算では2000mg近くでした。安定もしていたのでちょっと減らそうかなと考え、そこで「これちょっと減らしてみるか。そんな変わらんでしょ」と思ってすこーしだけ抜いたら、何と大爆発しまして。。。「長年の大量処方でそれ用の脳になっていたのではないか?」と思うかもしれませんが、前主治医の意見は「最初は少なめや単剤でやろうとしたが全く歯が立たず、あの処方でやっとうまくまとまった」と。ありゃあ触れちゃいけない処方であったのか。。。絶妙なバランスで、あたかもジェンガのような状態だったのでしょうね。そんな例は至る所にありますから、多剤併用や大量処方が全て絶対的な悪とは言えないかと思います。もちろん少なめや単剤で行ければそれに越したことはないというのは言うに及ばずでありますが。


-----追加記載-----


 こういったジェンガや村上先生の例などについて、最近はドパミン過感受性が言われています。患者さんのドパミン受容体がアップレギュレーションしてしまい、少しでもお薬を退くと症状がすぐに悪化してしまったり、色々とお薬を変えているうちにリバウンド症状が出現してもともとの症状なのか減薬したことによるリバウンドなのか訳が分からなくなってしまったりというのが示唆されています。こういう時は様々な受容体に結合するオランザピンやクロザピンが効果を示します。先のCATIE試験も、オランザピンがリバウンド症状を手堅く抑えたことを示しているとも言えますね。
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2013
05.24

商売繁盛

 ある晴れた春の日、豊川稲荷に相方と行って来ました。

 日本三大稲荷の1つでございます(でも総本宮の伏見稲荷大社のご意見は、三大稲荷は地域によって異なるから3つを限定しませんよというものらしいです)。豊川駅に着くやいなや、キツネ様がお出迎え。

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 「印税たくさん入りますように」という、俗世のカタマリのようなお願いをしてきました(効果は薄いようですが…)。

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 それはそうと、ここは神社と思っていたら実は寺院だったんですね!でも入る時に鳥居ありました。。。ちょっと不思議です。

 行った日は縁日のような状態でして、骨董市やらなにやらが開かれていました。場所柄、商売には寛容なのかも。

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 見るだけでも楽しい。しかし、中にはケンカを売っているものも…?

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 キツネ様の前でタヌキを売るとは…。しかもネコとかカエルとかもいて混沌としています。もう何でもありなのかしら?

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 じっと睨むキツネ様。やはりタヌキは気に入らないのかもしれません。

 「霊狐塚というのがすごいよ」とのことなので、向かってみることに。途中”千本のぼり”を通ります。

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 そして到着。お…?

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 もっと入ると…。

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おー!


 キツネ様だらけじゃございませんか!

 こりゃすごいですね。

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 あ、どうもこんにちは。

 何か目が合ってしまう。横のお姿も。

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 たくさんいらっしゃいましたよ。こんなにすごいとは思いませんでした。

 驚きながら色々とその他を散策。

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 カメさん登場。

 そしてそして、やはりというかさすがというか、稲荷寿司。

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”いなりずし”という単語と”大集合”という単語の組み合わせがこれほどまでにハーモニーを奏でる場所がここ以外にあるでしょうか。 

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 10種類以上あるみたい。

 そして今度は、お蕎麦屋さんだけどおうどんの配布。
 
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 みんな並んで待っています。

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 こちらは、ハイブリッド、猿回し?????なにそれ。

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 おサルさんは何かくつろいでます。回ってない。

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 庶民密着型のようなお寺で、楽しかったです。肩肘張らない感じが良いですね。

 すぐ近くの商店街にも足を伸ばしてみましょう。にぎやか。

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 ここも稲荷寿司。

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 ここだって稲荷寿司。

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 商店街も稲荷寿司のお店が多く、またお客さんで賑わっていました。室町の末期に建てられたお寺だそうですが、いつの時代もこうやってワイワイとしていたかもしれませんね。

 駅に戻って帰りますか、という時にこんな看板。 

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 焼きたハー??

 気が抜けますね…。
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2013
05.21

呼吸器内科のテキスト

Category: ★本のお話
 自分は研修医1年次で呼吸器内科をローテし、グラム染色部隊として働いていた記憶があります。ずっと前にも記事にしていましたが、患者さんの病室に突撃して痰をせがんでおりました。。。


自分「痰出ますかっ!?」←猪木風
患者さん「あ、いや今は…」


 そんな感じ。大体ゴミ箱に痰を包んで捨ててあるティッシュがあるので、


自分「これもらって良いですかっ!?」←猪木風
患者さん「え、あ、はい…」


 ご迷惑をおかけしたかと思います…。

 研修医時代の自分にとって、大学病院の呼吸器内科は専門性の強い患者さんが多く、ちょっと手出ししづらいところがありました。でも肺炎のグラム染色と肺がんの緩和ケアを中心に勉強し、今に活かされていると考えています。人工呼吸器は最後まで良く分からなかった。。。

 そんな反省を含めて、呼吸器内科の本はどういうのが良いかしら?と思って挙げてみます(2015年7月24日に内容を改めています)。

 入門中の入門としては”ねころんで読める”シリーズでしょうか。倉原優先生の『ねころんで読める呼吸のすべて』。”すべて”ではありませんが、とっつきやすさを考えると、寝っ転がって読めるこの本を推薦。

寝ころんで呼吸

 そして、漠然とした知識が入ったところでお薬の使い方を。『呼吸器の薬の考え方、使い方』をしっかりと読み込むと視界が晴れてくるかと思います。考え方というよりは使い方に重点が置かれている気がします、この本。肺高血圧など専門的な内容もありますが、呼吸器疾患はコモンなものも多く、読んでみると良いのではないでしょうか。

呼吸器の薬の

 お守りとしてのマニュアルは何か欲しいよ! という研修医の先生には『ポケット呼吸器診療』を。毎年改訂されるそうですが、研修医としてであれば、最新を追い求めなくても良いかもしれません。

ポケット呼吸器診療

 ここまで倉原先生の本ばかりになってしまいましたが、若手の先生なので研修医の眼線を保ってくれているのがとてもありがたいです。上から偉そうに難しいことを難しく書くのではなく、研修医のところまで降りてきて導いてくれるような。

 あとは人工呼吸器! 呼吸器内科ローテ中やICUローテ中に勉強してしまった方が、頭が呼吸器モードなのでやりやすいかも。呼吸生理というのが大事になるのですが、自分はまったくもって苦手でして。。。良くワカランまま精神科医になり呼吸器に触ることもなくなり。。。ちょろちょろっとこの前眺めた時点では、『世界でいちばん愉快に人工呼吸管理がわかる本』が最も導入的です。

呼吸管理

 これで大枠を掴んだあとに、田中竜馬先生の2冊(『人工呼吸に活かす! 呼吸生理がわかる、好きになる』『Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理』)に進むとだいぶ見通しが立つような気がします。

 ここに挙げた本以外では、もちろん感染症とグラム染色の典型的な像は別枠でお勉強が必要です。医者は他人様の命を預かるような職業ですから、それなりにきっちりしっかりと学ぶというのが大事になってきますね。一生勉強でございます。

 最後に1冊。その勉強というのを、患者さんとの出会いを通して教えてくれるのが亀井先生の『私は咳をこう診てきた』。

亀井先生

 コモンな咳という主訴を1つの題材として、亀井先生の診断の道筋というのがたどれます。序盤は診察や検査のエビデンスを、McGeeやJAMAのRational Clinical Examinationを参考にして示してくれています。エビデンスだけだとリアリティが欠けるんですが、やはりこの本のすごいところは”悩む”というところ。曖昧なところをしっかり悩んで、診断への筋道を修正していき、そしてまた考えていく。診断は決して単純ではないことや、時間軸を用いるという重要性も教えてくれます。終盤は在宅ケアについての章があり、そこでは患者さんの生き方、そして死に方への関わりが丁寧に記されています。私たち医者が患者さんの最期に対して出来ることは実に少ないのですが、どんな状態の患者さんであれ、看護できない患者さんはいません。この本は、”診る”ことと”看る”こと、この2つの視点がしっかりと、優しく書かれてあります。1人の臨床医として活躍された亀井先生の等身大の姿が、そこにはある、そんな気分でした。
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2013
05.19

夜のお仕事?

Category: ★精神科生活
 ”スーパー救急”なんていう言葉があります。何がスーパーなのか良く分からないのですが、精神科の病院が精神疾患の救急事態にもバリバリ対応しますよ!ということを示す言葉。

 一定の要件を満たしていればスーパー救急の認定をもらえるのですが、その1つに



年間200件以上の時間外診療を行うこと



 というのがあります。病院にとってはスーパー救急の認定をもらうとお金が降りるようで、そこは何とも維持したいところのようです。

 自分の勤めている病院もスーパー救急をやっております。しかし、この”年間200件”の達成に暗雲垂れ込めているようで。。。

 医局会でこのことが議題に。


長「どうもね、年間200というのがちょっと今のペースだと難しいようです」

A「そうですか…」

長「受診したいっていう患者さんがいたらぜひね」

B「今までも断ってないですけどねぇ…」

C「皆さんの腕が上がったから、患者さんも落ち着いてるんじゃないですかね」

長「うーん…。それは良いことかもしれないけど」

D「やばいんですよね」

長「今すぐってわけじゃないけど、このままだとね」

ざわ… ざわ…

E「どうすれば良いんですかね?」

長「まずは1日の当直で最低1件は診るというのが」

A「でも相談の電話すらなかったら診ようがないですよね…」

C「最近平和ですしね」

一同「うーん」


 困ってる皆さんをよそに、スーパー救急なんてあまり良く分からない自分は「早く帰らせてくれんかなぁ。夕ご飯作んないと」と、まさに他人事。困ってるふりはしておきます。ここである先生が冗談(?)で


E「電話して呼んじゃいましょうか?wwww」



一同「それホステスですやん」



A「電話して『最近来てくれなくてぇ、さみしい~っ』てやりますかね」

C「それしかないな、うむ」


 医局会もそんな方向(?)になり、結局


長「ま、がんばりましょう」


 という曖昧な努力を期待することになりました。

 はたしてスーパー救急を維持できるのか???一抹どころか大いなる不安を残して過ぎゆく日々を静観することになったのであります。
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2013
05.14

糖尿病診療を確かなものに

Category: ★本のお話
 糖尿病の治療は一般内科でも必須の知識と言えましょう。脂質異常症や高血圧症はススッと上手くいくことが多いですが、糖尿病はワンランク上な感じが勝手ながらしています。

 しかも最近はやたらめったら新しいお薬が出てきましたね! そうです、インクレチン関連薬です。なかなか知識が追いつかなくて困ってはいますが、大事なのは新しい薬剤にすぐ手を出すのではなく、既存の薬剤をどう上手く使えるか、だと思います。手持ちの武器をしっかりと使えてはじめて新薬の意味も出てくるというものでしょうか。しかも価格が高いしね…。

 製薬会社は高価なインクレチン関連薬を少しでも多く売りたい(儲けたい)でしょうから、MRさんは「こんなエビデンスありますよー、効きますよー」と言うでしょう。でもMRさんの情報はその製薬会社の情報ですから、かなりバイアスがかかっていると言えます。そんなのにだまされてホイホイ出すような医者にはなりたくないものですね。

 インクレチン関連薬でいうと、2013年9月のNEJMでは、サキサグリプチン(オングリザ®)はプラセボと比べて血糖値は下げますが心血管イベントを予防できず、全体の死亡率は上昇傾向になってしまい、更に心不全での入院は有意に増加。同じDPP-IV阻害薬のアログリプチン(ネシーナ®)も、心血管イベントの発生率はプラセボと同等。前者はSAVOR-TIMI 53 Clinical Trialsという試験で、後者はEXAMINE Clinical Trialsという試験(Scirica BM, et al. Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus. N Engl J Med. 2013 Sep 2. White WB, et al. Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2013 Sep 2.)。こんなのが売れてるっておかしいですよねー。

 どう薬剤を使っていくか、ということをしっかり考えて治療に当たるのが望ましいでしょう。その点では、実践的な糖尿病関連の本があると助かります。

 ということで、今回は能登洋先生の書かれた『糖尿病診療(秘伝)ポケットガイド』を紹介します。すごく小さくて薄くて、白衣のポケットにらくらく入ります。

糖尿病診療〈秘伝〉ポケットガイド糖尿病診療〈秘伝〉ポケットガイド
(2013/11)
能登 洋

商品詳細を見る

 <秘伝>と記されてはいますが、奇を衒ったような内容ではありません。基本としっかりとしたエビデンスに基づいているので、大ハズレの無い治療が出来るようになります(註:2013年11月に増補版が出ました)。残念ながら表紙はセンス悪いな…と思ってしまいます。

 きちんとスライディングスケールの悪さも書かれていますし、ピオグリタゾン(アクトス®)の大血管予防は立証されていないと明記されています。良いなぁと思うのは、薬剤治療の第一選択にビグアナイド系が載っていることでしょうか。

 世界的にはそれを選ぶのが当然なんですが、日本は何故か値段の高い薬剤(SU薬)をさっさと使ってしまう医者がまだいますね。アレは膵臓を殴ってインスリンを出させるようなものなので、最初から使うのはどうかなと思います。しっかりと患者さんを選んでいるのなら最初に使用するのも良いでしょうが(この本も第一選択のBにSU薬を示しています)、あんまり考えずにSU薬を出すのはいかんです。製薬会社に汚染された結果かもしれませんが(日本の糖尿病学会は製薬会社とくっつきすぎ。ホームページに製薬会社の名前がずらずら載っているのは変な気持ちにさせます)。

 ビグアナイド系は何と言っても安いのが特徴。そして世界的には昔から使われて効果が確認されているのが強みです。これを使いこなすことが、糖尿病診療の第一歩。

 この本の注意点としては、糖尿病神経障害の治療でプレガバリン(リリカ®)が記載されていますが、150-600mg分2となっています。添付文書上はそうなのですが、150mgから開始すると結構フラフラしたり眠くなったりする人がいるので、50mg分2や、高齢者なら25mg分1あたりから始めるのがコツかもしれません。精神科なのでそこが気になってしまった。

 本から離れて、食事については、糖質制限が話題ですね。学会は否定的なコメントを出していますし、論文は肯定的なものもあれば否定的なものもあります(ポケットガイドの著書の能登洋先生は否定的な立場です)。個人的には良い治療法だと思いますが、炭水化物の誘惑は大きいですね…。ご飯おいしい。でも血糖降下薬を服用するよりも先にこの糖質制限を行うべきでしょう。単純に「血糖値高いなら摂取する糖分減らしなさいよ」と思います。

 タイトすぎる糖質制限よりは、ゆるやかにするくらいが継続の秘訣かもしれません。ずっと糖質を摂っている人がいきなりゼロにすると気分が悪くなるでしょうし食事内容がガラッと変わることもあるので、自分は患者さんに「夕ご飯の白米をお豆腐にすることから始めてみませんか」と言います。じわじわと切り崩す作戦。「やだ!」と言われたら次に「じゃあ麺類をやめてみませんかね?」とちょっと妥協しますが、それでも無理な患者さんもいます。麺類美味しいしね。時間がない時はいったん諦めますが、少し話せるなら「食事はすべての基本です。食事が乱れていては効くお薬も効きません。私はお薬を工夫するから、あなたも食事で頑張りましょう。あなたの身体なんですから、治療する主役はあなた自身ですよ。わたしとお薬は松葉杖みたいなもんです。しっかりとあなたが歩こうという勇気を持ってくれれば、松葉杖も役に立てます」と、ちょっと厳かな感じでお伝えしています。折に触れて「主体は患者さん自身である」というメッセージを出すのは、気長につきあっていかざるを得ない病気の時は特に大事になってくると思います。ちなみに自分はプチ糖質制限(夕食の主食なし)。

 何か本以外の愚痴が多くなってしまいましたが、偏ったエビデンスに基づいた妙な治療、自分はこれを勝手にEBM(Evidence "Biased" Medicine)と呼んでますが、それに引っ張られること無く、世界標準的な治療を研修医の皆さんには目指してもらいたい、と思っています。糖尿病内科医に限りませんが、高価で、でも役に立つかどうかわからないようなお薬を使う医者は往々にして存在します。そんな医者にならないように、しっかりとお勉強を。
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2013
05.09

陰と陽、バランスが大事。

 漢方には陰と陽という概念があります。気虚や血虚と関連してくるもので、これを知っておくと随分と漢方的な目線が出てくるんじゃないかな、と思います。

 陰・陽という胡散臭いものは何なのか?引用の引用になりますが、琉球大学の日比谷健司先生のスライド(『中医の病態の捉え方ー病態を把握する物差しとは?ー』)がこの様に教えてくれています。

陰と陽

 人間のホメオスタシスを表すのが陰と陽。まずは陽虚から。

 陽とは、熱や火であります。また、気は陽に含まれます。陽が虚するということは、陰陽のバランスが崩れてしまって、熱産生が上手く行かず寒の症状が現れてきます。つまり、陽虚というのは”気虚+寒”と言えます。

 ということは、症状としてはどのようなものがあるのか。山本巌先生のテキストを参考に。


気虚の症状に加えて次のような症状が現れる。
・よく寒がる、四肢が冷たい、寒さに弱い、冷えると悪化
・顔色が蒼白い
・口は渇かない、よだれが多い
・尿量が多く、色は薄い
・大便は柔らかくてベタベタ、色も淡く臭いも少ない
・舌は湿潤、白苔がつく、歯痕がつくことも
・脈は遅く、力が弱い


 あぁ、不健康そうだ…という感じですよね、イメージすると。気虚がワンランク進んだような。日比谷先生のスライドと合わせて考えると、エネルギー代謝がダウンして、陰が相対的に大きくなります。ということは水分が多くなりますね。よだれが多いとか尿量が多いとか便がベタベタなどは、水分が多いんだなという解釈でまとめられそうです。

 更に陽虚は、五臓で言うと心・脾・腎と関わってきます。それぞれにおいて”機能低下と冷え”という感じ。特に腎の陽虚は八味地黄丸という有名な漢方との関係もあり知っておくべき事項でございます。

 脾陽虚は、食欲不振や消化不良、下痢や腹痛など。腹痛は温めると良くなる傾向にあります。

 心陽虚は、心不全を想像しましょう。労作時呼吸困難や起座呼吸、浮腫などなど。

 腎陽虚は、手足の冷えや背中が寒い、足腰が弱い、腰がだるくて痛い、動きが鈍い、夜間頻尿、尿失禁、動作時呼吸困難、手足の浮腫、ぼーっとする、無気力などなど。中医学で言う”腎”というのは西洋医学で言う腎臓(kidney)よりも幅広い概念なので、症状はそれだけ多くなります。でもCKDのステージが進んだ感じと表現しても何となくイメージはつくかもしれません。

 陽虚の治療には、補陽作用、すなわち気虚と寒を治す薬をメインにした補陽剤や陰陽双補剤を使います。

 附子とか人参とか乾姜とか白朮とか茯苓とか桂枝とか、、、そんなのを含むのが補陽剤。なので、真武湯ですとかね、後は人参湯に附子と桂枝を加えた桂附理中湯とか、苓姜朮甘湯に附子を加えた苓姜朮甘湯加附子など。茯苓四逆湯という、エキス製剤では人参湯と真武湯を合わせたものもここに入るでしょう。陰陽双補剤ですと八味地黄丸が代表例。

 苓姜朮甘湯加附子は下腿浮腫があって腰から下が冷えて重だるい時に。附子が入ることで各生薬の巡りを良くして、温める作用と利水作用も強めています。

 桂附人参湯は、人参湯に桂枝と附子を足したもの。人参湯は中焦(脾胃)を温める方剤でして、白朮で下痢に対処し、人参と甘草で腹痛に対処、乾姜で温めます。それに桂枝と附子を加えているので、血行が良くなって温め作用が強くなっています。桂枝はお腹も皮膚も温めて、腎臓への血流を上げて利尿作用ももたらしてくれます。人参湯だけだと利尿作用が乏しいので、人参湯そのものは尿量の少ない人が対象にはなりません。逆に浮腫となることがあるくらいですから。

 真武湯は人参湯よりも利尿作用が強くなっています。白朮に加えて茯苓が入ってますからね。附子や芍薬も加わっており、温めてかつ腹痛にも配慮。腹痛のある水様性下痢が主な症状で、尿量減少とか手足の重だるさがポイント。全体がカラッカラというわけではなく、体内の水分がうまく尿として出て行かないんです。いわゆる水滞ですから、身体が重くてめまいがしたり、こむら返りにも良いですね。浮腫にも効きます。でも、熱証で炎症がすさまじい場合はもちろん向かないですよ。末期の患者さんでは熱証となるような元気もありません。触ると冷たくて腎不全を起こして尿量も少なくなり浮腫になって、下痢ばかり出てしまっている。そんな時は真武湯がきっと役に立ってくれます。人参湯と合わせると茯苓四逆湯という方剤に近づきます。これらが合わさるとパワーアップと簡単に考えると良いかもしれません。

 八味地黄丸(八味丸)は地黄と山茱萸と牡丹皮が入っているので、次に述べる陰虚にも対応しています。いわゆる老化現象に八味丸、と宣伝されているお薬。腰が曲がって痛くなって、眼も見えなくなってきて耳も遠くなって、味もよく分からなくなる。歩くのも覚束ない。尿失禁なんかにも使用されますが、主に神経反射の悪いタイプですね。同じ尿失禁でも括約筋が弱くて、という人は補中益気湯。また、地黄と山茱萸は血中に水を蓄えるので、それを考慮するとよく言われる”多尿の口渇”にも良いですよ。糖尿病に見られますよね。ただ、漢方の中で副作用の報告が最も多いのがこの八味丸なので、注意して使いましょう。附子と桂枝が入っていることもあり、陰虚で虚熱があるような人には向きません。陽も虚している人が適応です。これを間違うとよろしくない。何でもかんでも八味丸というのはまずいです。

 牛車腎気丸は八味丸に利水作用のある牛膝と車前子を配合したもの。利水が強まっているので、八味丸の適応でさらに浮腫やしびれ(神経のむくみ)の強い時が使い時です。もちろんカラカラな人に使うのはダメですよ。

 ちょこちょこ出ていましたが、次は陰虚について。

 陰は血を含みます。また、陽とは熱や火ですから、陰は寒や水です。陰が虚するということは、陰陽のバランスが崩れてしまって、熱が生じてきます。よって、陰虚は”血虚+熱”と言えます。スライドと合わせて考えると、水分の合成ができなくなって熱産生が相対的に大きくなっていきますね。エネルギー代謝が亢進しており、エネルギーが消耗されてしまいます。こういう人に乾かす系のお薬を使うと良くないですね(半夏とか)。

 陰虚の症状は、これまた山本巌先生に従いまして。


血虚に加えて以下の症状が現れる。
・手足がほてる。
・午後に潮熱が出る。
・口渇し、口中が乾燥する。
・尿量は少なく、尿の色も濃い。
・便は乾燥して形がコロコロ。
・舌は乾燥して、舌苔は少ない。
・脈は細くて数である。


 五臓によって症状が分けれられますが、陽虚と異なりちょっとイメージしにくい。

 心陰虚は動悸や不眠、健忘などがあります。中医学の心は脳機能の一部も担っている(心は神を蔵す、なんて言われます)ので、精神神経系の症状も含まれますね。中でも意識水準や覚醒・睡眠系を司ります。

 肝陰虚はめまいや耳鳴、痙攣、多夢など。中医学の肝は肝臓(liver)の他に性格や感情、筋肉など多くに関連します。精神科的なところでいうと、人間の精神には”魄(はく)”と”魂(こん)”というものが中医学では存在します。魄は本能的即物的欲望である陰の働きで、肺に関連します。魂は理性的で崇高な感情である陽の働きで、肝に関連します。精神分析で言う一次過程と二次過程みたいな?

 肺陰虚は咳や寝汗、血痰など。呼吸器系のダメージですね。ただし陰虚なので痰も瑞々しくありません。

 腎陰虚は耳鳴、難聴、めまい、腰痛、性欲減退など。腎は幅広いですね。

 脾陰虚は口渇や空腹、便秘など。これはまだ分かりやすいです。

 陰虚の治療には、補陰作用のある薬をメインにした補陰剤を使います。補陰作用とは陰虚(血虚+熱)と老化に伴う慢性炎症性疾患を治す作用とを含みます。

 地黄、山茱萸、牡丹皮、麦門冬、芍薬なんかが補陰薬で、補陰剤の代表例が六味丸です。他には麦門冬湯とか清心蓮子飲、滋陰降火湯なんかも補陰に属します。血虚+熱ということで、補血と清熱の作用がある温清飲の加減をここに含めても良いでしょう。

 六味丸は子ども用、という認識のされ方があります。八味丸から桂枝と附子を抜いて作られたものですが、この2つを除いたのは、子どもは新陳代謝が盛んで陽気が多く陽を補する必要がないためと言われています。なので、発育不良とかチックのある子どもによく使われます。他には痩せ型でたくさん食べても太らないような人とか、慢性炎症性疾患にも用いられます。ただ、単独で使うことは少ないですね。何かと組み合わせて、というのが多いかと。

 竹筎温胆湯も含めて良いでしょうか。これは温胆湯に柴胡、香附子、桔梗、黄連、麦門冬、人参なんかを加えたもの。温胆湯より痰熱の熱症状がひどいものに、とものの本には書かれています。より冷ます系の生薬が多くなって、理気の作用もプラスされたものと言えるかもしれません。この漢方の中に入っている竹茹というのは精神安定作用も強く、精神科領域での使用が少しずつ広まってきている印象があります。不安とか不眠とか。中医学では、胆は”決断を主る””勇怯を主る”とも言われます。ビクビクして物事を決め切れない人とかは胆が弱っているんですね。

 滋陰降火湯は四物湯の流れをくんで、それに炎症を抑える知母とか黄柏とかが入り、潤す系の麦門冬や天門冬なんかも。痩せていて体の水分が少なく、だらだらと炎症が慢性化したような時に。なかなか痰がすっきりと出てこないような咳ですとか、歯槽膿漏もそうですね。似ている名前の滋陰至宝湯は逍遥散の流れでして、柴胡や香附子が入っています。精神的なストレスへの配慮がなされていますね。直接的に熱を冷ましたり潤したりというのは滋陰降火湯の方が強い。

 虚熱は、炎症は軽いけれども慢性に経過してなかなか治らず、反復して再発を繰り返すもの。外因の作用が強くないのに体質が弱いから少しの外因でも炎症を起こしてしまいます。なので、虚熱が目立つ場合は清熱薬と同時に補陰薬を使います。

 陽と陰というのを考えないと、無茶苦茶冷えている患者さんにもっと冷やすお薬を出してしまったり、暑がりの患者さんに熱を出させるようなお薬を出してしまったり。それはやっぱり苦しいものです。そんなのを防ぐためにも、漢方屋にとっては考えておくべき概念かもしれません。
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2013
05.05

紛れこむ小さな幸せ

 病院の食堂で注文回数の多いお昼ごはんに”醤油ラーメン”があります。炭水化物の塊で、良くないよねぇと思いながらもつい。

 こちらが、3月までメインに勤務していた病院の醤油ラーメン(350円)。シンプルな味で、変にこだわりのないところが食べやすい。

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 このラーメン、ぐぐっと覗くと…??

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 分かりました?もう少し…。

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 おそばの麺キタ!



 こういうのは何だか少し嬉しくなりますね(ずーっと前にも同様の記事があります…)。ラーメンもおそばも同じお湯でゆでるので、混入するんでしょう。もちろん、アレルギーのある方は事前に言うと別のお湯で茹でてくれますよ。

 ここのラーメンはジャンキーな感じがけっこう気に入っているのですが、舌鼓を打つものが入っております。それは…

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たまご!

 このたまごは絶妙な柔らかさ。卵黄も少しトロッとしていて硬くない。卵白も素晴らしい。いつも麺とかほうれん草とかネギとか薄いチャーシューとか、そういうのを全部食べてから最後にこのたまごをいただきます。味わいの余韻を楽しむのが、ラーメンの恒例となっております。
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2013
05.01

時には昔の話を

Category: ★研修医生活
 1年次研修医の時のお話。

 自分は名古屋大学医学部附属病院で研修を行いました。1年次は麻酔科を3ターム廻るというのが特徴の1つで、挿管もたくさんしますし、A-line確保も慣れてきます。色んな麻酔のお薬に強くなれるので、麻酔科を長い期間廻るのも良い事だとは思います。朝早く手術室に入って色々な準備をして、帰るのも遅い。自分は夏でしたが、冬に廻ると3ターム、すなわち3ヶ月間はお天道さまの顔を見ない生活になります。陽が昇る前に病院に行き、陽が完全に落ちてから家に帰る。そんな生活。なので、麻酔科を廻るなら夏の方が精神衛生上好ましいのではないかと考えます。

 この麻酔科、上述のように様々な手技をさせてもらえます。大学病院というとどうしても手技からは離れるというイメージがあるようで、確かに一理あるかもしれません。しかし、名大病院ではその不足を麻酔科で補えるため、それほど心配はしなくても良いと思います。自分が研修医の頃は救急外来なんかのルート取りも研修医の仕事でした。今は看護師さんがやってくれることも多いらしいですよ。世の中変わりました。


 そんな麻酔科、自分は残念ながら嫌いでして。。。


 そもそも手術室というのがダメで、学生の時もポリクリで外科を廻った時は疲労が著しく、体調が悪くなりました。体力が恐らく同年代と比較して半分ないんじゃないかという状態で、精神科以外だと多分今頃引退していたか過労でぶっ倒れていたんじゃないかなと思っています。

 麻酔科のノリにもついて行けず、手術室に入っただけでお腹が痛くなり、トイレに…。麻酔科のローテはホントに困りました。3ヶ月間地獄を見たと言っても良いでしょう。常に下痢止めを携帯していたことは言うまでもありません。

 ヘロヘロになりながらも3ヶ月しのぎ、ようやっと他の科で病棟に戻って回復。いくつか廻った後は、第2外科の研修でした。そこでは腹腔鏡の電源入れや気腹開始係など、看護師さんの仕事を奪うような外回りをこなし、オペそのものには参加しないというスタイルを出来るだけとっていました。手術要員も結構いたこともあり、自分が入ってもただ邪魔というのが先生方も分かって下さっていたのか、自分の外回り作戦に何も言わずにおりました。そのおかげか手術室に入っても腹痛は起きず、たまにはオペに入ることがあったけれども要所要所で外回り役をこなし、自分としてはまずまずな生活でした。

 しかしある日、麻酔科のT先生がまさに手術を行っている手術室に入ってきて、外回りの自分を見て獲物を発見したかのような表情をしたのであります。



T先生「お。お前何やってん」

自分「あ、どうも。お久しぶりです。今2外廻ってまして」

T先生「ヒマそうじゃん」

自分「いやー、ははは…」

T先生「あ、そうだ。K先生(第2外科の先生)、こいつ借りてっても良いですか?今人足りなくて」

K先生「あーどうぞどうぞ。好きに使って下さい」←あっさり

自分「え?」

T先生「ありがとうございま~す」

自分「え?何するんですか?」

T先生「麻酔だよ」

自分「いやいやいや、もう忘れちゃいましたけど…。K先生?」

K先生「…」←黙々と手術中

自分「K先生~(泣)」

T先生「はい行くぞー。お前は売られたんだよ」

自分「え~…」



 で、その日はずっと麻酔科で使われたのでありました。。。同期からは「何で麻酔やってんの?」と訝しがられ。というか、麻酔科が久しぶりでドキドキでした。

 そのせいか何のせいか、翌日からしばらく手術室に入るとお腹が痛い日が続きました…。

 そんな昔話。本屋さんで研修医フェアをやっているのを見て、その中で麻酔科のマニュアルがいくつか並んでいるのを眺めていたら思い出しました。

 今となっては懐かしい思い出でありますね。
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