2009
09.29

きたれ!血便よ

 24日木曜日にお腹をこわしました。

発熱-、嘔気-、嘔吐-、腹痛+、下痢+

 大体30分に1回の割合でトイレに行き、水様性下痢をしてヘロヘロになるという始末。夜中も何回も起きて寝不足に。

 翌日は1-2時間おきとなりましたが、症状は同様でした。ただ、水様性のものが夜中に血便に代わったということを除いて。。。。。

 これまでの人生で血便とはあまり縁がなかったため、便器の中をまじまじと眺めながら今回の原因について考えてみることにしました。



恐らく、カンピロバクター。。。



 病歴が何ともそれらしい(水様性から血便への変化なんて)。しかも、火曜日に”鶏のお刺身”を食べていたのです。

 カンピロの腸炎か。。。と痛いお腹をさすってトイレに歩きながら判断(確証は全くないですが)。

 しかも問題は、26日土曜に『外勤+当直』が控えていたということ。外勤は健康診断。診察している時に便意に襲われたら、、、、と考えるとご飯ものどを通りません。

 結局、便の材料を口から仕入れることをせず、かつお腹が痛くなった時のために≪ストッパ≫という市販の下痢止めを用意。

 案の定、外勤ではお腹が痛くなり、我慢できずストッパ先生にご活躍頂くこととなりました。本当は感染性腸炎に下痢止めを使うのはよろしくないといわれますが、社会的に適応と考え服用。

 凄いですね!ストッパって。あっという間に痛みがなくなり3-4時間ほど無痛でした。その後の当直も何とかしのぎ、日曜からは急激に回復。今日には恐らくほぼ完全に治癒しました。

 発熱があったら救急外来に行ってクラビット(500mg分1)でも処方してもらおうかとも考えておりましたが、抗菌薬嫌いですし、根性によってそこまで大事に至ることなく回復しました。


 まだまだ気温が高いこの時期。食べ物に油断しないように過ごしましょう!
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2009
09.19

医療を考えよう

 ご存じのように、現在の日本は大変な医師不足。数は増えてはいるものの、残念ながら残念な状況。これを機にちょっと医療について考えてみましょう、というのが今回の目的です。

 最初に色々数字を載せるのも申し訳ないのですが、一応出しておきます。

 OECDの「ヘルスデータ2009」というのがあります。日本の総医療費はGDP比8.1%(2006年)で、加盟30カ国中21位と前年と変わらず下位に(数年前にあのイギリスにすら抜かれた...)。OECD平均は8.9%(07年)となっています。医療費増えてるから抑制しよう!とする政府の見解には納得できません(もっと公共事業減らそうよ)。ちなみにこの医療費、パチンコ業界とほぼ同じ、葬式産業の2倍程度の規模でしかありません。お葬式に費やすお金が日本の総医療費の半分もあるとはね。。。

 1人当たり医療費も、日本は2581ドル(06年)でOECD平均の2964ドル(07年)を下回り、30カ国中21位。
日本の1人当たり医療費は00-06年に実質ベースで2.2%増加していますが、これは00-07年のOECD平均3.7%を下回っているとのこと。

 人口千人当たりの医師数は2.1人(06年)で、OECD平均の3.1人(07年)をはるかに下回り、30カ国中27位!2020年には最下位に転落するんじゃないかと言われています。

 ちなみに病床数は滅茶苦茶多いんです、日本って。ただでさえ少ない医者が、多い病床によって更に分散。。。看護師さんの数自体は先進諸国と比べて遜色ないレベルですが、やっぱり病床数のせいで薄まっちゃうんです。



 これを踏まえた上で、日本の医療はどうなのか?を見てみることにします。まず、医療は「料金、質、かかりやすさ」の3つが重要と言われていて、皮肉なことにこの3つを全て満たす事はほぼ不可能とも言われています。

 例として、アメリカ・イギリスを出してみましょう。

 まず、マスコミが崇めたてるアメリカ様の医療は?アメリカはお金さえあれば非常に質の高い医療を受ける事が出来ます、お金さえあれば。お金のない人に医療は顔を向けてくれません。つまり質しか保証されていませんし、お金のない人には3つ全てが満たされないと言うことです。日本では「ちょっと具合悪いなぁ、風邪かなぁ。病院でも行くか」となるのが自然な流れですが、アメリカでは不可能。それだけで何万円もとられちゃいますよ。マスコミは良くアメリカを引き合いに出して「日本の医療は駄目だ!アメリカは凄い!」なんてちゃんちゃらおかしいこと言ってくれますが、アメリカの素晴らしい医療の質(しかもそれは特殊医療)は弱者切り捨てによってなされています。逆に言うと、切り捨てなければその質を保つには不可能。

 イギリスさんの医療はどうでしょう?料金と質は良いらしいですが、全くもってかかりやすくありません。家庭医が普及していますが、その家庭医にかかるにも予約とってかなり待って、そしてもっと大きな病院には家庭医を通してからじゃないと行けないし。。。日本の様なフリーアクセス(大学病院も初診でかかれる)ではありません。救急車で病院に行っても何時間も待たされます。CTも数が少なく、救急でなかなか使えません。エコー?そんなものアナタ。。。自分も救急ではエコーを頻用していますが、そんなことできるのは日本くらいです(アメリカよりはヨーロッパの方が普及してますが)。

 では、日本はどうか?日本では世界平均と比べると料金も安いし、好きな時に好きな病院にかかれますし、質もある程度はO.K.です。良く批判される『3時間待ち3分診療』ですが、はっきり言って

具合が悪くなったその日のうちに病院で診てもらえる

というのは世界的に見て異常なほどの速さ。日本は恵まれすぎているような気がしてきます。冒頭に数字を出しましたが、医療費は先進国中最も安い。世界に誇る医療制度があるんですよ(崩壊寸前ですけどね)!!

 ナゼそんなことが可能かというと、医療従事者の底力なのです。我々は確かに普通の人よりはお給料が高いです。でも世界標準からすれば安い給料で長時間働いているのが実情。ヒラリーさんが「日本ってなんでそんなに良い医療なの?」と思い視察に来て、その事実を知った時は「素晴らしいと思う以前に呆れた」とおっしゃって日本の医療制度導入を完全に諦めたそうです。それくらいに日本の医療従事者はせっせこせっせこ働いているんです。

 そーゆーところを見もしないでマスコミさんはこっちを敵みたいに報道しちゃって、国民の皆さんもマスコミの言うこと信じちゃうもんだから。。。医療を粗末に扱う傾向にあります。ちょっとは自国の医療の素晴らしさを報道してくれ!WHOは日本の医療を世界最良と評価してくれているんですよ、実は。

 恐らく、これからは今までの医療の質を保つのは困難。その質の下がり幅をどれだけ小さくできるか、それにかかっていると思います。でも質が低下したらまたマスコミは医者を槍玉に挙げるのかしら…。


 ちょっと古い(2005年)ですが、参考になるサイトがあるのでご紹介。

知って欲しい医療の現実 ―四つの誤解―

 覗いてみて下さい。 すごく分かりやすいです。
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2009
09.16

新潟≒本州?

 新潟に来た当初、驚いたこと。



天気予報の際に出てくる地図が「本州だけ」。。。



 見て下さいまし、こういうのが良くテレビに映されるわけですね。



 新潟に来た当初はこれ見て

「あら、我が北海道が存在してない。。。あと九州やら四国とか言うのも無いみたい。しかも、佐渡って意外と大きかったのね…」

等と文句を述べていたわけなのですが


 でも、よ~く考えてみると、何のことはないのです。



新潟県は本州と形が結構似てる



 ただ、それだけのこと。佐渡があんなに大きいワケないですもんね。

 新潟の地図に不慣れな人間にとっては意外と「??」な感じかも。
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2009
09.09

無理なことはしないが一番

 大規模な臨床試験の中には、”〇〇スタディ”と色々洒落た名前の付いたものがあります。

 有名なものと言えば、抗不整脈薬の使用に一石を投じた衝撃的なCAST study。このCASTは

”the Cardiac Arrhythmia Suppression Trial”

の頭文字を取ってCASTとなっています。

 同じような試験にSWORD studyがあり、こちらは

”Survival With ORal D-sotalol”

から。ORalはちょっと苦しいかも。

 A-fibの患者さんを無理に洞調律にせんでも良いよ、と『断言』したAFFIRM studyは

”the Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management”

です。

 高齢者の心血管イベントをクレストールが有意に下げるよ!としたJUPITER studyは

”Justification for the Use of statins in Prevention: an Interventional Trial Evaluating Rosuvastatin”

となっています。よくこんな長ったらしい名前を。。。JUPITERにしたいという思いが先にあったような気すらします。主役はスタチン(クレストール)なのに、その頭文字のSが略称に含まれていないなんて、かわいそすぎる;;

 これらはまだ頭文字なので許せます。B-CONVINCED studyという、急性非代償性心不全でβ-blockerは中止する必要ないよ!!と『納得』させてくれたスタディは

”Beta-blocker CONtinuation Vs. INterruption in patients with Congestive heart failure hospitalizED for a decompensation episode”

...。ムリヤリでしょ。この文字の取り方には納得できません。

 まさかcontinuationでCONの3文字使ったりvs.を出動させたり、最後にゃhospitalizedの尻尾ですか。。。

 これもCONVINCEDありきで、スタディの正式名称を作り出した気がしてなりません。最後のEDは苦し紛れに何とか思いついたのでは。。。でも「これ使える!」と気づいた時は嬉しかったんでしょうね、多分。



 以上挙げた心血管に関するスタディは、内容は一級品ですので学生さんや研修医の先生は一度お読みくださいまし。
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