2011
10.22

抗血小板薬と抗凝固薬

 研修医時代にまとめた分野。まだダビガトランが発売になっていない時期のものです(以前掲載した心房細動についてまとめたのと同時期)。間違いなどは、ご愛嬌。。。

★止血と線溶のメカニズム
 血管・血小板・凝固因子・線溶系が必要。

 露出した組織コラーゲンにvWFを介して血小板が粘着して活性化→血小板同士で凝集→アラキドン酸カスケードによってTXA2を合成→Ca2+濃度上昇させ血小板凝集・ADPとセロトニン放出→さらなる血小板凝集と血管収縮に。

 同じく血管外のTF(組織因子)で活性化された凝固因子カスケードは活性化血小板の上で更に活性化増幅。血小板を巻き込んだ強固なフィブリン網を作る。

 血栓上では線溶系が活性化されて血栓溶解に。そして凝固因子活性化を余計に広げないためにAT・トロンボモジュリン・プロテインS・プロテインC系が働いている。

★薬剤の大まかな使い分け
 抗血小板薬は動脈血栓(白色血栓)に。抗凝固薬は静脈血栓(赤色血栓)に。

★その尤もらしい理由
 血栓は、最初に血小板が血管に貼りつき、その上に凝固因子が引っかかって出来るもの。

 動脈は血液の流れが速くて、血小板は貼りつくものの凝固因子は血小板に付かずに流される。よって、動脈血栓は血小板が主役
→予防には抗血小板薬が有効

 静脈は血液の流れが遅くて、凝固因子が血小板に余裕でペタッと付く。そこから凝固カスケードが起こっていくので、静脈血栓は凝固因子が主役
→予防には抗凝固薬が有効

 左心房内は動脈血だが、心房細動では血液を心房から上手く送り出せない。よって、血液の流れが停滞。だから心房細動では抗凝固薬を使う。同じように、人工弁でも乱流が起きて血液がスムーズに流れない。なので抗凝固薬。

c.f.出来上がった血栓を溶かすには、血栓溶解薬(ウロキナーゼやt-PA)を使う。

★それぞれの基本的な薬剤

【抗凝固薬】
ワーファリン(ワルファリン)
*Xa阻害(ヘパリン類)*
ヘパリン(未分画ヘパリン)
フラグミン、クレキサン(LMWH)
オルガラン(ダナパロイド)
アリクストラ(フォンダパリヌクス)
*トロンビン阻害(抗トロンビン薬)*
ノバスタン、スロンノン(アルガトロバン)
フサン(ナファモスタット)
FOY(メシル酸ガベキサート)
リコモジュリン(トロンボモジュリン製剤:プロテインC活性化作用もある)
*AT濃縮製剤*
ノンスロン、ノイアート、アンスロビンP
*新規*
プラザキサ(ダビガトラン)

【抗血小板薬】
アスピリン
バイアスピリン
プラビックス(クロピドグレル)
パナルジン(チクロピジン)
プレタール(シロスタゾール)
アンプラーグ(サルポグレラート)

★抗凝固薬のメカニズム
 ビタミンK依存性凝固因子を抑えるか?活性型凝固因子を抑えるか?

・ビタミンK依存性凝固因子を抑える
 ワーファリンはビタミンKに拮抗することで、第II,VII,IX,X因子を阻害。

 PTもAPTTも延長するが、半減期の短い第VII因子を追うことが最も合理的。よって第VII因子の関わるPTをモニターすることとなる。

・活性型凝固因子を抑える(中でもXaを抑えるか、トロンビンを抑えるか)
 活性型凝固因子を抑える薬剤の利点としては、DICに効くということ(アルガトロバンは出血のリスクが高いとしてコケたが)。

 ヘパリン類はXaを抑える流れ(Xaとトロンビンの両方を抑えると出血のリスクが上昇)。これはAT活性を促進させることで(AT依存性に)抗凝固作用を示す。よって、AT活性が低下していると十分な効果が出ない。

 抗トロンビン薬はAT非依存性にトロンビン(IIa)を抑える流れ。

 どちらの流れがより有用かはまだ分からず。

 一般的な医療現場では、抗凝固薬ではワーファリンとヘパリンの使い方を知っておく。アルガトロバンはヘパリンの副作用であるHITの際に出番がやって来る。その他はDICの時に使用。

★ワーファリンの使い方
 経口薬という利点がある。入院患者での新規コントロールは、最初の3日は2-3mg程を投与して、PT-INRをモニターしながら増減。外来では一般成人なら2mg、高齢者なら1.5mgほどから開始し(医者によってはもっと少なめから始めることも)、2週間後or効き過ぎるかもと思えば1週間後にPT-INR測定。1.5未満なら1mg増量(高齢者なら0.5mgのことも)。1.5-1.6なら0.5mg増量。これを2週間ごとに繰り返す。微調整は、PT-INRが2.6以上なら0.5mg減量。2回連続で1.6を下回ったら0.5mg増量。これでO.K.

 効果発現まで時間がかかるので、急ぎで抗凝固効果が欲しい時は、ワーファリン投与開始と同時にヘパリンを使用(へパリンの使い方参照)。

 手術をする時は、3-5日前までに中止し、へパリンに変更。ヘパリンは手術の4-6時間前に中止するか、手術直前にプロタミンで拮抗。

 副作用はもちろん出血。PT-INRが亢進しすぎたり出血したりしたら、ビタミンKの点滴。今すぐに正常化したい!というくらいに緊急時は、すぐにFFPを2単位とビタミンK10mgを投与。

 難儀な点は他の薬剤との相互作用。逐一チェックすること。ビタミンKを多く含む納豆・青汁・クロレラはダメ。
催奇形性があるので妊婦さんにも使えない。

 新規抗凝固薬のダビガトランは、PT-INRのモニタリング不必要。ワーファリンと同様に経口薬という利点を持ち、食物や薬剤との相互作用も少ない。RE-LY試験では、心房細動患者に110mgのダビガトランを投与すると、脳卒中と全身性塞栓症のリスクは、十分に管理されたワーファリン群と同等で、大出血リスクはワーファリン群より有意に低かった。150mgを用いた場合には、脳卒中と全身性塞栓症のリスクはワーファリン群より有意に低下したが、大出血リスクはワーファリンと同様になった。

 ただし、1日2回投与となるので、著しくアドヒアランスの悪い患者ではワーファリンからの乗り換えは難しいかもしれない。また、心血管リスクも指摘され始めている。

★心房細動の患者へのワーファリン投与
Prevent cerebral infarction!

 心房細動があると脳卒中リスクは約5倍!CHADS2スコアを用いて投与するかどうかを決める。

~CHADS2スコア~
Congestive heart failure:1点
Hypertension:1点
Age≧75:1点
DM:1点
Stroke/TIA:2点
→1点以上なら原則投与開始したいところ。目標PT-INRは大まかに1.6-2.6とする。ワーファリン投与で70%の脳梗塞を予防できる(完全ではない)。

補:心房細動については、別の記事で作成しています。医学一般のカテゴリからお入り下さい。

★ヘパリン類
 未分画ヘパリン、LMWH、ダナパロイド、フォンダパリヌクスがある。

 違いは、Xa/トロンビン活性比。これが高いと、トロンビンの阻止が相対的に低くなり、血小板に対する影響が少なく出血の副作用が少ない。

 未分画ヘパリンはXa(活性型第X因子)と同じくらいにトロンビンも抑えてしまう欠点があった。それを改善するために出来たのが、その他のヘパリン類。

★ヘパリン(未分画ヘパリン)の使い方
 静注薬。持続投与で。効果を急ぐ時は3000-5000単位のボーラス投与をまず。持続は生食500mLにヘパリン10000-15000単位を混ぜて使用(300-1000単位/hrで)。大体の疾患は持続600単位/hrで何とかなる。生食500mLにヘパリン15000単位を混ぜて20mL/hrだと600単位/hrに。

 よくヘパリンを使うのは、DVT/PEや新規の心房細動で速く抗凝固をしたい場面。ワーファリンは効くまでに時間がかかるので、ワーファリン投与開始と同時にヘパリンも投与。ワーファリン効果発現までの繋ぎとして。そして、手術前のワーファリンからのスイッチにも使う(前述)。

 ヘパリンにはプロタミンという拮抗薬がある。急いで効果を打ち消したい時はそれを使用。ただしフォンダパリヌクスには効かない。

★ヘパリンのモニタリング
 ワーファリンと異なり、APTTを4-6時間おきにモニター。これは、ヘパリンは少量の場合、第XII、XI、IX因子に対して強く作用するため、APTTの方が延長するためである。APTTは正常の1.5-2.5倍が至適(日本人に関しては、出血のリスクがあるためAPTTを2倍以上にしない方が良いのではという意見もある)。値が安定したら、24時間ごとの測定でO.K.である。半減期が40分と短く、投与をやめると数時間で効果消失。非常に切れの良い薬剤。高用量使用時のモニターにはACT(活性化全血凝固時間)を。ベッドサイドで簡単に測定でき、人工心肺やIABP、PCI中などに用いられる。正常値は約100秒で、目標は200-250秒。強く効かせたい時は300秒くらいにすることも。

★HIT(Heparin Induced Thrombocytopenia)
 ヘパリンで忘れちゃいけない副作用で、ヘパロックでも起こる。第IV因子とヘパリンとの複合体を抗原とする自己抗体によるII型が重要。特徴としては血小板数が急激に減少。ヘパリン使用中にもかかわらず血栓傾向が見られたら、まずHITを疑う。ただちにヘパリン中止しアルガトロバン投与。HIT抗体測定のための採血を。検査では凝固系マーカーが異常に増加し、DICのような印象。

★抗血小板薬のメカニズム
 血小板はCa2+を合成することで血小板凝集・ADPやセロトニン放出をする。それにより更なる凝集、血管収縮をもたらす。抗血小板薬は、血小板の受容体や血小板内のCa2+合成経路に作用することでCa2+合成を阻止する。

 アスピリンはCOX-1を阻害。

 チクロピジンとクロピドグレルは血小板のADP受容体を阻害。

 サルポグレラートはセロトニン受容体を阻害。

 シロスタゾールはPDEの活性を阻害することで、cAMP濃度を上昇させる。

 シロスタゾールの阻害は可逆的なもの。

★アスピリン
 抗血小板薬の中で最も安い!低用量(81-100mg/day)でも消化性潰瘍の発症率は常用量と変わらないらしい。また腸溶錠のバイアスピリンでも油断禁物。

 潰瘍発症のリスクファクターはDM・潰瘍既往・他の抗血小板薬の併用・NSAIDs服用など。だが、アスピリンを休薬するのは血栓形成の点から好ましくないため常に潰瘍予防を。経験的には、低用量ではPPI半量を噛ませると効果的。

 アスピリンは糖尿病患者の心血管イベント1次予防に利益はないとされる。
(Aspirin for primary prevention of cardiovascular events in people with diabetes: meta-analysis of randomized controlled trials)

 糖尿病患者に限らず、アスピリンの1次予防効果は乏しいとする論文も。
(Aspirin in the primary and secondary prevention of vascular disease: collaborative meta-analysis of individual participant data from randomized trials)

 アスピリンが症候性の冠動脈疾患患者と脳血管疾患患者の心血管リスクを減らすことは明らか。しかしPAD患者に対しての投与は多くのガイドラインで推奨されてはいるものの実はエビデンスが乏しい。

★チクロピジン
 無顆粒球症、肝障害、TTPなど副作用強い。クロピドグレルが使えるようになり、エビデンスもクロピドグレルを推しているため、チクロピジンは斜陽気味。使わない方が良い。

★クロピドグレル
 PPIと併用するとクロピドグレルの効果が弱まると言われる。PPIの代用としてファモチジンを奨める声も。アスピリンとの併用は出血のリスクが高いのでお勧めできない。非心原性脳梗塞に対しては、アスピリン単独よりも推奨される。

★シロスタゾール
 血小板抑制作用に加えて、血管拡張作用がある。出血のリスクが非常に低い。ラクナ梗塞にエビデンスがあり、ASOにも使用する。

 アスピリンとの併用で非心原性脳梗塞のリスクを下げたまま出血のリスクを抑えると言われているため、非心原性脳梗塞予防にはアスピリン単独よりも推奨される。

 頭痛や動悸の副作用が結構多い。

★手術などでの抗血小板薬の休薬
抜歯や観察程度の内視鏡:抗血小板薬継続
内視鏡下の低危険手技(生検やクリッピング):アスピリン3日、クロピドグレル5日
内視鏡下の高危険手技(粘膜切除術など):アスピリン7日、クロピドグレル10-14日
大手術:アスピリン・クロピドグレル7-14日、シロスタゾール3日

★参考
 金沢大学の血液・呼吸器内科のホームページが凝固関連にとても詳しいです。見て損はなし、です。
リンク→コチラ
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2011
10.14

懐かしの本が改訂されました

Category: ★本のお話
 昨日本屋さんを覗いたら

問題解決型救急初期診療 第2版

が出ていました。懐かしいですね、田中和豊先生のこの本は学生~研修医1年の頃よくお世話になったものです。改訂まだかな、と待ちわびながら自分は研修2年間が終わってしまいましたが。。。

問題解決型救急初期診療 第2版問題解決型救急初期診療 第2版
(2011/10/08)
田中 和豊

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 で結局、



気付いたら買ってました



 もう精神科だから使わないのは分かっているんですが、つい。。。

 この本の特徴は各主訴に対するアルゴリズムが徹底されているところ。例えば腰背部痛のページを見ると

STEP1 外傷性か?非外傷性か?
・外傷性ならば、背部外傷
・非外傷性ならば
STEP2 整形外科疾患か?否か?
・整形外科疾患(98%)ならば、整形外科的診察
・整形外科疾患でない(2%)ならば、局所性疾患か?全身性疾患か?

と記されています。鑑別疾患も十分量記載されていて、使い勝手が良いと思います。突っ込みどころとして「整形外科疾患か?否か?ていうのが分かれば苦労しない」と後輩の研修医が言ってましたが、それはまぁ、ご愛嬌。確かに胸痛の項目でも

・鉄則:急性冠症候群を否定する
STEP2 心血管系(16%)か?非心血管系(84%)か?

とあります。すんなりACSを否定出来ないのが難しく、それ以外の心血管系かどうかというのも判断に困ることだってあります。

 しかしきちんとそこの病歴や診察項目などから材料を探せるようになっているので、しっかり読んでいきましょう。

 この本に載っているアルゴリズムの様にクリアカットにならないのも現実。それは著者の田中先生もご存じのことで、単純にホイホイとは行きません。しかし、そういうファジィさを抱えながらも適切な鑑別の仕方をアウトプットしたことは凄いなと思います。研修医もこのアルゴリズムを頭に入れることで、見逃しが少なくなるんじゃないかと思いますし、そのファジィなところに着目してもっと自分で勉強して掘り下げて行くことも大事。どんどん視野を広げていきましょう。ちなみにACLSも2010年版。

 ただ、この本は残念ながら抗菌薬の使用方法は「???」と思うところが少なくありません。1つ例を出してみましょう。

 細菌性咽頭炎の治療で、伝染性単核球症の可能性があるのでアンピシリンは使わないとしているのは構わないのですが、経口抗菌薬に

ジスロマックあるいはジェニナック

と。これはどうかしらと思います。日本のヨウレン菌はマクロライド耐性が70-80%という恐ろしい数字ですから、効かないでしょう。後は、咽頭炎ごときにキノロンを使うのは、感染症屋からするとご法度的治療。

 アミノペニシリンが怖いなら第1世代セフェムやダラシンとかが良いと思いますが。それ以前に迅速キットでヨウレン菌陽性になったら、どんとサワシリン使うのが適切。

 それと、β-ラクタマーゼ配合アミノペニシリンではユナシン錠を例として使ってますが、これに含まれているアンピシリンは経口では安定しないので(サルモネラの腸炎くらいです、使えるの)、アモキシシリンの入ったオーグメンチンを使うべきでしょう。そのオーグメンチンも、サワシリンを1-2錠噛ませて使うと下痢の副作用が少なくなります。

 他にも抗菌薬の「その併用は何だろう?」と首をかしげるところが多いです。

 ですので、総じて良い本で自分も好きなのですが、抗菌薬の使用だけはこの本を真似てはいけません。きちんと別に勉強しましょう。キノロンなんて無くても外来はやっていけます。

 あと精神科的には、ベンゾジアゼピンの例でこの本はデパス使ってますが、筋弛緩作用が強いので、救急外来で抗不安目的として使うならワイパックスやソラナックスが良いと思います。高齢者にデパス出したらすっ転んで大腿骨頚部骨折して寝たきり、なんていうことになったら夢見が悪いですし。。。
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2011
10.08

Evidence Based Psychopharmacotherapyを学ぶために

Category: ★本のお話
 自分の属している精神科の教授は、受容体・遺伝子など精神薬理学や精神生物学を専門としています。

 なので、薬物療法については「なぜこれを選んだか?」ということについてきちんとした論理をこちら側が持つ必要があります。仮にそうでなくても、今の精神科はお薬あっての精神科。本当に有難いですし、きちんと使えるようになるためにも、勉強は欠かせません。

 そこで、コチラをご紹介。

モーズレイ処方ガイドラインモーズレイ処方ガイドライン
(2011/01)
David Taylor、Shitij Kapur 他

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 「モーズレイ処方ガイドライン 第10版」です。

 新しいエビデンスに基づいた、お作法的な治療が出来るようになります。どんな受容体にくっついてどういう作用をするのか、という内容には乏しいですが、代表的な精神疾患のメインストリームとなっている治療内容や、補助療法のエビデンスなども詳しく掲載されています。

 統合失調症のページではクロザピンの項目に多くを割いています。

 他科診療の現場でちょっと困る腎障害や肝障害がある患者さんではどうすればいいのか、というところにもきちんと答えてくれます。

 抗うつ薬のスイッチングも詳しい。

 イギリスの本なのでNICEガイドラインの引用が多いですが、きちんとSTAR*Dの解釈もしてくれています(そりゃそうだ)。

 ただ、日本とは使用用量や使用薬剤の種類などが異なるため、そこは注意が必要です。親切なことに翻訳者からの注釈が付いてくれています。

 抗精神病薬の副作用でDVT/PEがあること、デュロキセチンやミルタザピンは"痛み"にも効果があること、ミルタザピンとオランザピンには"制吐"の作用があること、と言ったところの記述が無かったので、そこは惜しいなと思いました。

 でも総じて非常に良い本。まさに実践的で惚れ込んでいます。そこに書き込んだり、各受容体の親和性などの配布プリントを貼り付けたり。絶賛カスタマイズ中。

 自分は確か5月か6月くらいに買いまして、1年目精神科レジデントの間で流行らせようと画策して5人ほど買ってくれました。皆さん好評価。

 少しでも良い治療が出来るように、患者さんの利益となるように、お勉強は大事です。

 ちなみに自分は治療に漢方を噛ませることがあります。抗うつ薬を初めて処方する時には六君子湯プラスしたり、スイッチング中は補中益気湯プラスしたり、症状が生理で変動するなら加味逍遥散プラスしたり。エビデンスは無いですけどね、、、。でも何となく効いてくれている様な気がしないでもないです。
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2011
10.05

気胸診断にはぜひエコーを!

 過去の記事で肺エコーを扱っておりましたが、知り合いから「CHESTに気胸の超音波診断の論文出てるぞ」と言われ。慌てて検索すると、以下に当たりました。読んだのabstractだけですが。

Diagnosis of Pneumothorax by Radiography and Ultrasonography. A Meta-analysis
CHEST 2011; 140(4):859–866

 気胸の診断に、超音波とレントゲンを用いた場合どちらが優れているか?のメタ解析。オンラインでは結構前にあったようですが。。。

 さらっと結論を挙げると

超音波:感度88%、特異度99%
レントゲン:感度52%、特異度100%

 圧倒的ではないですか、我が軍は(ただしThe areas under the sROC curves were compared and no significant differences between US and CR were found.となっています)。

 しかし、この超音波、問題点が。


術者のスキルに大きく左右される


 やっぱり超音波はこれが課題ですね(relative diagnostic OR, 0.21; 95% CI, 0.05-0.96; P=.0455)。

 練習あるのみ、だと思います。


 YouTubeでもマニアックな人がいるようで、きちんとエコーの動画を挙げてくれています。腹部エコーのみならず、肺エコーとか心エコーとか。肺塞栓のMcConnell signなんかも挙げられています。実際にどんな感じか見てみるのも良いですよ。
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