2013
03.31

補う漢方

 中医学を特徴づけるもののなかには”補う”というのがあります。西洋医学は言ってみると”瀉する”ことを重視した医学と言えるかもしれません。細菌感染症になったら抗菌薬で叩く、というのはその代表例でしょうか。DICに対するリコモジュリンは”補う”と言えるでしょうが、そういうのは少なめで、原因を見つけてそれを”瀉する”というのがスタンスと思います。

 中医学はその2つがあり、正気は”補”して、病邪は”瀉”するという考え方。人間の疾患全てを漢方でというのはこの現代において危険極まりない行為だと思いますが、現代でも西洋医学が持たない視点というのがあります。それが患者さんを”補する”という概念。怪しい怪しいと言われ続けている中医学や漢方ですが、別の視点を持つという意味では見てみても良いんじゃないかしら、とも思います。

 補するお薬と言えば、補気剤と補血剤。それぞれ気虚と血虚とを治すものです。ここからは『山本巌の臨床漢方』に則して順番に見ていきましょう。

 気虚というのは気の不足を指し、体の働きが何とも低下してしまう状態。気って言うのは漠然と人間の機能を示し、血(けつ)というのは肉体や物質のこと。気から血がつくられる、らしいです。

 気虚になるとどうなるのか?以下に症状を示しましょう。


顔色が蒼白い。特に口唇の血色がなく、白くなる。
言葉に力がなく、大きな声が出ない。息が続かない。
手足がだるく、力が入らない。
脈が弱く遅い、力がない。
疲れやすく、疲れなくともしんどい。何をするのも大儀である。
すぐ眠くなる。



 精神科から見ると、これってうつ病の身体的な側面なんじゃないの?と思ってしまう症状ですね。特にDSMで言うメランコリー型の特徴を伴うものに近いでしょうか(手足が重いっていうところ)。この気虚は、気合いがなくなるっていうとイメージしやすい症状かもしれません。寺澤捷年先生は気虚スコアというスコアリングシステムを提唱されています。

☆気虚スコア
身体がだるい 10
気力がない 10
疲れやすい 10
日中の睡気 6
食欲不振 4
風邪をひきやすい 8
物事に驚きやすい 4
眼光・音声に力がない 6
舌が淡白紅、腫大 8
脈が弱い 8
腹力が軟弱 8
内臓のアトニー症状*1 10
小腹不仁*2 6
下痢傾向 4
【判定基準】総計30点以上を気虚とする。
いずれも顕著に認められるものに該当するスコアを全点与え、程度の軽いものには各々の1/2を与える。
*1:内臓のアトニー症状とは、胃下垂、腎下垂、子宮脱、脱肛などをいう。
*2:小腹不仁とは、膳下部の腹壁トーヌスの低下をいう。

 その気虚には主に脾の気虚と肺の気虚とがある、とされています。脾の気虚では、上記以外に食欲不振や味覚を感じないなど。胃腸機能が弱いということが挙げられます。肺の気虚では、少し動くと息切れして、汗がよく出てくるというもの。

 気虚の治療には補気薬の入った補気剤を用います。補気薬には人参、白朮、甘草、黄耆、山薬、大棗などがあり、それを主薬にしたものが補気剤。この基盤が四君子湯という漢方でして


四君子湯=人参、朮、甘草、茯苓、生姜、大棗


 で構成されています(生姜と大棗は後の世になって加えられました)。ちなみに地黄、当帰、芍薬、川芎を主薬としている四物湯が血虚に対する補血薬の基盤になります。

 この四君子湯が補気剤の元祖でして、それから派生したのが、良く耳にする六君子湯と補中益気湯。


六君子湯=四君子湯+[陳皮、半夏]


 でして、陳皮と半夏の力で悪心嘔吐や食欲不振を改善します。単なる食欲アップのお薬ではなく、補気剤というところが大事。この陳皮と半夏は中医学で言う”痰”を予防してくれる効果がありますが、患者さんを乾かす作用があり、良く「舌苔が薄い時には適応になりづらい」とされます。この六君子湯の作用を五臓で表現するなら、脾を養って肺にも配慮をしていると言えましょうか。更にこれら症状が強ければ香砂六君子湯(エキス製剤なら六君子湯と香蘇散を合わせる)を用います。 そして補中益気湯は


補中益気湯=四君子湯-茯苓+[黄耆、柴胡、升麻、陳皮、当帰]


 になります。黄耆と柴胡と升麻で弛緩した筋トーヌスを正常に戻すというのがポイントで、括約筋をキュッと締めてあげます。これが特徴。脱肛や尿や便の失禁、胃下垂など、いわゆるアトニー症状に有効なんです。また、黄耆は体力が低下して汗をダラダラ流す時にも良いです。陳皮と当帰が入っているため、脾から引き出した気をめぐらせることも考えています。全体として少し冷まして乾かす傾向にあるでしょう。やはりアトニーってのが適応の勘所で、疲れていても筋の緊張が強ければ補中益気湯を単独では用いません。その時は芍薬と甘草を含む小建中湯なんかを使うか、筋緊張を緩める方剤を合わせて使うか。”疲れている=補中益気湯”ではなく、”疲れてだらんだらん=補中益気湯”です。

 めまいの治療で有名な半夏白朮天麻湯も補剤と言えます。


半夏白朮天麻湯=六君子湯-大棗+[沢瀉、天麻、黄耆、乾姜、黄柏、麦芽]


 脾胃を補して、更に半夏や沢瀉などにより利水作用が加わっています。天麻というのは釣藤鈎に似た作用を持つので、鎮静・鎮痙により頭痛やめまいを治します。脳血管性の認知症は釣藤散が使われますが、脾胃が虚していて、水滞が関与しているならばこの半夏白朮天麻湯も効果があるかもしれません。

 で、これら補気薬を用いたい時に下痢をしているのなら、何か下痢を助長させてしまいそうな気がしないでもありません(程度の差こそあれ補気薬は水を出す傾向)。なので、エキス製剤なら水バランスを整えてくれる五苓散や猪苓湯を合わせるのも良いですし、補気薬として啓脾湯を用いるのも良いでしょう。


啓脾湯=四君子湯-[大棗、生姜]+[山薬、沢瀉、陳皮、蓮肉、山楂子]


 人参湯は人参が主薬なので補気薬としても使えなくはないですが、それよりも甘草と乾姜で内臓を温めるのがメインになっている温裏剤です。たまーに、人参湯の中の人参と甘草で浮腫を起こすことがありますが、四君子湯やそれの派生には茯苓や白朮が良い具合に含まれてまして、これらは水を排出してくれるんです。よって、四君子湯系では浮腫は生じません。絶妙な生薬の組合せですよね。人参湯で浮腫が起こるなら当期芍薬散を合わせることもあり、自分は、女性にこの組み合わせをまま出します。

 啓脾湯に名前が似ている帰脾湯。この主薬を見ると、四君子湯が入っているじゃないか!と気づきます。


帰脾湯=四君子湯+[酸棗仁、竜眼肉、遠志、当帰、黄耆、木香]


 なので補気剤として考えても良いでしょう。ただし、付加されている生薬は補血作用を持つものがあり、帰脾湯は基本的に補気と補血の両方を行なうものと考えます。酸棗仁や竜眼肉はちょっと落ち着かせる作用があるので、優愁思慮で食が細くなって、動悸がしやすく不眠になるような時に用います。また、軽度のアルツハイマー型認知症にも用いることがあります。帰脾湯よりも耳にする加味帰脾湯は、帰脾湯に柴胡と山梔子が含まれてまして、帰脾湯の様ながっくり系よりもイライラしたり熱が出る場合に使用します。


加味帰脾湯=帰脾湯+[柴胡、山梔子]


 自分の同期に疲れやすいって人がおり、その人には補中益気湯を勧めました。疲れた時に頓服として使っても良いので「1-2包を栄養ドリンクみたいな感じで飲んでみんさい」とお伝え。良く効くとのことで、愛用してくれています。 自分は風邪を引いた時に参蘇飲を飲むんですが、それに合わせて補中益気湯も使っています。

 お次は血虚。血は物質や肉体を指すと言われますが、概念的にはもっと広く、それらの素の様な印象。なので血虚は複雑で、自律神経や内分泌系の失調としてとらえられることもあります。

 血虚の症状は、以下のものがあります。


体が痩せて細い。体に潤いがない。筋肉がやせ細り、爪も弱くなる。
皮膚につやがなく、カサカサしてシワがあり、皮膚が痩せて皮下脂肪が少なくなる。皮膚の色が汚い。
脈が細い。
舌が細くしまり、どちらかといえば乾燥している。
尿量も少なく、便の量も少ない。

大体において消化吸収機能は良く、食欲も落ちない。気虚を伴わない限りは元気。
貧血があれば必ず血虚というわけではない。貧血で元気がなくなり浮腫があるような患者は気虚である。まずは補気剤を使わないと状態が悪くなることもある。



 気虚スコアをつくられた寺澤先生は、他にもいろんなスコアを作成しており、もちろん血虚スコアもあります。

☆血虚スコア
集中力低下 6
不眠/睡眠障害 6
眼精疲労 12
めまい感 8
こむらがえり*1 10
過少月経、月経不順 6
顔色不良 10
頭髪が抜けやすい 8
皮膚の乾燥と荒れ、あかぎれ 14
爪の異常*2 8
知覚異常*3 6
腹直筋急痙 6
【判定基準】総計30点以上を血虚とする。
いずれも顕著に認められるものに該当するスコアを全点与え、程度の軽いものには各々の1/2を与える。
*1:頭部のフケの多いのも同等とする。
*2:爪がもろい、爪がひび割れる、爪床部の皮膚が荒れてササクレるなどの症状。
*3:ピリピリ、ズーズーなどのしびれ感、ひと皮被った感じ、知覚低下など。

 カッサカサになっているタイプのアトピーの患者さんは血虚ですよね、まさに。
 
 この血虚の治療には当帰、川芎、芍薬、地黄の入っている四物湯が基本処方になります。


四物湯=当帰、川芎、芍薬、地黄


 そこから派生したものは多く、芎帰膠艾湯(正確には、四物湯はこれから阿膠と艾葉と甘草を除いて作られれたものですが)、温清飲、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯、芎帰調血飲、当帰飲子、十全大補湯、大防風湯、独活寄生湯、疎経活血湯などなど。

 四物湯を単独で使うことは非常に少ないのですが、もともと婦人の聖薬と言われ、自律神経や内分泌系の異常によって起きてくるような疾患や月経異常に用います。四物湯の派生系は、大きく言って以下の様な状態に使います。

出血
月経異常
乾燥タイプの皮膚疾患
運動麻痺や骨・筋肉の萎縮
陰虚の発熱

 気虚よりも外面に表れてきます、やはり。四物湯の中の地黄は胃に障るので、胃の悪い患者さんには健胃剤を併用します(陳皮、木香、呉茱萸など)。 大丈夫な人もいますよ。

 四物湯の止血作用を強めたのが芎帰膠艾湯。


芎帰膠艾湯=四物湯+[阿膠、艾葉、甘草]


性器出血や痔出血などに用います。言い方を変えると、芎帰膠艾湯の止血作用を弱めたのが四物湯、でしょうか。

 当帰飲子は四物湯に何首烏(カシュウ)や黄耆などを含めたもの。


当帰飲子=四物湯+[荊芥、防風、黄耆、何首鳥、蒺梨子、甘草]


 乾燥した皮膚の掻痒に特化させており、お年寄りの皮脂欠乏性湿疹に頻用されます。

 十全大補湯は有名ですね。補中益気湯とどう違うんだ?と思うかもしれません。これは四君子湯と四物湯に黄耆と桂皮を含めたものなのです。


十全大補湯=四君子湯+四物湯-[大棗、生姜]+[黄耆、桂皮]


 よって、補中益気湯を使う目標で、更に血虚がプラスされています。痩せて枯れているという印象であり、桂皮を加えることで冷えやすい状況にも対応しています。また、桂皮と当帰と黄耆の作用により肉芽増殖が促進されるため、褥瘡治療にも用いられます。血球減少は気虚も伴うため、四物湯ではなく両者を補う十全大補湯や帰脾湯が適しています。四物湯だと更にがっくり疲れちゃうこともあるので注意。

 十全大補湯と来たら人参養栄湯も説明しましょう。


人参養栄湯=十全大補湯-川芎+[遠志、五味子、陳皮]


 五味子と遠志は去痰や鎮咳作用を持つので、十全大補湯の使用目標で呼吸器系の症状のある患者さんにはこれを使え、と良く言われます。遠志はさらに精神を安定させて記憶減退を防ぐ作用もあるようです。健忘改善ですね。五味子には肝機能を改善させる作用もあります。

 疎経活血湯は筋肉の刺すような痛みや脳出血後の麻痺、視床痛などに用います。


疎経活血湯=四物湯+[朮、茯苓、防己、桃仁、牛膝、陳皮、防風、威霊仙、羌活、白芷、竜胆、生姜、甘草]


 ただし、補気の生薬を多く除いているので、対象になる患者は元気の良い人。痛いけど酒飲んで元気なおっちゃん、というイメージ。 補気も合わせたければ大防風湯を使うか、疎経活血湯に四君子湯などの補気剤を合わせます。

 その大防風湯は


大防風湯=十全大補湯-桂皮+[牛膝、防風、羌活、附子、杜仲、乾姜、大棗]


 十全大補湯を基本にして杜仲と牛膝を加えて気血両虚をばしっと補います。栄養失調による運動麻痺、特に筋力の衰えを改善します。大病後や産後で起立歩行が充分でない時に活躍してくれる貴重な漢方。炎症への配慮がないので、それに対しては効果がありません。

 独活寄生湯は処方するエキス製剤にないため、大防風湯に十全大補湯を合わせて代用とします。慢性の経過を辿って体力が低下した中年以降の腰痛や関節痛が目標になります。特に冷えで増悪する様なものに適しています。

 芎帰調血飲は補気補血も考慮した駆瘀血剤であり、かつ利水にも配慮があるという大風呂敷。


芎帰調血飲=四物湯-芍薬+[白朮、茯苓、陳皮、香附子、牡丹皮、大棗、生姜、甘草、鳥薬、益母草]


 香附子と陳皮で理気も少し行なっていますね。月経不順で寒証タイプに使われます。産後に生じる様々な疾患にも適しているので重要な漢方。これをベースにして、状況に合わせて理気剤や利水剤などを組み合わせて使うのも効果的です。

 温清飲、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯は一貫堂処方というやつで、森道伯先生の言う”解毒証体質”に用います。今の世の中の解毒証体質は、肌が浅黒い感じで扁桃腺を何度も繰り返すような人やアレルギー体質の人を指すと言われます。掌に汗をかいて神経質な人が多いですね。

 森先生の一貫堂医学では、日本人の体質を解毒証体質、臓毒証体質、瘀血証体質の3つに分類しています。解毒証体質を荊芥連翹湯、柴胡清肝散、竜胆瀉肝湯で治し、臓毒証体質を防風通聖散で治し、瘀血証体質を通導散で治す、としています。解毒証体質に対するその処方は、温清飲がベースになっていて、これに様々な生薬を加えて用います。温清飲は四物湯と黄連解毒湯とを合わせたもので、黄連解毒湯が入ることにより痒みや熱感や出血への配慮が加わります。冷ましてくれる作用がプラスされると考えて良いでしょうか。


温清飲=四物湯+黄連解毒湯
柴胡清肝湯=温清飲+[柴胡、栝楼根、甘草、桔梗、薄荷、連翹、牛蒡子]
荊芥連翹湯=温清飲+[桔梗、枳実、荊芥、柴胡、薄荷、白芷、防風、連翹、甘草]
竜胆瀉肝湯=温清飲+[竜胆、木通、車前子、沢瀉、甘草、防風、薄荷、連翹]



 一貫堂医学では、幼年期は柴胡清肝湯、青年期は荊芥連翹湯、壮年期は竜胆瀉肝湯で治療するとしていますが、年齢は参考くらいにしておいて、絶対にコレ!っていうことは無いかと。柴胡清肝湯は温清飲に静熱作用がより多く加わったものですが、発散させるよりも潤す系統。栝楼根を入れて荊芥とか防風といった解表薬を除いて少なくしているので、”中に和す”と言われます。子どもの喉の辺りの炎症や乾燥タイプの皮膚炎、体質改善に良く使われます。虚弱児なら補中益気湯を混ぜたり、神経過敏なら抑肝散加陳皮半夏を混ぜたり。荊芥連翹湯は温清飲に荊芥や桔梗や枳実などを加えたもので、解毒や排膿作用をより強化しています。特に解表薬(悪い奴らを体表から追い出すイメージ)が入っているので”表に発す”と言われます。鼻炎やにきび、乾燥タイプの皮膚炎などに。竜胆瀉肝湯は温清飲に竜胆を入れ、車前子、木通、沢瀉といった清熱利水薬を加えたもので、陰部や下半身には限りませんが慢性的な炎症に頻用されるため、”下に利す”と言われます。この様に色々と派生はするものの、基本は四物湯と黄連解毒湯。これを忘れないようにしましょう。

 補血薬は種類が多く、どれを使えば良いのか掴みづらいところはあるかと思います。皮膚や筋肉量などで”お?”と思うところから始めても良いかもしれませんし、何か1つの処方を覚えてそれから使ってみるのも良いかもしれません。

 ということで、気虚・血虚とそれに対応する補剤の紹介でした。熱・寒、陰・陽とともに、虚というのは中医学に独特な考え方。西洋医学にちょっとこういうのを混ぜて勉強するのも悪くはないかな?と考えています。漢方薬は効いてるのか良くワカランという人がいる一方、劇的なまでの効果を示すこともあり、その時は「勉強しててよかったなー」と実感します。ま、前者の場合は自分の選んだ漢方薬が患者さんに合ったものではなかったということなのですが…。
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2013
03.26

熱田神宮のきしめん

 3月の中旬に、熱田神宮に行ってまいりました。2度目。

 初詣を今年はしてなくてですね、3月は立て続けにちょっとよろしくないことが起こったので、これは行っとかなあかんな、と反省して日曜日を利用して参拝。今年(2013年)が何と創祀1900年を迎える、ものすごく長い歴史を持った神宮です。あと100年後には2000歳なんですね。すごい。

 去年の年末に”先回り詣で”と称してまさに先回りで初詣のつもりになって大須観音に行ってきたのですが、そんな横着をやはり神様は見逃さなかった。

 もう1つ大きな目的があり、それは”宮きしめん”のきしめんを食べようか、というもの。”宮きしめん”そのものは名古屋では有名なきしめん屋さんですが、発祥がこの熱田神宮。

 こんな案内板が。

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 矢印に従って歩くと。。。

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 しかしこのお店は”宮きしめん”ではなかった!”清め茶屋”というお茶屋さん。ちょっとトラップです。

 ”宮きしめん”は”清め茶屋”の前を左に曲がると。。。

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 あった!

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 外に構えられております。当日は結構肌寒くて雨もぽつぽつと降っていたためお客さんは少なめ。

 ノーマルなきしめんを注文(600円)。ネギは盛り放題ですが、神宮で欲を出すと良いことがなさそうなので控えめにしておきました。

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 きしめんは、こんな感じに平べったいんですよ。すぐ茹であがるのが特徴。

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 お味は、結構きつめのおつゆ。鰹節の味が強めに出ています。寒い日にはもってこいですな。ほうれん草と油揚げとしいたけとかまぼこがメインの具材。

 これ、しいたけ。

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 この子がまた実に



んまい



 麺よりも美味しかったかも…??

 他にもいくつかメニューがあり、眼をひいたのが”おすましきしめん”という澄んだおつゆのきしめん。これだとそんなに味はきつくないのかもしれません。北海道育ちの自分からするときつめも好きですが、澄んだのも気になる。

 参拝を済ませ、少しお散歩。

 梅が咲いておりますね。

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 岩の上に散った花がまたよろしゅうございませんか。

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 こちらも。しだっております。

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 ”ならずの梅”という、実をつけない梅の木。室町時代には既にあったのでは!?と言われております。鳥が木で遊んでおり、花が散りつつあります。ちょうど木の下に花びらが降りて行って、水面に映る梅の様な印象を与えますね。

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 白梅なのですが、桃色の花も咲かせます。不思議。

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 散っていく花を捕まえようと、どなたかのお子達がはしゃいでおります。可愛いのでつい撮ってしまった。

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 帰る途中に見たのは。。。

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 ふたたび鶏様!!2012年6月の記事にもありますが、初回の参拝時にも遭遇。またここでお会いしました。

 拡大を。

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 雨宿りしてるんですよね、実は。屋根に守られておりましょう。

 可愛げがあるなぁ。。。みんな雨は嫌いなのかしらね。
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2013
03.23

好ましい変化

Category: ★精神科生活
 どこかの病院の当直室。

 問題点は、バスタオルでした。何をいきなり…と思うでしょうが、ここの病院の当直室のタオルは製薬会社の薬品の宣伝が入った、よくある”粗品”ってやつです。何度も何年も(?)使われて洗濯されて、果たしてタオルなのかタオル的な何かなのか。吸水性はもちろんゼロに等しく、オフロに入った後は自然乾燥を待っておることしか手段はなかったのであります。

 週に1度はその病院で当直をしておりましてですね、個人的にはこのタオルが最大の懸案事項として脳内に暗雲垂れ込めておりました。

 ところがこの前…。

 タオルが一新されました!

 純白のバスタオル。いかにも新品と言わんばかりのふんわり感。にしてもふわふわ度が強くてすごいなーと思って感心していました。で、なんとはなしにタグを見てみたら。

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 こ、これは・・・!

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 今治タオルか! キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


 今治(いまばり)タオルは有名なタオルブランド、というか地域ブランド?

 独自の品質基準を設けて、それをクリアした今治市製!にこだわってます。価格帯は”やや高め〜高め”に位置しております。医局に備わったものは今治タオルの中では安い部類ですが、1枚2,000円ちょっと。バスタオル全体で見たらお値段は高い方ですよね。タグにSan Joaquinと書かれてあり、これはカリフォルニアのサンホーキン地方でとれた綿を使い、今治で作っていますよという印。今治ブランドでは3000〜5000円のバスタオルが売れ筋らしいです。中には1枚10,000円越えのものも。。。どんなタオルなんでしょ。

 これが今治タオルのロゴ。厳しい審査を通ったよ!という証です。

今治マーク

 今回入れ替わった医局のタオルさんですが、今治タオルの中では下の部類なもののやっぱり高めなだけあってふんわりですね。水も結構吸ってくれて、機能的に素晴らしい。今までのがひどすぎたというのもありますが、それを差し引いても使い心地は良いです。同じくフェイスタオルも今治タオルになったのですが、こっちの吸水性はイマイチかも。

 今治タオル、と言ってもお値段幅から分かるように様々です。でもその一番安いものでも一般のタオルよりは高く、また機能も優れております。なかなか自分で買うには懐事情が厳しいのですが、当直の際には味わえるので、これは良きこと。

 ふんわりが気持ち良くて、その日は2回オフロに入ってしまいました。なんと。
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2013
03.19

医局 夜食発見!

Category: ★精神科生活
 むぅ。。。

 お腹が空いた。

 当直をしている時のプロブレムとして、夜、しかも変な時間にお腹が空くという事態があります。

 ということで、医局の中をゴソゴソと探し回る。


ゴソゴソ、うろうろ。


 発見!

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さば!!!


 缶詰の代表格、さば缶でございます。”おいしくEPA・DHA”とあります。合成のDHAは魚油由来のDHAと構造が異なるようで、健康に良いよ!というわけではないようです。やっぱり食事でしっかり摂るのが一番ですね。

 開けてみましょう。お箸がなかったので爪楊枝でいただきます。

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 うむ、美味しそうですね。というかご飯が欲しくなるような…?

 ぱくっと行っちゃいましょう。

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んまい


 缶詰の独特な味わいがまた空腹に染み渡りますね。

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 ごちそうさまでした。感謝。

 そういや、缶詰って昔は缶切で開けてましたけど、いつのまにプルタブになったんでしょう??便利な世の中になりましたね。でも何となく練乳だけは缶切で開けていたいという思いがあります。
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2013
03.17

パクチーを混ぜてサトイモでお餅を

 タイトル通りの料理です。。。

 用意するもの。

・サトイモ適量
・パクチー適量

 それだけ?もっと量とか詳しくしないの?



こまけぇこたぁいいんだよ!(AA略)



 男の手料理なんてこんなもんです。普段の料理でもかなり適当に作ってますからね。。。ここのところは料理をするのが日課とは言わないまでも高頻度で、そうなるとわざわざ写真を撮ってアップするということも面倒に…。

 まず、サトイモを茹でて皮を剥きます。泥汚れを洗ってそのまま茹でていると、皮が剥きやすくなりますよ。煮物なんかでは六方剥きが有名ですが、あれをするとサトイモがずいぶん小さくなってしまうし、勿体なくも感じます。

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 で、潰す、と。今回はポテトマッシャーを使っています。

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 そこに、ちぎったパクチーを適当に。香草が苦手、と言う方はパクチーではなく大葉がオススメです。この中にちょっと昆布茶の粉末を入れても良いですよ。

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 で、適当に油をひいて適当に焼く。

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 なんかひっくり返す。

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 出来上がり。

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 アップにしてみましょう。

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 良く分からないですね。。。サクっとニュルっとしてまして、美味しいと思っています(ニュルってのは変か…)。もちもちとさせたければ片栗粉を混ぜると良いですよ。

 工夫したところは無い!とも言えますが、敢えて言うと味付けをほとんどしていないことでしょうか。これでパクチーの持つ香りが消されずに出ているかなと思います。後はお好みでナンプラーとかチリソースとか、普通にお醤油でもいただけます。ビールが欲しくなりますな。
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2013
03.14

いざスガキヤ

 名古屋、と言えば”スガキヤ(寿がきや)”のラーメンやソフトクリームを思い浮かべる方も多いでしょうか。中部大学や愛知学院大学など、大学にも出店しているこのスガキヤさんは、名古屋を中心として東海や近畿地方などに店を構えています。関東以北はなかなか進出できない(しても撤退を余儀なくされている)様子。自分は名古屋にかれこれ4年住んでいながら、一度もスガキヤさんに行ったことがなくてですね、この前よいしょっと行ってまいりました。

 スガキヤといえばこのマスコットキャラの”スーちゃん”もまた有名。wikipediaを見てみたら、以下引用。


なお、スーちゃんには他に「ラーパパ、メンママ、プーちゃん(弟)、ウーちゃん(犬)、ミャーちゃん(猫)」といった家族がおり、全員合わせると名古屋弁で「ラーメンスープうみゃー(ラーメンスープ旨い / 美味しい)」になる。


 とのこと。スーちゃんしか見たことないですけどね、自分は。。。というかスーちゃん以外の名称はちょっと切ない。

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 代表格のラーメンを注文。290円で確かにお安い。見た目は実にシンプルですね。

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 この銀色の棒は何?と思って引き上げてみると、何か給食のスプーン兼フォークを発展させたようなものが。”ラーメンフォーク”と言うそうです。

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 なかなか活かしきれない。。。結構難しくないですかね、これ。ふつうにレンゲとして使ってしまいます。

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 たぶん、理想形は以下の感じか!?

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 しかし、このラーメンフォークのみだとやっぱり食べづらい印象をぬぐい去れません。結局はレンゲの様に使ってしまいました。修練が必要なのでしょう。

 肝腎のお味の方は、薄めの豚骨です。カツオブシの粉末でも混ぜているのでしょうか?少し魚介系の風味が出ています。強烈なインパクトを残すこともなく、かといって不味いというわけでもなく。

 名古屋人に聞いてみたところ、これが原風景なのだそうです。幼い自分を思い出させるような、そんな味なのでしょうね。道産子のDNAというキャッチフレーズが印象的な”わかさいも”と同じようなものかしら。

 今回、甘味はいただきませんでした。でも周りは”ラーメン+ソフトクリーム”という組み合わせのお客さんが多い。確かにラーメンの後にひんやりと甘いソフトクリームだなんて、子どもにとっては御馳走でございますね。それが年を経ても引き継がれているのかもしれません。

 よって、外部の人間からすると、スガキヤがこれほどまでに人気があるというのはちょっと不思議に思うかも。名古屋人の過去に働きかける、そんな効果があるのでしょう。

 誰だって、昔にちょっと戻りたい時もある。それを誘ってくれる調味料がスガキヤのラーメンには入っているんですね。
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2013
03.12

アルジネードさん登場

Category: ★精神科生活
 わが精神科医局に、ネスレが出している”アルジネード®”がやってまいりました。向かって左から順に蜜柑味、青りんご味、木苺味、スポーツドリンク味です。

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 1本がこれくらいの大きさ。125mL入っています(1本200円くらい)。

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 九州大学では摂食障害の患者さんの入院治療でこれを使っている、とのこと。処方する医薬品ではなく食品扱いなので患者さん負担ですが。

 なんでこんなのを使うのか?という点ですが、答えは成分にありました。

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 何と、リンが630mgも入っています(スポーツドリンク味のみ225mg)。名目上は最もポイントとなるアルギニンの添加は良いか悪いかを別にしますが、亜鉛もしっかり入っていますね。

 入院治療を要する摂食障害の患者さんの中には、本当に痩せすぎるにいいだけ痩せている人がいます。BMIが10を切ってしまうような患者さんもおり、患者さんの背後に迫っている”死”というものを意識せざるを得ません。自分の勤めている病院では総合診療科が栄養を管理してくれており、大変有難い。

 痩せすぎた人に再び栄養を摂ってもらう再栄養療法の際に注意しなければならないのがrefeeding syndromeという病気。グルコースが入ることでインスリンの上昇とグルカゴンの減少が生じ、糖質・たんぱく質・脂質は全て分解される方向にシフトします。KやらMgやらPやらが細胞に取り込まれて低K・Mg・P血症に。普通に1500kcalなんてのを毎日あげていたら、死の危険性があるんです!これに注意しながら栄養はほんの少しずつ、というのが定石。危険だな、という時は毎日採血をしてこれらの値をモニタリング。低くなったら補充です。NP散とうのを使っていますが、日々の飲み物で何とかならないか?というのでこのアルジネードちゃんが登場(九州大学も使っているし)。日本にはこれまで処方箋として出せる低P血症の経口治療薬がなく、当院では院内約束処方のNP散でした。このNP散は1gあたりリンを206.46mg含みます。リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムを薬剤師の先生方が調整して作ってくださっていました。そこでようやく、ホスリボン®というのが2013年2月に薬価収載されました。1包(0.48g)あたりリンを100mg含みます。4月か5月からは当院においてNP散がなくなってホスリボンに置き換わるようです。

 さてこのアルジネード、色はこんな感じ。

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 この度当院でも使ってみることになり、試飲をしてみたのであります。味は結構酸っぱいですね。。。特に木苺味の酸っぱさが際立っています。後は微量元素の影響か、ちょっと後味が金属っぽい。スポーツドリンク味は常温でもまぁ飲めますが、含まれるリンの量が少ない。蜜柑味、次点で青りんご味と言ったところでしょうか???全体としてさっぱりとした感じで、エンシュア®やラコール®とは正反対。

 ただしこれだけで栄養を賄おうとすると何かとアンバランスなので、エンシュアなんかをメインにして、これを1本付ける、という感じになるのでしょうか。

 しかし、摂食障害というのは精神科の中で最も不思議で最も治療抵抗性な疾患だな、と感じます。特に当院に紹介されてくる患者さんはかなりの重症が多いので、治るのかしら…と思ってしまいます。数ヶ月の入院でじわじわ安全に体重を上げていったん外来に移行してもまたすぐに下がって危険な状態に。彼女らは生命を懸けて何を訴えたいのでしょう。

 もちろん、体重さえ上げれば終了というわけではありません。認知行動療法や対人関係療法、分析的精神療法などによりこの世の生きづらさと折り合いをつけていけるようにするのですが、残念ながらBMIが低すぎるとそういった治療にすら乗っかりません。脳に栄養が行かないときつい、ということ。特に認知行動療法、対人関係療法はBMIが18.5以上ないと主だった効果は薄いと言われます。色んな技法が論文化されていますが、”そういう治療に乗っかれるくらい良い状態の患者さん”というのが前提になっています。認知行動療法が適用できてしっかりと終えることの出来る患者さんは、そもそもその時点で病理が浅いと言えるかもしれません。ただし、じゃあそれまでは粛々と無機的に栄養をやってるだけか、と言うとそうでもなく、特に分析的精神療法の技法を取り入れている治療者は、体重が低い時も関係性を作っていきます。それなしでただBMIを上げてハイ次は面接による治療、としたところで良い治療関係を築くのは難しいですよね。

 栄養を付けてもらいながらも根底にはしっかりと関係性を作っていこうと接触を試みるというのが基本姿勢。これはどんな面接技法においても大事なことだと思います。

 アルジネードを飲みながら、そんな感想。
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2013
03.08

まさか、そんなことって

Category: ★本のお話
 この本が和訳されようとは。。。


Sapira's Art and Science of Bedside Diagnosis

 
 本屋さんで見た時はびっくりしましたよ…。研修医の時に原著を買ってちょろちょろと読んでましたが、結構英語そのものが難しくてうんうん唸っていた記憶があります。

サパイラ 身体診察のアートとサイエンス 原書第4版サパイラ 身体診察のアートとサイエンス 原書第4版
(2013/02/25)
Jane M. Orient

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 以前、須藤博先生にお会いした時「Sapiraを和訳しようと頑張っている」とお話ししていましたが、まさか実現するとは。すげぇな。


てか、売れるの?


 訳した先生方の趣味、、、とか?
 
 でも、ものっすごく大変だったと思います。妙に哲学的ですしね、内容が。和訳されていても多少難しいですが、原著を読むよりも遥かに楽。もし読むなら和訳で十分、というか和訳にしてください。すごいとしか言いようがありません、訳しただなんて。値段も12600円ですから、原著の値段(100ドル前後)も考えると良心的。医者をやってる記念にどうぞ。
 
 学生にも、とか書かれてましたが、学生さんは手を出さない方が良いですよ。しっかりと診察の基礎を他の本で身に付けた方がずっと臨床の役に立ちます。基盤をしっかりと作った上で極上の応用を乗せるというのなら確かにこの本は良いですが、変に手を出すとヤケドしてしまいます。背伸びしたい人もいるでしょうが、まずはしっかりと盤石な基盤を作って行きましょう。それが一番大事。

 ちなみに、自分は診察の基礎を『診察と手技がみえる vol.1』で学んで、そして研修医になってDeGowin先生の本(DeGowin's Diagnostic Examination)に進みました。2つとも良い本です。メディックメディアは医学生に優しい作りをしています。嫌う人もいますけど、『診察と手技がみえる vol.1』は馬鹿に出来ません。イラストと写真がしっかりと載っていて、想像だけではなかなか実際の診察と結びつけにくい学生にとって、最初の一冊に是非。DeGowin先生の本も素晴らしいと思います。これのお陰で爪をしっかりと診るようになりました。

 その後に読みました、Sapira先生の本は。研修医2年の途中でしたね。DeGowinが頭に入っていても(実際入っていたかは何とも…)やたら難しくて、何か彫刻とか出てくるし…。大変でございました。方向性が違うんですよね、全然。そういえば、つまみ読みをした後、急性膵炎の人が来たらじーっとCupid's bow profileを探した記憶があります。そんなサインある人は1人もいませんでしたけど(おい)。あの頃は何かと貪欲だったなぁ、今はそんな情熱どこかに忘れてしまった。

 そんな昔の記憶を『サパイラ』を眺めながら思い返していました。

 ちなみにDeGowin先生の本はこんなのです↓

DeGowin's Diagnostic Examination, Ninth EditionDeGowin's Diagnostic Examination, Ninth Edition
(2008/11/24)
Richard LeBlond、Donald Brown 他

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 実際、『サパイラ』は出会った疾患に関連するところを見ると良いですよ。モチベーション上がります。最初から通読を狙うと、和訳でも途中でギブアップするかも。勉強したいところに絞ってスポット的に読む。これが一味違う診察のテクニックを学ぶには最適、かもしれません。
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2013
03.05

ちょっと覗きに東京へ

 2013年3月2日は、第49回日本東洋心身医学研究会が品川インターシティホールにて開催されました。

 名古屋から新幹線で揺られること約1時間30分で到着。暇だろうからと持っていった本を読んだら少しだけ酔いました。。。

 さて、品川に到着して歩くと、それらしい感じのものが。。。

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 一番下の催事ご案内を見ると。。。

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 これですね。

 サイコオンコロジーに関する漢方の有用性というのをテーマにしていました。癌研有明病院の星野惠津夫先生のお話が印象的。補気剤と駆瘀血剤と補腎剤を使われるそうですが、腹診をかなり重要視しているようです。自分は腹診って少し怪しいもんだと思っていたんですけど、反省。あとは、がん患者さんの不眠に桂枝茯苓丸を使うっていうのが意外な発見でした。

 それはそうと、自分は勤めている病院の血液内科のコンサルテーション・リエゾンに関わっているのですが、白血病の治療では全処置と移植が行われます。その際に患者さん自身の免疫を根絶やしにする必要があります。結構きつい治療で、患者さんはヘロヘロになることもしばしば。明らかに補剤を使いたい!と思わせるところなのですが、補剤って免疫を高めるという作用があるんです。だから、白血病でそのような免疫根絶やし作戦に入っている患者さんに補剤を使うということは、治療に反することになるんじゃないかな?とずっと思っていてこれまで使用したことはありません。3月2日のお話でも固形がんの話題で白血病のことはなかったので、そこは心残り。聞いてみたかったんですけど、ちょっと動悸がして聞けずじまい。まぁいつもこんなもんです。

 あと、うーんと思ってしまったのが、一般演題。開業されている精神科の先生のお話があったんですが「私は向精神薬が嫌いで」とのっけからおっしゃっていました。殆ど使わないそうですよ。治療に漢方を使うのは悪いことではないですし、自分も積極的に使っています。でも精神科医が「向精神薬が嫌い」というのはいかがなもんでしょ。いわゆる重い患者さんは向精神薬をしっかり選んでしっかり使ってあげないといけません。嫌いで使わないのでは、それは”自信がなくて使えない”ことになりませんか?というか、重症な患者さんを診たことがないんでしょうか?精神科医であるならば、向精神薬の良いところ悪いところをしっかり考えて、使うべき患者さんに使うということをしないと、いたずらに病期を長めてしまいますし回復も難しくなります。その先生のところは軽症の患者さんが行くのかもしれませんし、それなら漢方でも対処可能でしょう。例えそうであっても、精神科医がそんなことを言うのは勉強不足なんじゃないのか、とちょっと同業者ながら変な気分になってしまいました。でも勉強不足でかつ向精神薬を乱発するような精神科医よりもマシなのかも、と今になって思い返しています。うーん、複雑だ。。。

 それはそうと、終わったあとは夕食。近くの杵屋という、東京に来てなぜか全国チェーンのうどん屋さんに入り、”あおさと白魚天のうどん定食”を食べました。930円、結構良いお値段。

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 あおさの醸し出す磯の香りが何とも良いですね。白魚天の味は良く分からなかった。。。衣が厚くて。

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 結構しょっぱくて天ぷらの衣が胃にもたれ、結局少し残してしまった。。。残念。

 で、その日のうちに名古屋にとんぼ返りです。ちょっと疲れましたけど、持っていった本を全部読めたし良かった良かった。

 ちなみに、持っていった本はコレ↓

ウィニコットがひらく豊かな心理臨床―「ほどよい関係性」に基づく実践体験論― (明石ライブラリー)ウィニコットがひらく豊かな心理臨床―「ほどよい関係性」に基づく実践体験論― (明石ライブラリー)
(2012/03/28)
川上 範夫

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 クラインやビオンとの違いもしっかり記載されてあり、何よりもウィニコットが関係性というのが最初にあり、そこから母親と子どもが成り立ってくるという風にとらえていたということが分かりやすく書かれていたのが良かったです。関係性を重視する、というのは日本人的でもあり、木村敏先生は”あいだ”が先にあって人と人が生起してくるという風におっしゃっていました、確か。だから意外なところでつながったんじゃない?ウィニコットと木村敏って。というような空想か妄想か分からんことを帰りの新幹線の中で考えていました。
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2013
03.03

喉が痛い時…?

 喉が痛い、つまりは咽頭痛ですが、これを経験したことのないという人はいないんじゃないかと思うくらいにコモンな症候です。自分は朝起きた時に何となく喉がイガイガというか、そんな痛さを持つことがあります。もともとアレルギー性鼻炎でして、ひどい時は完全な口呼吸。寝ている時に喉がカラッカラになって、それで痛くなるということも結構多いです。

 そんなちょっとした喉の痛みには、簡単に飲めるお薬があります。要はいつものように漢方の紹介なんですけどね。。。その漢方は、桔梗湯(ききょうとう)というもの。使われている生薬は桔梗と甘草だけという超シンプル。自分が愛用しているものです。飲んでしばらくすると痛みがすごく軽くなっています。甘くて飲みやすく、結構速効性に富むお薬。

 これを飲む時はコツがありまして、お湯に溶いてしっかりとガラガラうがいをして飲み込む!というやつです。そのまんま飲んでも効果は薄く、喉の痛いところにしっかりと染み渡る印象を与えるのが効かせるポイント。これをしないでエキス顆粒のままザラーって飲んでもあんまり効かないんですよね(自験済)。

 気軽に出せる漢方の1つかなと思います。たくさんを長期間飲むと甘草の影響が出るでしょうけど、痛い時だけに限って使うなら少し多くてもほぼ問題ありません。少しイガラッぽさが続く場合、自分は1日に5-6包飲んでます。長くても2日間くらいですけどね、飲むのは。それくらいで治ってきます。

 漢方を処方する身としては、出すものは自分でまず使ってみるのが良いですね。自分が飲む時の味とかを分かっておくことは大事で、そういうところも患者さんに伝えておきます。

自分「コレ、自分も飲むんですよ。気に入ってましてね、結構スッと効いてきますよ」
患者さん「へ?先生も飲むんですか?」

 みたいな会話は良く繰り広げられます。”医者も飲んで効いてくるんなら良いんじゃね?”的なイメージを持ってもらうのは大事。こんなこと言うとプラセボなんじゃないかと思われるかもしれませんが、例えそうであっても患者さんに有利に働くなら、何でも利用しましょう。自分で試して効いたという実績(?)もありますし、そこはおまじないの部分としてしっかりと使う。薬を処方することは、医者の気持ちも併せて処方することでもあります。

 で、これが自宅にあるツムラさんの桔梗湯(138番)。

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 ただし、炎症バリバリには効きません。あくまでもちょっと痛いなーという時の漢方です。もう痛くて痛くて熱持って唾飲むのも覚悟がいる、そんな咽頭痛には明らかに力不足。そんな時は、まず怖い疾患(急性喉頭蓋炎とか!)を除外して、それから”小柴胡湯加桔梗石膏”を多めに使います。これもガラガラうがいで飲む。桔梗の他に、石膏やら柴胡やら黄芩やらが熱を冷ましてくれますよ。だから、熱を持っているというのが大事になります(炎症の存在)。誰にでもこれを出して良いというわけではなく、熱を持っていない場合は、患者さん自身を冷やして乾かしてしまうので良くありません。

 というか、漢方使うんなら自分のアレルギー鼻炎治せよって言われそうですね。大学生の頃は近所の耳鼻科で小青竜湯を出されて飲んでみたんですが胃に障ってしまって。。。麻黄が多いとちょっと厳しいです。考えて苓甘姜味辛夏仁湯とか荊芥連翹湯とか自分も努力してみたんですけどね、何とも治らないんです、これが。もともと皮膚科領域と耳鼻科領域の漢方がちょっと不慣れなこともあるかもしれません。むむ、残念。患者さんのアレルギー性鼻炎が酷い時には頓用的に小青竜湯合麻黄附子細辛湯を少し使っています。あんまりにも鼻閉が強くて粘膜が赤く腫脹するようなら熱証と言えますから麻杏甘石湯を小青竜湯に合わせますが、麻黄と石膏が結構入っているので使う時は少量にしますし、普段は出しません。やっぱり麻黄は合わないことがままありますね。エフェドリンですから、あんまり使わないに越したことはないでしょうし。地道に体質改善を狙うなら当帰芍薬散合補中益気湯を使います。水滞と冷えと免疫異常を気長に治していこう、という考え。結局自分自身の鼻炎には漢方が効かず、ザイザル®とシングレア®とアラミスト®で対処してます。最近引っ越したので、ホコリがすごくて。。。

 脱線したまま終わりますが、自分の家には急性期用の漢方が結構ありましてね、自分で効くなーと思っているのは備蓄してます。例えば、麻黄附子細辛湯。いわゆる”のどチクの風邪”に使う漢方ですね。喉が痛くてそんなに重症じゃない風邪に。普通に喉が痛いだけなら桔梗湯ですが、風邪があると麻黄附子細辛湯。自分にはコレがピッタリ来ます。あー風邪ひいたなぁと思ったら、胃に障らないレベルで多めに続けると大抵はそこで治ってくれます。あくまでも自分の風邪でして、他の人の風邪にも有効というわけではありません、念のため。そしてもう1つ例にあげると、香蘇散。これは紫蘇と生姜がメインですが、何となくやる気が出ない、”プチうつ”になった時にこれも1日6包。香蘇散は、エキス製剤にする時に有効成分が揮発してしまうため、結構量を使ってあげた方が効きは良いです。ちょっとスッキリ治らない風邪にも使ってます。何だかんだ言って自分も気分が沈む時がありまして、あーちょっと辛いわーって時に香蘇散パルス療法を行なって浮上させてます。麻黄がダメな人用の風邪薬にもなります。
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