2011
03.29

最後の

Category: ★研修医生活
 昨日、3/28は、研修医最後の当直でした。だからといって何か変わった診療をするかと言うとそうでもないのですが。。。

 この2年間は、色んな事を勉強した気がします。特に診断学・感染症・エコーは、自分の中では頑張った方かなと。

 昨日の救急外来もエコーの嵐。2年次後半になってからは肺エコーも勉強して、多少なりとも分かってきたような感覚。

 こういったことも、4月からはほとんど出番がなくなるんだなーと思うと、ちょっと勿体ないような?1年次の何人かには肺エコーをちょろっと教えたし、1年次研修医室には資料をぶら下げておいたし(この前見たらどっか行ってたけど...)、少しはしてくれる子が出てくれるかしら?役に立つからしてみて下さい。抗菌薬をほとんど教えてなかったのが残念でした。まだ的外れな抗菌薬選択をしている子がいるので、そこを直したかった。。。ま、そこは自分で勉強してもらいましょう。

 勉強に関して少し言っておきますが、自分たちが勉強、それも基本的な勉強をしないせいで患者さんに不利益をもたらすのは、研修医でも決してあってはならないこと。そういう失敗に対しては、自分はきつめに注意します。注意するのは気が引けるという思いの人もいるのかもしれませんが、自分たちは他人様の命を預かる商売です。いくら医師患者関係が対等だと言え、患者さんはどこかで医者に頼らざるを得ない。それに対してはきちんと責任を持つべきで、中途半端なことをしてはいけません。体育会系な発想かもしれませんが、自分はそう思ってます。ここで言っておきますが、世の中にはいろんな考え方の人がいますし、彼らのスタンスを否定するつもりは全くありませんよ。

 さて、最後の当直ということで、28日のお夕飯はお寿司("銀のさら"ですが)にしました。自分はたまに当直の時はお寿司にしていまして。1年次も巻き込んで注文しています。先輩お寿司好きですねー、と良く言われますが、そりゃアナタ、函館人ですもの。

 最後の日は、せっかくだからということで、ちょっと良いのにしました。「瑞穂」というもので、3人前6280円!奮発です。



 そんなんだからお金たまんないんだよ、という声がどこからか聞こえてきそうです。でも男たるもの、使う時は使わないとね。お給料の多くは後輩とのご飯代だと思っているので。

 残念ながらその日は結構忙しくて、まとまった時間が取りづらくお寿司も少し食べては外来に戻り、また少し食べては戻り、という感じ。

 それにしても、体力の衰えを感じてしまいました。もう深夜まで頑張れなくなってしまって。1年次の元気の良さには、頼もしいものを感じつつ、寄る年波には勝てないなとしみじみ思いました。たしかに引退、潮時かもしれません。1年前ならもうちょっと頑張れたんですが、踏ん張りが利かないですね。。。

 そんな思いを残しつつ、ちょうど昨日の救急外来で銀のさらのポイントが全部たまりました。わーい。って、そんなに食べてるんだ。。。


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2011
03.25

ロキソニン、ついに市販へ!



 私たちがぽいぽいっと処方する鎮痛薬に「ロキソニン(ロキソプロフェン)」があります。NSAIDsの代表格でして、最もポピュラーなお薬。強さで言えば、史上最強のNSAIDsなどと言われる「ボルタレン(ジクロフェナク)」には及びませんが、1錠でそれ相応の鎮痛が期待できるので良く処方されます(自分は安心安全のカロナール派ですが)。

 痛み止め下さいと言われれば、とりあえずビール的な感じでロキソニンが処方されています。

 それだけ患者さんや医療従事者にも慣れ親しんだお薬。それが遂に市販となりました。今まで出ていなかったのが不思議なくらいですが、満を持しての登場という感じ。裏を返せば市販されていなかったからこそ処方での意味があったわけで、これで広く皆さんが持つようになると

Dr.「じゃあロキソニン出しておきますね」
Pt.「はい、ありがとうございます」

という感じから

Dr.「じゃあロキソニン出しておきますね」
Pt.「それ持ってます。もっと良いの下さい」

との返答が出てきそうな...?

 この市販ロキソニンは、投与量は1回1錠60mgです。これは私たちが処方する投与量とほぼ同じ。処方だと最大1回120mgまでO.K.ではありますが、医者も1回2錠飲ませることはあんまりありません。自分が1回120mg飲んでもらうのは片頭痛の患者さんでどうにもならない時くらい。ロキソニン2錠とプリンペラン1A静注の併せ技が効きますよ。プリンペランは片頭痛の嘔気だけでなく頭痛そのものにも効果があり、ロキソニンと併せると相乗効果を発揮。頑固な痛みも取ってくれます。ただ、静注でなければ片頭痛の除痛効果はない、というのがポイント。Evidence Basedなんですよ。

 あと、ロキソニンより強い有名なNSAIDsになると上述のようにボルタレンとなりますが、これは坐薬の形式で尿路結石の痛みに1対1対応のように使われます。50mgがっつり使えば大体の尿路結石は静まってくれます。困るのが、それで良くならない時。尿路結石の痛みは、尿管の蠕動と炎症によるもの。主体は炎症による痛みなのでNSAIDsが適役。しかし、ボルタレンが効かない時は、2つの機序をきちんとブロックしようということで自分は「ボルタレン+ブスコパン」を出してます。こっちはEvidence BasedではなくExperience Basedでしかありませんが、これで治まってくれます。昔々の日本は尿路結石と言えばブスコパンを処方していましたが、比較試験でボルタレンに敗れて第一選択からさようならしてしまいました。ここで復古というわけではありませんが、2人仲良く手を取り合って頑張ろうではないかという感じで使っています。

 他にロキソニンだけじゃ痛みが取れない時は、自分はカロナールさんに出場してもらいます。カロナールの一般名はアセトアミノフェン。この2月からは処方量の上限が1回最大1000mgになったことは自分を喜ばせるものでした。ロキソニンを代表とするNSAIDsは、COX-2を阻害して炎症による痛みを取ってくれます。COX-1も阻害するので胃粘膜障害が起こるのですが、COX-2を選択的に阻害するモービックなどは、救急外来ではほとんど処方しないかと。カロナールは、良く出される割に作用機序が明らかになっていません。脳にあるCOX-3を阻害するのでは?と言われていますが、確定事項ではなく。ただ、NSAIDsとは作用機序が異なるというのは分かっているので「ロキソニン+カロナール」は除痛に関して相乗効果がありそう。そんな気持ちで処方してます。これも申し訳ありませんがExperience Basedです。。。去痰薬の「ムコダイン+ムコソルバン」というムコムコ処方と似た発想。
でもきちんと痛みの原因は考えなければいけません。たとえば「頭痛持ち」の患者さんがいつもロキソニンで治まっているけど今回はなぜかダメ、という時は、ひょっとしたら怖い病気が隠れているかも?と、考えましょう。これは忘れちゃいけません。

 ちなみに本音を言うと、自分はロキソニンよりもブルフェン(イブプロフェン)が好きなのですが、勤めている病院では院内処方がないのでした。NSAIDsの中では最も安全なんですけどね、ブルフェン。個人的な好きさ加減で言うと

アセトアミノフェン>イブプロフェン>ロキソプロフェン

となっています。

 ブルフェンは、NSAIDsではありますが一応子供にも出せることになっています。アセトアミノフェンは子供の喘息のリスクになるんじゃない?と最近言われ始めていて(決して確定ではないですよ)。ひょっとしたらこれから子供の発熱や痛みにはブルフェン?そんな時代が来るのかも。


 何やら話があっちこっち飛んでしまいましたが、つまりはロキソニンが市販されて良かった、という内容でした。深夜にこの記事を打っているので、一貫性の無さはお許しください。。。
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2011
03.03

カロナール無双!

 2011年2月、解熱鎮痛薬のカロナール(一般名:アセトアミノフェン)の処方用量が改訂されました。

 これまでは、日本は一回用量が最大で500mgまで。実は、これではなかなか効かないんです。一般的には体重10kg当たり100-150mgが適切な量なのですが、上限500mgの壁が邪魔をしていました。当院ではカロナール錠は200mgが採用なので、これまでは大体1回2錠、つまり400mgの処方でした。体重が40kgまでの人ならこれでO.K.ですが、それ以上だと思うような効果が得られません。でも3錠にすると600mgになってしまって保険的にマズイ。そもそも一般成人なら体重50kg以上の人が多いので、500mgも効きにくい。

 なので、自分は救急外来で処方上は1回2錠にしておいて、患者さんには「1回2錠飲んでください。でも、効かなかったら3錠まで良いですよ」と伝えていました。この投与量の不条理な上限のせいで「カロナールなんて効かないよ」と思う医療従事者や患者さんが多いのです。

 しかし!これからは大手を振って、体重に合わせて出すことが出来ます。世界標準レベルにやっとアセトアミノフェンも到達してくれました。一番恩恵を被るのは、癌性疼痛の患者さんだと思います。アセトアミノフェンは、十分な量を投与すればNSAIDsに劣らない効果をより安全に得られます。一回量をどんどん上げていくことが保険上でも出来るようになったので、これは嬉しい。もちろん、肝障害の副作用に注意は必要ですが。

 救急外来でも大助かり。診断はもちろん大事ですが、患者さんは痛みや熱をとってほしいというのが訴え。そのためのお薬、NSAIDsではないお薬を、きちんと出せるようになったのは凄い進歩だと思います。新しいお薬も大事ですが、こういう頻用されるものが合理的な投与量になってくれたということは、多くの患者さんが助かることだと思います。早く色んな抗菌薬や向精神薬も十分量使えるように変わって欲しいものですね。

 あとカロナールで贅沢を言うとすれば、アスピリン喘息に禁忌なところを慎重投与あたりにしてもらえれば、と考えています。発作を起こしていなければ低~中等度の用量なら比較的安全に使えますし。初回は経過観察したいところですが。

 ちなみに、自分は今日(2011/03/03)初めて、カロナールの処方量が改訂されたことを知りました。。。知った時はびっくりというか唖然と言うか、いつの間に!?という気分でした。

 でも嬉しかったです。嬉しすぎて、研修医1年次に院内のChartMailで「改訂されたぞー」と送ってしまった…。


内輪:ただし、病名が「急性上気道炎」であれば、従来通りの処方量が上限です。しっかり効かせたい時は「頭痛」や「筋肉痛」などの病名を付けましょう。
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2011
03.01

Mwezi wa tatu

Category: ★研修医生活
 3月。

 新しいステップまであと1ヶ月。それはとりもなおさず、1つの生活が終わることを示します。

 歩く、ということは、次の点へ到達するために進むこと。ですが、住み慣れたところからの距離がどんどん出来てしまうことをも指します。

 どんなことであれ進むということは、辛さをも内包しているものなのです。それを噛み締めながら、みんな前に歩いて行くんですね。

 そうやって人は、年を取っていくものなのかもしれません。辛さがあるから、辛さがわかる人になれるのでしょう。

 2年次研修医のみんなとも、この1ヶ月でお別れ。この2年間というのは、どんな2年間よりも心打つものだったと思います。

 今この安住の地から、それぞれ新たな地へと、進んでいきます。その中途は、不安に満ちているでしょう。

 でも、後ろを振り返れば、歩いたそこには道が出来ています。その道を遠くまで見つめれば、きっとそこには、懐かしい土地が見えるでしょう。

 その思い出を糧として、また人は足を前に踏み出すことができるのです。





 うーん、真面目な記事になった。

 ということで、研修最後の1ヶ月。噛み締めながら過ごしていきたいと思います。2年次のみんな、そして1年次研修医も、ありがとうございました。
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