2010
03.28

論文選び

 火曜日に老年科(今ローテしている科)で抄読会があります。

 自分が当番なので一昨日論文をいくつかピックアップして担当医に選んでもらいました。

・ACCOMPLISH試験
・ACCOMPLISH試験サブ解析
・透析中のスタチン投与
・減塩による利益

 この中では自分は上2つのうちどちらかかなーと思っていました(興味もあったし)。ACCOMPLISH試験は有名なスタディで、「ACEIとCa拮抗薬」VS「ACEIと利尿薬」のガチンコ勝負。この試験、軍配はACEI+Ca拮抗薬に。CKDの進行も遅くなり、また高齢者にも良いという結果。ちょっとガイドラインが変わってきそうな印象です。

 最近はARBと利尿薬の合剤(エカードとか)が流行っていますが、やっぱりCa拮抗薬は良い仕事しますね。「臓器保護効果なんてチンケなこと言ってねぇで、下げりゃいいんだろ!?」みたいな、無骨ながらも味のある職人気質を感じます。

 そーゆーことで、担当医には「これなんかどうでしょう?」と上2つを勧めてみたのです。


 結果は


担当医「減塩おもしろいね」


 いやー。。。おもしろくないです...。ほんの少し抵抗しましたが、結局は減塩で。。。

 一番興味ない論文なんですよね...。目についたから候補にしてしまったというのが余計だったか。

 内容は、アメリカで1日3gの減塩をしたらどれだけ健康に良いか?とシミュレートしたもの。何とNEJMに掲載されてるんです。

 具体的な件数(1日3gの減塩により心血管イベントの年間新規発生数は冠動脈疾患が60,000~120,000件、脳卒中が32,000~66,000件、心筋梗塞が54,000~99,000件減少し、全死因死亡は年間で44,000~92,000件減少すると予測される)が載っていて何となく説得力はありそうですが。うーん。

 ちなみに、full textは無料です。興味がおありでしたら、下のリンクからどうぞ。


Projected Effect of Dietary Salt Reductions on Future Cardiovascular Disease
N Eng J Med 2010; 362: 590-9

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2010
03.21

エコーは大事!

Category: ★本のお話
 最近、消化管のエコーを勉強しています。

 お腹の中を見るにはエコーは良いですね。施行者の技量にも左右され、また過大評価はいけませんが、それでも使いやすいため救急外来ではどんどんプローブを当てています。膵臓の描出も少しずつ上手くなってきました。

 この前からは網膜剝離疑いとか、靱帯損傷疑いの人にも使用中。

 病棟ではエコーで肺水腫のある患者さんに肺エコーをしてみてB lineを確認したり、何かあればとりあえずエコー、といった状況。こうやって自分の力量を上げたり、エコーの限界を知ったり、勉強勉強(でも心エコー苦手><)。

 で、消化管。

 これがなかなか難しいんです。。。イレウスは当てればすぐに分かりますが(腹部Xpより感度・特異度共に高いんですよ!)、胃潰瘍とか十二指腸潰瘍はまだちょっと。。。憩室炎や虫垂炎も、うーん…。でも練習しないとそこで上達がストップしてしまいますしね。一番良いのが病棟に行ってもう診断の付いている人に当ててみて像を確認すること。でも消化器内科ローテしてないからちょっと行けない。。。

 でも今日の救急外来では、下行結腸の浮腫性肥厚がばっちり見えました。勉強していて良かったな―と思える瞬間です。3ヵ月くらい前はイレウスのKeyboard signがもう教科書か!っていうくらいにばっちり見えた患者さんがいて、ちょうど隣にいた看護師さんに

「これ、キレーですよねぇ…」

と画面をうっとり眺めていたら

『先生、変。。。』

と引かれました…。いや、でもホントに見事なKeyboard signだったんですよ。

 描出の苦手なところは回盲部。本を読むと「バウヒン弁(回盲弁)の描出は難しくない」と書いてあるのですが、自分は思うように出せず。。。今日も「うーん、、、」と唸りながら探すも分からず。こうやって探究心から悩むのも楽しいんですけどね。

 消化管のエコーは教えてくれる上級医が少なく、独学状態。ちょっと限界あるかなーとも思いますが、研修医は何でも学ぶ姿勢が大事。これからも勉強ですねー。


 で、消化管エコーで今読んでいる本がこの2冊↓

・消化管エコーの診かた・考えかた
・新超音波検査消化管

 圧迫の仕方や体位変換など含め、全体的に上の方が詳しいです。でも写真の綺麗さや多さでは下の方が圧倒。ということで両方買っちゃうのが良いかも。

 「消化管超音波ビジュアルテキスト」っていうのもありますが、本屋さんで見かけないのでどんな内容か分からず購入には至らず。。。どうなんでしょ。


 消化管に限らず、エコーへのアクセスが良好なのは日本くらい。日本にいるなら、使わない手はないです。同じ研修医の方や学生さんも、どんどん当ててみましょう!
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2010
03.14

ピアノ協奏曲第20番 第2楽章

 DVDは持っていないのですが、映画「アマデウス」は昔良く観ていました。最初見た時はモーツァルトの異常行動ばかり気になって「まさしく○○と天才は紙一重」と妙に納得した覚えがあります。特にモーツァルト狂気じみたけたたましい笑い声。具合悪い時は思い出すだけで頭に響きますね。。。

 やはりこの映画ではモーツァルトの才能が強調されています。サリエリ(自称「凡人の守護者」←でも自分から見るとあぁたも天才ですよ)が必死で完成させた曲を、まだ幼いモーツァルトが1度聴いただけでコピーしたり「サリエリ風」までいとも簡単に作ってしまったりするもんだから、サリエリが嫉妬ゴコロを滾らすのも分かります。

 天才に完膚なきまでに打ちのめされ、神の声を聞くことが出来ず苦しみ続ける凡人サリエリ。かたやその天才も借金や軋轢で苦しみ大衆演劇でしか活躍できなくなり、最期は音楽における理解者のサリエリによって殺されてしまう。

 この対比を鑑みると凡人も天才も、神の声たる「音楽」に翻弄されてしまったのかなと思ってしまいます。

 見どころは、モーツァルトがベッドでレクイエムの続唱部分を口述し、サリエリがそれを書き留めていく場面。サリエリの人生にとっては美しくもあり残酷でもあると考えられるこの時は圧巻としか言いようがありません。

 そしてラストに流れるピアノ協奏曲第20番 第2楽章。。。凄すぎて溜息出ます…。





 ちなみに自分のモーツァルトのイメージはこの映画だけで創られていて、言ってしまうと「アタマが残念な兄ちゃん(ひっくり返ってピアノ弾くし)」なのですが、本当はどうなんでしょ。。。
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