2009
03.29

最後もローカル

 去年、コメントで『丸屋本店の”たまごロール”が美味しいから食べてみんさい』という内容のモノを頂きました。

 忘れていたわけではないのですが、お店が住んでいるマンションの近く(マンションは市役所の向かいと言っても良いくらい)なので


いつでも行けるから、まだいーよねぇ


と油断していました。

 結局、一昨日滑り込みで買うこととなり。。。危なかった。近いとそーゆーモンです、はい。

 丸屋本店は、古町にある和菓子屋さん(ケーキなども売ってますが)。モスバーガーの隣だったはず。明治時代からあるそうで、いわゆる老舗。

 で、コチラがその”たまごロール”↓




 税込み735円。永遠のスタンダードという外見ですね。最近は堂島ロールなど、クリームの量をハンパなく増やしたものが多く、ロールしてねぇよ!と思っていましたが、これはまさに直球のロールケーキ。原点回帰的な印象です。しかも自分はクリームを食べ過ぎると吐くので、これくらいが攻略しやすいです。

 そのお味は、例えるならばステレオタイプ的ドイツ。無骨だけど、きちっと仕事をする男の背中を感じさせます。

 スポンジがしっとりとしていて、かつ味もシンプル。飽きの来ない仕上がりです。丁度お米も切れていたので、同じ炭水化物として夕ご飯の主食になりました。

 また、一緒に”いちご大福”も買ったのですが、どーしていちご大福のイチゴは炭酸っぽいのかしら?何か食べるとじわじわっと舌に刺激が。大体どのいちご大福もそーなんですよねぇ。美味しかったけど。ちなみに1個180円とちょっと高め。あんの量が少なめで酸味と良い具合の相性でした。

 このお店は注文してから渡してもらうまでの間に、お茶のサービスがあります。自分も「お茶どーだい?」と聞かれたのですが、


多分熱いお番茶なんだろーな、となると飲むのに時間かかるのよね、となると多分紙袋に入れた商品を持ったおねーさんが「コイツ早く飲めよ」的な視線送ってくるんだろーな、となると静まり返った耐え難い時間が生まれるよね、ドナルド。


と色々と考えて出した回答が

「結構です」

 その後の店員さんの「あ、そうですか…」という明らかにトーンの下がった返事を聞いて


何、飲むのがデフォ?


とやや慌てました。。。


 で、今回が新潟での最後の更新となり、次回以降は名古屋からです。

 今日(29日)の午後3時過ぎに名古屋へ移り、しかも住むトコにネット引く時期が分からないので、PCから更新できるのはいつになるのやら。。。ひょっとしたら研修医室のPCで行うという、不真面目極まりない行為に走るかもしれません。

 当分は携帯から。携帯でも画像は貼れるんですが、どーにも面倒なので文字だけになります。


 では、さよーなら新潟。おせんべい美味しかったよ、お酒美味しかったよ、伊勢屋のしょうゆ団子美味しかったよ、よし仙の豆大福美味しかったよ、風強かったよ…。カサ何本折れたと…。
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2009
03.29

医学生の本は

Category: ★本のお話
これまで、なんやかんやとテキストを挙げてきましたが、結局何が良い?と言われると。。。

~基礎医学~
 遠い昔に終了した基礎医学。今、自分がそれを学んでいたらどんな教科書を使うだろうか…。

 自分だったらコレ使うな~と言うものを出してみます(新潟大学医学部医学科2年-4年前期という前提で)。最近は良い本も和訳されてますし、羨ましいですね。

 どの科にも言えますが、試験対策のプリント、いわゆる「シケタイ」だけは必ずやりましょう。教科書だけでは点が取れないのも事実(臨床医学にも言える)。


☆解剖学
教科書:臨床のための解剖学+イラスト解剖学
図譜:ネッター解剖学アトラス(もはや定番?)
図譜の次点:プロメテウス解剖学アトラス 1, 2, 3(揃えると高いのが難点…)
写真版アトラス:解剖学カラーアトラス(グループの誰かが持っているのでそれを利用)
実習書:解剖実習の手びき
→New!「解剖実習マニュアル」という本、実に良いですね!実習が楽しくなると思いますよ!剖出の手順がきちんとイラスト化されていて、オススメ!!!!

☆発生学
教科書:医学要点双書 発生学
(カンタンに発生学を学べる良書。新大ならラングマンは要らない。講義は多くが寝る)

☆組織学
教科書:入門組織学+牛木先生の講義!(コレ重要)
(組織好きにはBasic HistologyかHistology: A Text And Atlas With Correlated Cell and Molecular Biologyを。両者とも和訳もあり)
アトラス:カラーアトラス組織・細胞学(新大生御用達!)
(牛木先生の書いた入門組織学は20年前の本で内容が古い。これだけでは試験で問われる内容全てをカバーすることは出来ないため、新しい教科書を買うか講義を聴くことが試験突破のカギ)

☆生化学
教科書:シンプル生化学+Lippincott’s Illustrated Reviews: Biochemistry(和訳あり)
(講義は大量に戦死者が出る。指定教科書は買わずに先輩から貰う)

☆分子生物学
教科書:分子生物学超図解ノート+Essential細胞生物学
(講義は意識が良く飛ぶ。指定教科書は買わずに先輩から貰う)

☆生理学
教科書:コスタンゾ明解生理学
(コレは良い教科書!生理学テキストは文章が分かりにくい)

☆神経解剖学
教科書:イラスト解剖学+たのしく読めて、すぐわかる 臨床神経解剖+神経解剖カラーテキスト+絵で見る脳と神経
(これで無敵。「絵で見る脳と神経」は後々まで使える)

☆薬理学
教科書:NEW薬理学+分子神経薬理学+図解薬理学+薬理学プレテスト
(分子神経薬理学は図書館で借りる。本の内容がそのまま試験に出ることもあるので3年前期の試験前に読んでおいた方が良い。図解薬理学はオーラル用に。薬理学プレテストは4年用。Lippincottは有名だが、NEWの方が圧倒的に詳しい。薬理の試験は気合を入れて臨むべし!!)

☆病理学
教科書:シンプル病理学orわかりやすい病理学or講義
(新大は病理がぬるいのでこれで充分。講義を聴いていたら教科書は不要かも。しっかりやりたければ、ルービン カラー基本病理学。ロビンスは和訳が下手)
アトラス:カラーアトラス基礎組織病理学
(アトラスは安いもので充分。どうせ国試前はイヤーノートアトラス使うから)

☆微生物学
シンプル微生物学or講義
(試験は簡単なので標準は要らない。ホコリを被るだけ。シンプルすら不要?)

☆免疫学
絵でわかる免疫+Cellular and Molecular Immunology(和訳あり)
(絵でわかる免疫は、vs.安保徹教授用に。ダツに驚く)

☆寄生虫学
いらない。読みたければ図書館で適当なものを借りる。でも意外に落とす人がいる。


 このような感じ。自分は生化・組織・神経解剖・免疫・微生物で洋書を使いましたが、今はそれらも和訳が出てるんですよね。良い時代になったものです。そしてコスタンゾが訳されたというのが大きいでしょうか。多分まだ生理学テキストを使っている人が多いと思いますが、コスタンゾは同じようなページ数ながら内容はそれを軽く越える教科書です。見比べてみて下さいな。

 新大は2年の勉強が大変。1年間五十嵐キャンパスでのほほんと暮らしていたこともあり、格段に忙しく感じます。のほほんとは言うものの自分が1年の時は49単位取らねばならなくて、前期は結構大変でした。今は単位数も減ったんですよね。

 また、2年の頃は試験勉強の仕方も各々のスタイルが出来てませんから、どうして良いか分からなくなることも。「シケタイ」を中心に、教科書と講義で護衛をしつつ試験に臨むと言うのが典型例で、かつ最も危険が少ないと思われます。

 臨床との絡みを考えると、日本医事新報社から出ている”カラー図解 人体の正常構造と機能”という、確か臓器別に10分冊になっている本が大きな武器となってくれます。凄く良い本なんですよ!かなりオススメします。10冊そろえると高いですが。。。(2012年に改訂第2版になりました)。

~臨床医学~
 こちらは医学生の多くが使用するであろうものをざざっと。。。


☆メジャー科目
基本は”STEP”+”病気がみえる”のセット。
神経と血液はSTEPではなく”できった”がオススメ。
循環器が好きならSTEPの代わりに”ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理”も良い。
“講義録”シリーズはSTEPよりもしっかり系。STEPが合わない人用。
ポリクリ(病棟実習)が始まる前後に”イヤーノート”を買う。これは必須!”イヤーノートアトラス”も買っておこう。
メジャーは、6年になったらイヤーノートが中心。他のテキストでイヤーノートに載っていない事が書かれてあり重要そうであれば、イヤーノートに書き込んでいくという方法を自分は取った(何冊も見返す必要がなくなるので)。

☆マイナー科目
これも基本はSTEPで。イヤなら講義録を。
自分のようにマイナーが嫌いな人は”100%”シリーズを代用。
ただし皮膚科は”あたらしい皮膚科学”を推奨。
麻酔科はSTEPではなく100%の方が良い。
“レビューブック マイナー”の1冊でも国試は何とかなってしまう。
皮膚・耳鼻・眼はマイナーでも良く出題される方なので、多少力を入れるべき(しかも問題は難しくない)。自分は麻酔科と放射線科を捨てました(出題数が少なすぎるので)。

☆小児科
STEPは厚すぎる感あり。対抗馬に”国試小児科学”を。
ですます調の文章が好きなら”エビデンスに基づいた小児科学”。上下あり。
小児科は新生児疾患と発達を押さえれば、あとは結構イヤーノートと被ってくる。

☆産婦人科
STEP+病気がみえる、がデフォ。薄いものでは”PRIME”があり、100%もまとめとして悪い出来ではない。
イヤーノート的なモノに”COMPASS”があるものの、初学者向きではない。

☆画像診断
“ゼッタイわかる”シリーズ。特に頭部は分かりやすい。1冊で済ませたいなら”画像診断コンパクトナビ”が分かりやすくてオススメ。イヤーノートアトラスと併用。


 これが標準装備でしょうか。あとは自分なりに入れ替えたりプラスしたりをお好みで。



 基礎は新大に特化した感じですが、臨床の方は恐らく多くの医学生が持つであろうものを想定しており一般性があるかと。選ぶのって難しいよね…。

 でも臨床はこんな感じで選ぶと経済的損失が少ないかも(基礎は必要に応じて減らして下さい)。
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2009
03.23

こだわりは功を奏しない時もある

 21日、上越市に用事があって1泊してきました。メンツはおっきー先生、ベンさん、針先生、とある部の主将、そして自分の5人。

 その用事も終わり、新潟市へ帰るお昼時に主将から


評判のラーメン屋があるんでどうですか?


との一言。評判が良くて、結構並ぶであろうが、、、という話でしたが、そりゃお昼時だし特に急いで帰る用事もないし、とのことで全員一致。塩ラーメンが有名らしいです。

 着いたそのお店は「麺屋 あごすけ」。自家製麺と、「あご」をダシに使ったスープが特徴の上越No.1と言われるお店。ただ、上越という地域にラーメン屋がどれ位あるのかは不明ですが…。

 案の定数十分並びはしたものの、一時的とはいえ時間に追われていない5人。ぼーっと待っていました。入った店内は暖かくて、店員さんも愛想良く雰囲気は上々。

 自分が注文したのはスタンダードな塩ラーメン。

 出てきたソレはこんな感じ。



 何せタベログでの評価が非常に高く、しかも並んだということで期待はしてしまうもの。

 まずスープをば。魚系は好き嫌いがハッキリするのですが、自分は好きな方なので大丈夫。確かにあごダシを使っているというだけあって、フツーのとは異なる味わい。まぁまぁです。もう少し脂を控えて鰹ダシを追加した方が良いかな?という感じはします。

 そして自家製というこだわりの麺ですが、ストレートの細平。

 そのお味は…



自分の口には合いませんでした。。。



 あえて表現するなら、カップうどんの麺です。形も味も。

 例えるなら、ずっとクラスで目立たない存在で意見も言わず中学校の卒業式もカゼで休んで集合写真も右上に別枠で自分だけ載っていて同窓会で会っても「お前ダレ?」って聞かれて名前言ってもあんまり思い出してもらえない30代半ば、と言ったところでしょうか。

 やっぱ自家製でしょ~と頑張ってみたもののそんなに技術がなく残念な方向に行ってしまった感が強いです…。報われない努力の典型パターン。良い製麺所に頼んだ方が美味しくなるのに。。。結局半分くらい残しました。ラーメン残すって珍しいよね…。でも自分にとってはそんな味だったんです。700円ちょっとでしたが、その価値は…。

 自分は北海道出身なのでストレート麺よりはちぢれ麺の方が好き。でもその点を差し引いても、高評価には値しない味でした。平均を上回りはしないという印象です。

 自分以外の3人も同じような感想。1人はお気に入りのようでした。

 結論は「並ぶほどではない」。空いてても行きません。あくまでも自分の感想ですが。


5段階評価では
スープ:3.5
麺:1


といったところでしょうか。それ以前に、新潟がラーメン激戦区と評され美味しい地域と言うことに納得すらしていませんが。美味しいって言われたところ行っても期待ハズレが多いんですよね…。やはり育った味の北海道がベストだと思っています(ですから、バイアスがかかっていることはご理解下さい)。

 中には、北海道のラーメンは下品だというヒトビトもいます。特に函館はちょっとダシが強いので、そういう印象なんでしょうね。そーゆー人で魚ダシO.K.なら、このお店が合うのかもしれません。

 でも個人的には、何であんなに並ぶのか理解に苦しんでしまいます。日本人お得意の集団心理?



いちおー住所と電話番号↓
麺屋 あごすけ
住所 新潟県上越市下門前1650
電話 025-545-3335
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2009
03.19

せめて、人間らしく



 小学生の頃に遊んだファミコンのゲームといえば数知れず。その中でくにおくんシリーズは結構やりこみました。ドッジボールやサッカー、ホッケーもありましたね。RPGにもなったのは意外でしたが(何故かボス戦以外ではレベルが上がらない)。

 時代劇も懐かしい。桶に入ったり、はたまたそれを相手に被せたり、大八車でペラペラにしてみたり。あと必殺技がなくて弱っちい最初の頃はジャンプアッパーに頼ってました。「にとろあたっく」を覚えれば闘いもかなり楽になりますね。こがねむしにすれば楽勝っちゃ楽勝ですが、それだと面白くない。。。

 そのソフト達はほぼ全て神掛かっていた気がしますが、その中でも最高傑作と思われるのが「熱血行進曲 それゆけ大運動会」。「びっくり熱血新記録」も捨てがたいものの、元祖はこちら。テクノス最盛期の作品で、4人対戦が可能。今のスマブラなんか比べ物にならないくらい白熱します。

 とにかく学校終わったら友達集めて「くにおくん」がデフォでした、あの頃。

 初代仲間割れ助長ゲーム、友情ブレイカーみたいなもので、この対戦がリアルファイトに発展した方々も多いのでは。。。今ならPTAが黙っていないような作品です。

 仲間内でルールを決めることが多いのですが、それはあってないようなもの。栄養ドリンク飲むなって言うのに飲んだり、待ち伏せ禁止にしてるのにいつの間にか自分がそれを破っていたり。。。

「ハメ技無しって言ったじゃん!」
『知らねーよそんなん』

とか、「かちぬきかくとう」では

「投げるの禁止だろ!」
『あぁ?事故事故』

っていう裏切りが大体ケンカの口火ですね…。これから考えると今のゲームはぬるいぬるい。

 このゲームではキャラ個人に必殺技とか足の速さとか、武器を持った時の強さなどが細かく設定されていて「誰がどういう能力を持っているか」に精通する必要がある、というのも飽きない要素となっています。

 3人以下なら冷峰(ダミープラグ並の強さ)を原則禁止にして、4人なら1番弱い人にそのチームを選ばせてあげて対戦するのですが、こっちは幼稚園の頃からゲームで引きこもってた人間です。ちょっと齧った程度の若輩者は基本的に敵ではなく、フルボッコのターゲット。奴らは甲子園優勝チームに挑戦する茶道部か何かですね。ジョセフさんは良いこと言います。



 クロスカントリーで「もちづき」使われても1回でも殴れれば勝てます(早めに逃げられると厳しいか)。ちなみにこのクロカン、スタートして入り口に到達するまでにもはや4人で殴り合いとなり、クロカンであってクロカンでないところがまた良いんです。まさに

「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」

の王道。大体、コースにアレイとか爆弾とか置いてあるところからしてクロカンらしからぬ風情。時間切れの時の「でっででっでで♪」という効果音もgoodです。



 でもやはり、一番リアルファイトのリスクファクターになるのが「かちぬきかくとう」ではないでしょうか。4チームの中でも、「ごうだ」と「ごだい」を擁する連合チームはなかなか優秀。特にごうだの頭突きなんて相手吹っ飛ばしますから、それで場外(失格)にすることも度々。Bボタン押すだけですから使いやすいですし。ですから、逆に連合を相手にするとちょっとやりづらいのも事実。ごだい使われて画面切り替わった瞬間、木刀が眼に入ってきてしまった日にゃあ、ゼルエル出てきたのと同じ恐怖を味わいます。ごだいに木刀は、たまねぎ剣士にオニオンソードと換言できましょう。しかし残りの3人は

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…」

 恐怖に怯えながらも踏みとどまります。そしてこの時だけは一致団結して速攻で取りに行って捨てる!

「オレが行く!その隙に2人は木刀だけは捨てるんだ!」
『お前を盾には出来ない!』
「私が死んでも代わりはいるもの。。。次はいちじょうで頑張るから!」

 勝利というものは犠牲を以て成り立つのですね…。とにかくマナコに木刀が飛び込んできた瞬間、言葉には出さずとも3人全員が分かって1つの目標に向かって行動する。こういうのを阿吽の呼吸って言うんでしょう。木刀の無いごだいはタダの出目金ですからね。

「おい!速攻で木刀捨てんなよ!」

と言われようとも3対1ですし。あ、でもごだいはキックでハメ技しやすかったかしら(どうだったっけ)。。。武器を捨てるのは熱血チームの「もりもと」相手でも起こる事象ですね。

 冷峰チームは間違いなく最強です。かちぬきかくとうは「りゅういち」「りゅうじ」のダブルドラゴン本領発揮と言ったところでしょう。そろ~っと近づいても

「無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 旋風脚で相手を蹴散らす彼ら。強い奴が使ったらもぅ手に負えません。

「おま、りゅういちで何人殺してんだよ!」
『あぁ?てめぇは今まで喰ったパンの枚数覚えてんのかよ』

 でも「りゅういち」の龍神脚(飛び膝蹴り)は諸刃の剣。当たると相手をふっ飛ばして落とすことが出来ますが、操作を誤ると自分が落ちます。初心者が調子に乗ると痛い目に遭う典型例。

 花園チームの「さおとめ」で、ひっそりと遠くからオーラパンチ出して

「ちゃ~んす」

とばかりに、場外ギリで闘ってた2人をまとめて「キラッ☆」と吹っ飛ばすのも良いですね(そうなる確率は低いですが)。

「なんだよそのスタンド!」「お前とはタッグ組んでたじゃん!」
『すべてはゼーレの計画通り』

という感じになります。後は、こっそり隅に行って武器投げ拾いで点数稼いだり、指輪使って人間魚雷楽しんだりというのがありますが、長時間やると嫌われる対象に。。。



 「たまわりゲーム」は必殺技と投げ捨てのない「かちぬきかくとう」みたいなもんです。「たまわり」と言っておきながら、その実殴り合いとなります。玉を割りに行くと殺されますからね、無防備になるので。玉を割るのは勝者にのみ許された行為、ずっと勝者のターンとも言えましょう。

 全競技が終了すると、個人賞の発表。「なめてるやつでしょう(-150点)」と「とうどうグループとくべつしょう(+250点)」をダブル受賞することも良くあります。何なんでしょうね。。。


 ちなみに「びっくり熱血新記録」では、「はちゃめちゃ柔道」が最も好きでした。

「オクラホマ?外人なんてぬっ殺してやんよ!」

 くにおで蹴って気力削って組んで連打で火の玉スパイク!何とも爽快(もはや柔道ではない…)。ついでに、試合始まったらすぐに後ろに行ってメダル2枚取っておくのは当然の行為。




 あぁ、懐かしくなってきた。。。。あの頃に戻りたいですなぁ。



 もうね、知らない人は( ゚Д゚)ポカーン って感じでしょう…。
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2009
03.16

オゾンはカラダに悪い?

 オゾン層は危険な紫外線から我々を守ってくれています。現在、オゾン層破壊が大きな環境問題と化しており、テレビなどでも頻繁に取り上げられているのは周知の事実。また、エアコンなど家電では、オゾン発生装置が付いているものも多く、殺菌・消臭効果が謳われています。

 このように、オゾンは「良いもの」としての認識が強いのですが、2009年3月12日のNEJMに、こんな論文が出ていました。


Long-Term Ozone Exposure and Mortality



 実は、オゾンって身体に良くないんじゃない?という報告。以前からオゾンの健康被害は色々言われていたみたいですね。

 ちょっとその論文を眺めると…

 単一汚染物質モデル(single-pollutant models)では、PM2.5とオゾンの濃度は、どちらも心肺疾患による死亡リスク増加と関連している(PM2.5はparticles that are≦2.5µm in aerodynamic diameter:つまりSPMの中でも粒径2.5μm以下の微小粒子のこと)。

 二種汚染物質モデル(two-pollutant models)では、PM2.5は心血管系疾患による死亡リスクの増加と関連しており、オゾン濃度は呼吸器疾患による死亡リスク増加と関連している。

 オゾンによる呼吸器疾患が死亡原因とされる推定相対リスクは、オゾン濃度10 ppbあたり1.040(95%信頼区間1.010-1.067)で、この死亡相関は共役要因・統計モデルの種類補正を行っても強いものである。

 結果として、PM2.5の濃度を勘定に入れると心血管系疾患による死亡リスクとオゾンとの因果関係はつかめなかったものの、呼吸器疾患での死亡リスクはかなりの上昇が認められたよ。

となっています。これは、昨今の家電の流れに一石を投じるものではないでしょうか。

 一時はマイナスイオンがもてはやされていましたが、あんなの全く意味ないと分かれば今度はオゾン。何かとプラスアルファが好きな家電業界と我々消費者。もっと科学の眼を以て、根拠をしっかり求めていかねばならないですね。特に健康被害が生じるのであれば尚更。軽視すべきではありません。

 それを言えば化粧品のコラーゲンなんかも無駄のカタマリ。日本人はマスメディアの無知な報道も手伝ってコラーゲン信仰著しいですが、あんな巨大な分子が皮膚を通ったら恐ろしいですよ…。塗ったところで軽い保湿作用がある程度。なら口から摂ったら良いじゃん!?となりますが、コラーゲンは一度分解されると再びコラーゲンに戻りにくい性質があります。また、タンパク源としても非常にアンバランスで宜しくない。普通に偏りのない食事をするのが一番ってことです。ちなみにヒアルロン酸も良い結果が出ていません。

 もっと国民がしっかりしないと、マスメディアに踊らされるに良いだけ踊らされます。医師不足の問題だって取り上げられ始めたのがつい最近ですもん。それまでは全て「たらい回し→医者が悪い!」という単細胞的発想で医者の責任ってことになってましたし(特に毎日新聞は医者の敵!)。新聞やニュースは、そのまま鵜呑みにしないことが大事ですね。中立的なのではなく、それぞれの思想・組織に基づいて報道しているということを忘れてはいけません。
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2009
03.12

乳癌の乳房温存療法

 学生時代のもの。今にそぐわないところもあるやもです。



 乳癌の乳房温存療法について、その適応、照射法、治療成績、乳房内再発、有害事象に分けて説明する。

☆適応
 乳癌の乳房内再発率(5-20年の観察)は温存術単独群で5-44%、照射併用群2-18%とされている。放射線治療は、術後乳房内の潜在病変を制御するのが目的であり、通常断端陰性が確認された早期浸潤癌症例を対象に行われる(断端陰性、断端近接、断端陽性例の5-10年局所再発率は、それぞれ2-9%、2-17%、10-27%とされている)。このため、局所制御が困難な症例や、温存療法後の整容性が問題になる症例は良い適応ではない。非浸潤性乳管癌(DCIS)も照射の適応に含められているが、断端陰性と温存乳房内の残存石灰化がないことを確認した上で、乳房のみに絞った術後照射が勧められており、多中心性やびまん性の悪生石灰化例および4cmを超える病巣は乳房切除術の適応となる。また核異型度が低く、切除断端まで10mm以上ある症例では、術後照射を省略できる可能性がある。温存療法を希望する浸潤癌やDCIS症例のうち、妊婦、患側乳房や胸壁の放射線治療歴(ホジキン病など)、治療体位が取れない、強皮症やSLEの合併患者などは適応外とされている。

 また、リンパ節転移は癌のリンパ管侵襲があって起こるものであるが、リンパ管侵襲があまり目立たないことも多く、またリンパ節転移の所見を術前に診断することは困難である。よって、現在リンパ節転移の程度で乳房温存療法の可否は決められていない。多発病巣においては、2個の病巣が近傍に存在し、整容性と安全性が保たれれば適応外とはならない。化学療法に関しては術前治療が注目を集めており、術前に行っても術後に行うのと同様の予後が得られることが分かっている。

☆照射法
 全乳房(腺)接線2門照射を行う。治療計画には二次元治療計画(X線シミュレータ)と三次元治療計画(CTシミュレータ)がある。二次元治療計画では、乳房周囲に鉛線でマーキングを施したX線透視像からガントリー角度、コリメータ角度および臨床標的体積(CTV)を決定し、アイソセンター面とその上下各5cmのオフ・アキシス面CT画像で線量分布図を作成し、ウェッジの有無や角度を調整の上最適照射法を決定する。三次元治療計画では、触診上の乳腺組織の上・下縁、内・外側縁にカテーテルでマーキングを施し、正・側方向のスキャノグラムを撮影後に、上・下のマーキング間のCT撮影を行い、治療計画装置に転送されたCT画像に標的体積とリスク臓器(肺、心)を入力し、ビームズ・アイ・ビューで標的堆積を充分含め、リスク臓器を出来るだけ含めない矩形照射野を設定し、ウェッジなどの条件を変えた線量分布を検討のうえ、ガントリー角度やコリメータ角度を決定する。なお、いずれの方法でも乳頭と照射野前縁間距離は1.5cm程度に設定し、ボーラスは使用せず、アイソセンター面で含まれる肺の厚みが2.5-3cmを超えないよう留意する必要がある。

 乳房は乳頭から胸壁に広がる円錐形臓器であり、乳房のすぐ背側は放射線感受性の高い肺が存在する。乳房への線量分布を均等にし、肺への照射線量を出来るだけ減らす目的でウェッジ・フィルターが用いられ、傾向として浅いウェッジ角度(15度程度)は普通-大サイズの乳房の、深いウェッジ角度(30度)は小サイズの乳房の線量分布補正に有用である。

 術後化学療法を行わない症例では、放射線治療の開始時期は局所再発率の増加との関連で注目されている。メタ解析から、創部の回復後速やか(2-4週後)に放射線治療を開始するのが望ましい。

 術後化学療法が必要な症例では遠隔転移が予後因子であり、遠隔転移の抑制が局所再発の抑制に優先する。その意味から、化学療法を行うための放射線治療開始の遅れは容認されると判断される場合が多い。

 線量配分の世界的な標準は、総線量45-50.4Gy、1回線量1.8-2Gy、治療期間4.5-5.5週となっている。

 全乳房接線照射が整容性に与える影響は軽度であり、ブースト照射は短期的には整容性を下げるが、長期的には影響を与えないことが示されている。整容性で問題になる事象としては、急性反応としての発赤や腫脹、晩期反応としての皮膚萎縮や線維化、毛細血管拡張などである。

☆治療成績と乳房内再発
 早期に診断・治療すれば完治する可能性は高いが、早期乳癌であっても診断時に既に微小転移が存在している場合がある。また、分子マーカーも研究が進み、エストロゲンレセプターやHER 2などは臨床で使用されている。10年生存率は、stage Iで90%以上であるが、stageが進むごとに生存率も低下してくる(stage IVでは30%以下)。乳房切除術と乳房温存療法で遠隔再発率および生存率で差は認められない。また、乳房温存療法でも適切な適応のもとに行えば局所再発も必ずしも高くない。

 乳房温存療法後の乳房内再発には腫瘍側因子だけではなく宿主側や治療側の因子が複雑に絡み合っている。宿主側の危険因子としては年齢が挙げられる。腫瘍側としては腫瘍径、リンパ節転移、リンパ管侵襲、EIC(腫瘍内に25%以上の乳管内成分があり、腫瘍外に乳管内進展が認められること)、核異型度、多発などの危険因子があり、治療側としては切除断端陽性、放射線非照射、補助療法非施行がある。

 切除断端が陽性の場合、施設によって方法は異なる。多くは追加切除を行い、その後永久標本で最終的に断端陰性であれば50Gyの放射線療法を行う。乳管内進展で限局的に切除断端陽性の場合は、放射線療法(50Gy+ブースト照射)を行う。陽性部分が多数切片に及ぶ場合、乳管内成分が断端に露出している場合や浸潤部で陽性の場合は原則に追加切除を行う。

 多発癌の場合、切除断端を陰性に出来れば局所コントロールは良好であるが、乳腺の切除量が増えると美容的な問題が生じる。切除範囲と美容両者の兼ね合いで、乳房温存療法を決定すべきである。

 乳房内再発は、正確に分類することは困難であるが、出来るだけNP(New Primary:二次癌)とTR(True Recurrence:真の再発)に分類することが望ましい。一般的にNPに関しては、原発性乳癌と同様に治療を行ってよいと考えられる。腫瘍が限局していれば再乳房温存手術も可能である。全身病の1症状としての乳房内再発では後に遠隔転移をきたすことが多いので、有効と考えられる化学療法を行い、局所制御のために乳房切除術を行う。遺残癌からの再発では、全身病としての危険が高ければ、乳房切除と強力な化学療法を行う必要があり、局所病としての可能性が高ければ、病変の範囲によっては乳房温存手術も可能と考えられている。

☆有害事象
 乳腺には生命維持に関わる機能がないため、乳腺照射によって重篤な障害を引き起こすことはない。ただ照射によって導管萎縮、乳汁分泌障害が起こるので、将来出産を希望する若年患者ではその点を十分説明する必要がある。以下に代表的な障害を記す。

 放射線皮膚障害:数-48時間後に、急性炎症反により紅斑が起こることがある(線量閾値2Gy)。数日経つと基底細胞の死による炎症反応からも紅斑が起こる(線量閾値10Gy)。3-6週経過すると乾性落屑、4-6週で湿性落屑が発生する(それぞれ線量閾値18, 20Gy)。放射線皮膚炎はほとんどが2度までにとどまる。皮膚障害を増悪させる要素は皮膚の皺と摩擦による機械刺激で、肥満患者の皺の部分、大きな乳房のinflamammary fold、腋窩などは3度になることもある。これらの障害に対する治療であるが、冷罨法には予防的効果はないため、症状があるときのみ行う。冷罨法にて症状が緩和しない時は、トプシムスプレーを使用することがある。軟膏は直接皮膚に塗ると刺激となるため、リント布や繊維が柔らくなった再生ガーゼなどを使用する。軟膏は使用量を多くする。少ないとリント布やガーゼが軟膏を吸収し、患部に吸着して皮膚剥離の原因となるためである。また、患部に貼る際は皺にならないよう、テープなどはできるだけ貼らないか必要最小限とし、包帯・スカーフ、下着(胸帯)などで工夫して固定する。軟膏使用は照射後・入浴後・就寝前など、1日1-2回を目安とするべきである。放射線照射前には、拭き取ると皮膚を擦ることで刺激となり、症状が悪化する場合があるため、必ず軟膏をやさしく洗い流して取り除く。また、軟膏を皮膚につけたまま治療を受けると、線量が増加して皮膚炎を発症・悪化させる原因となる。さらに、照射目標に使用しているマーキングは軟膏により消えてしまうことがあるため、使用時には注意が必要である。これらの皮膚障害は照射終了後1-3ヶ月で回復する。晩期障害としては治療後に色素沈着、皮膚萎縮、毛細血管拡張などが起こることがあり、これらは難治性である。

 患側上肢浮腫:腋窩リンパ節郭清術の程度や郭清レベル、更には腋窩照射の範囲や線量が複合的に作用する。充分な腋窩郭清後の照射は不要な場合が多く、三次元治療計画の普及とも相まって、今後患側上肢の浮腫は減少するものと思われる。

 放射線肺臓炎および肺線維症:照射される肺容積と化学療法の内容や併用時期で異なる。照射野内の線維化にとどまれば臨床上問題となることはない。しかし約1%ではあるが、照射後6ヶ月以内に器質化肺炎を伴うBOOP様の肺炎を見ることがある。

 その他:心臓に関して、心筋は比較的放射線抵抗性であるが、冠動脈障害、心外膜炎などの晩期障害が時に見られる。腕神経叢症も50Gy程度の線量であればほとんどない。放射線による2次発癌も稀で、照射乳房における血管肉腫の報告が散見されるのみである。


☆参考文献
乳房温存療法ガイドライン〈医療者向け〉p12-14、p27-36
乳癌治療のコツと落とし穴 p196-203
よくわかる乳癌のすべて p246-254、p391-394
放射線治療学 改訂3版 p172-180
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2009
03.12

MDCTとSDCTの相違点

 MDCTとSDCTとの違いを少し学生時代に勉強しましたが、はっきり言って全く理解できません。CT考えたヒトおかしいって。。。

 とゆーか、これが元文系の限界なのか…。


 検出器:検出器は体軸方向にシングルスライスCT(SDCT)では1列であるが、マルチスライスCT(MDCT)では多数列となっている。これにより1回のスキャンで多数の画像を得ることが可能となった。また、MDCTを表現するときに「4列」や「64列」などとしているが、列数は検出器の列のことを指しているのではなく、検出器の電流を増幅し、デジタルデータに変換する(A/D変換)Dagital Aquisition System(DAS)の数のことを表現している。

 スライス厚:撮影後に任意にスライス厚を選択することが可能なため、スクリーニングと精査が同時に行える利点がある。また、充分に薄くなったスライス厚は、CT画像を3次元的に捉えることをも可能とした。1度の撮影で得られたすべての画素を、CT値(X線吸収の程度。組織のX線減弱係数の値を、水を基準として表したもの。水を基準の0として骨を1000とし、その間の比重とCT値が直線関係となるように設定されたもの)の3次元行列として捉えるのである。この3次元上のピクセルのことを、特に3次元であることを強調してボクセルvoxel と呼ぶ(volume pixelに由来する)。CT画像のx,y平面での分解能は0.35~0.4mm程度であり、実運用上ではほぼ再構成FOV(水平断での円形撮影範囲)に依存する。また z軸方向の分解能は収集スライス厚で決定されるため、0.5mmスライスを使用することによりx,y,zのどの方向にもほぼ等しい分解能をもつisotropic(等方向性)データを得ることが可能となる。このような撮影条件で収集されたデータを用いれば冠状断、矢状断等でデータを切り出してもアキシャル画像と変わらない分解能をもつ画像として取り出すことができる。任意の方向に十分な解像度を持った3次元のボクセルデータが取得できるようになり、それを記憶・処理できるメモリや処理装置も非常に安価となったため、MPRや心臓CTなどの様々なCTの観察方法が利用されている。

 長軸方向の分解能:MDCTは長軸方向に複数の検出器を有しており、この方向の分解能はスライス厚の評価として一般的に解釈される。MDCTでは1回の回転にて複数のきわめて薄い断層画像が得られる為、従来のSDCTに比べ、長軸方向の分解能が飛躍的に向上した。

 速度の上昇:CTの撮像では、画質を保ちつつ撮像時間をいかに短縮するかが重要となる。すなわち、短時間で多量のデータ収集ができればよいことになる。MDCTの主な特徴は、検出器の改良や任意のヘリカルピッチ(スキャン時の螺旋の単位長さ当たりの巻き数によって、生成される画像の画質は異なる。これを示す指標をヘリカルピッチという)の選択などによる広範囲を高速度かつ高い分解能で撮像することが可能となったことである。ヘリカルスキャンの速度を示すヘリカルピッチは、管球1回転あたりのテーブル移動距離をX線ビームのコリメーション(スライス厚)で割った値に定義されており、SDCTでは通常の撮像で2前後が上限であった。広い範囲を撮像する場合にはヘリカルピッチを1.5~2程度と大きく設定する必要があった。しかしながら、ヘリカルピッチを拡げれば実効スライス厚が増し、それに伴い体軸方向にデータ補間する範囲が広くなり画質が低下した。従って、臨床上使用できるヘリカルピッチには限界があったが、MDCTでは画質を保ちつつ適切なヘリカルピッチの値を任意に選択することが可能である。MDCTにおいては複数列のうち1列分の幅(コリメーション幅)と1回転辺りの寝台移動距離の比をとってピッチ(ヘリカルピッチ)とする方法と、同時収集する合計の列幅(ビーム幅)に対して寝台移動距離の比をとる方法がある。後者はビームピッチとして区別されることが多い。
Beam pitch=寝台移動距離/ビーム幅
従来のpitchに相当するpitchとして(ヘリカルピッチ)=寝台移動距離/コリメーション幅
従って、Pitch=Beam pitch×列数 であり(ビーム幅/コリメーション幅=列数)、
寝台移動距離/回転=Beam pitch×コリメーション×列数 となる(コリメーション×回転=コリメーション幅)。
よって、列数に応じて確実に速くなることが分かる。

 ヘリカルスキャン:クラスタスキャンではテーブルが1スライス分移動して止まり、そこで撮影が行われ、またテーブルが移動するという作業を繰り返すため、全体の撮影に時間がかかる。そして腹部では何回も息止めしなくてはならない欠点がある。対してヘリカルスキャンではテーブルが定速度で動いている間に管球がその周りを連続回転し情報を収集するため、体のまわりをX線がらせん状にスキャンしていくことになる。これにより一回の息止めで上腹部全体をカバーすることができる(例えば動脈相、静脈相といった限られた時間内の撮影をすることも可能)。また、得られる情報が切れ目のないデータであるために、それをもとに3次元画像が作れるという点も挙げられる。データ処理アルゴリズムが複雑となるが、現在のコンピュータではほぼ問題にならない。ただし骨周辺などではヘリカルアーチファクトと呼ばれる特有のノイズが出ることがあり、息止めを必要としない頭部の撮影などでは、従来通りの1スライス毎に寝台を移動させる方式も併用されている。

 解像度:解像度とは、ノイズの影響のない状態でどこまで小さな物体を分離して識別できるかを指す。十分なコントラストの物体の分解能とも言える。CTの場合、線量はノイズに大きく影響すし、ディテクタサイズとビュー数は解像度(分解能)に影響するということを基本とする。しかし、実際は再構成関数と後処理もノイズと解像度に影響する。よって,幅広く対応するために高コントラスト分解能と低コントラスト分解能が定義された。高コントラスト分解能とは、高コントラストな物体に対する分解能であり、ノイズの影響がない場合の分解能=解像度といえる。用途としては、装置の限界の解像度を見る、再構成関数の特性を見るといったことが挙げられる。ちなみに、低コントラスト分解能とは低コントラストな物体に対する分解能を示し、ノイズの影響を見る=ノイズを測る。用途としては装置のノイズ特性(感度)を見る、再構成関数の影響を見るなどがある。

 再構成:再構成とは計測データから数学的方法によって断面を復元することであり、X線CTでは線減弱係数分布を反映した画像が得られる。その元となるデータは、物体に360度から照射したX線がそれぞれどの程度吸収されたかの度合いである。物体内部は部位ごとにX線の吸収率が違うため、そこを通過してきたX線の量は吸収率を合計したもの(の指数)に等しい。そこで、1断面を格子状に分割し、各部位の吸収率を未知数とし、その合計が実際の吸収量と等しくなるように連立方程式を立て、これを解く。CTの画像再構成は、その基本定理からスライス面における円軌道全周方向からのX線投影データが必要である。ヘリカルスキャンはらせん状にボリュームデータを得る方法であり、体軸に直交する断面を得るために必要なデータは一点しか存在しないため、その他の管球位置のデータを補間により求める必要がある。ヘリカルスキャンによって得られたデータを補間なしで再構成すると、データの始点と終点が一致しないため動きによるアーチファクトが生ずる。

 MPR(任意断面再構成):3次元の等方性ボクセルデータが入手できるようになり、CTだからといって「輪切り」で体内構造を観察しないといけない必然性がなくなったため、対象物の任意の方向の断面を再構成して表示することが可能となった。細かい血管の走行や腫瘍の進展などについては1断面のみからでは把握しづらいため、MPRは診断に大きく寄与した。コンピュータ上で良好な3次元画像を得るには、もとのデータの分解能が高いこと、データの連続性が良いこと、画像のSN比が高いこと(ノイズが少ないこと)、の3点が重要である。そのためには、適切なスライス厚と再構成間隔を選択することがポイントである。実際の臨床において一定の時間で撮像する場合、スライス厚を薄くして高いピッチで撮るか、スライス厚を厚くして低いピッチで撮るかの選択が必要である。この場合、対象とする構造よりも必ず薄いスライス厚で撮像することが重要である。その後に撮像範囲でピッチを考えるとよい。画像の分解能は明らかにスライス厚を薄くして高いピッチで撮った方が高いが、アーチファクトは強く現れる。そのため、いたずらに薄くするのではなく、目的とする対象の大きさ、周囲とのコントラストで撮像パラメータを変える必要がある。
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2009
03.10

太っ腹だよマリンピア

 『新潟情報』という名のローカル極まりないフリーペーパー。

 その3月4日号にて、、、




(  Д ) ゚ ゚



 サンショウウオが5名様に!?



キタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!





 井伏鱒二の時代が遂に!と思ったら、、、




 あ、マリンピア日本海の入館券だったのね。。。


 応募方法を一瞬探した自分が哀しい…。

 ま、サンショウウオ当たっても困るっちゃ困るんですが。。。
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2009
03.08

パーキンソン病について

 今回は、みんな大好き神経内科。パーキンソン病全体と、一部の患者さんに見られるcamptocormiaについてです。学生時代にまとめたので古い部分もありますが。。。


☆発症の原因
 パーキンソン病は黒質変性を主病変とするが、嗅球、背側運動核、青斑核、縫線核、Meynert基底核、脚橋核、扁桃核、大脳皮質など広範な病変を有する症例が増え、多彩な非運動症状を来す症例が増加している。病因として、種々の環境因子の関与と遺伝的素因との絡まりが考えられており、遺伝的素因ではα-シヌクレインの遺伝子SNPが発症の危険因子になる。発症メカニズムとして、ミトコンドリア呼吸障害と酸化的障害が、蛋白のmisfolding・凝集、プロテアソ-ム機能障害などを来たし、アポトーシスや軸索輸送の障害で徐々に変性が進行すると考えられている。

☆病理など
 黒質緻密層、青斑核、迷走神経背側核で神経脱落が必ず見られる。黒質緻密層は神経伝達物質であるドパミンを産生する。青斑核は神経伝達物質ノルアドレナリンを産生しその線維は大脳皮質,小腦,脊髄などに広範に投射する。迷走神経背側核は自律神経である副交感神経の内臓を支配する線維や咽頭、喉頭の運動を行う線維を出している。

 また、それらに加えMeynert基底核に必ずといっていいほどLewy小体が出現している。他にも視床下部、縫線核、中脳中心灰白質、動眼神経核、網様体、自律神経の交感神経節細胞にも認められる頻度が高い。このLewy小体は大脳皮質にもしばしば見られ、徳に痴呆を伴ったParkinson病ではその頻度が高く、Lewy小体型痴呆とも言われている。Lewy小体の構成成分としては、ユビキチンとα-シヌクレインが有力であり、後者は特に注目されている。α-シヌクレインは、MSAなど他の変性疾患にも認められることから、それが病態機序の中心的役割を担っているのではないかとの考えが生まれ、synucleinopathies(Parkinson’s disease, dementia with Lewy bodies, MSA, neuronal brain iron accumulation type I, pure autonomic failure, REM sleep behavior disorder)という概念が提唱されている。α-シヌクレインは、発現増加によって普遍的に細胞毒性を示すわけではないが、黒質神経細胞はα-シヌクレインに対し脆弱性を持つことが示唆されている(α-シヌクレインはドパミン代謝を制御している可能性が高い)。

☆症状の進展
 初期:嗅覚異常、RBD(REM sleep behavior disorder)が以下に挙げる症状に先行して現れることがある。RBDが起こる原因としては不明な点が多いが、RBDを青斑核機能不全とREMの発現機構不全とが関連しているとする報告もあることから、synucleinopathiesでは青斑核の障害がRBDの原因となる可能性も考えられる。

 有名なものには、一側の上肢もしくは下肢に始まる静止時振戦(pill-rolling)や筋固縮(cog-wheel rigidity)があり、これらは逆N字型に進展する。他には無動(masklike face, 小字症、構音障害など)、akinesiaと、それに伴う歩行障害が初期に見られる主な症状である。

 進行期:認知症・精神症状(認知症が約20%, うつ症状が約40%に見られる)、姿勢反射障害(すくみ足、加速歩行など)、自律神経障害(便秘、起立性低血圧など)、dyskinesia、wearing off現象、on and off現象(dyskinesiaは抗パーキンソン病薬の服用に伴って起きる不随意運動の総称で、自分の意志に関わりなく身体が動いてしまう症状。wearing off現象とはL-Dopa の薬効持続時間が短縮し、効果が出て1-2時間しか持続しなくなり症状の日内変動が出現する。ドパミン系神経細胞の変性が進行し、ドパミンの保持能力が低下したために起こる。on and off現象は、薬剤の服用時間に関係がなく突然スイッチが切れたように症状が増悪したり、またスイッチが入ったように突然回復したりすること)、Camptocormia(歩行時または長時間起立時に悪化することがあり、臥位では完全に消失する胸腰椎の極度の前屈。初期に始まることもあるが、多くは進行期に現れる)などが見られてくる。

☆camptocormiaについて
・定義:歩行時または長時間起立時に悪化することがあり、臥位では完全に消失する胸腰椎の極度の前屈。
・臥位になる、両手を壁につける、片足を椅子に乗せる、といったことで腰が伸びてしまうことから、椎骨や椎間板(つまり脊柱そのもの)に問題は無いと考えられる。
・onやoffで腰曲がりの度合いが変化する例があるため、純粋に腰の問題というよりは中枢が関与している可能性が高い。DBSが一部の症例で有効であったこともこれを支持している 1)。
・身体的及び感情的ストレスを受けた場合も悪化する症例が存在することからも、中枢の関与が疑われる。
・レボドパ関連の運動症状に日内変動が見られる患者では、offでのジストニア症状が腰曲がりとなっていることも考えられる 2)。
・腹直筋へのボツリヌス毒素注射で改善する例もあることから、腹直筋の異常収縮が関与している症例も存在することが考えられる。腹直筋や脊柱起立筋といった、脊柱を屈曲や伸展させる筋にミオパシー性変化を認めた報告もあるが、それは原因としてではなくむしろ非特異的な付帯徴候や、関与する筋が異常に屈曲したり伸展したりする「wear and tear」の結果とする考えもある 3)。
・姿勢を維持するCNS機序は明らかではないが、その中の直立姿勢を維持する部位に異常が発生し(尾状核や淡蒼球など)、姿勢保持障害が生じている可能性がある 3)。特に淡蒼球に関しては、両側淡蒼球を破壊したサルでは前屈姿勢が顕著で、pallidal postureと呼ばれる姿勢をとることが分かっている。
・極度の前屈姿勢にもかかわらず、camptocormiaはほとんどの患者で痛みを伴っていない。姿勢保持障害から、中枢が前屈状態を標準(一般での直立)と誤認してしまうからであろうか。
・PSP(進行性核上性麻痺)ではantisaccade paradigm(向かい合った相手が指を左右どちらかに動かしたら、それと逆の方向を見る)に障害をきたすということが報告されているが、camptocormiaを伴うパーキンソン病患者にも高頻度に認められるという点から、基底核と脳幹の両者で非ドパミン作動性神経の機能不全が生じている可能性もある 4)。L-Dopa不応例は、この変化が強く出ているのかもしれない。

 様々な切り口から考えられているが、全患者のcamptocormiaを一元的に説明できる機序は考えづらく、これは症候群的な要素を孕んでいると思われる。

☆オマケ~よく使われる薬剤の作用機序と副作用~
 総論として、基本的にパーキンソン病ではドパミン減少と、それによるコリンの相対的上昇がみられる。よって、治療戦略としては「ドパミンを増やす」か「コリンを下げる」というのが柱となる。

アーテン~トリヘキシフェニジル
 抗コリン作用で、中枢のドパミン・コリンのバランスを整える。振戦、筋強剛、無動などの神経症状に対し改善が認められている。
 副作用:悪性症候群、幻覚・錯乱・せん妄、緑内障、口渇、眼調節障害、見当識障害、神経過敏、運動失調、めまい、悪心・嘔吐、排尿困難、心悸亢進、発疹など
 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、重症筋無力症の患者(抗コリン作用で症状増悪)、緑内障の患者

マドパー(ECドパール)~レボドパ・ベンセラジド
 レボドパはBBBを通過して脳内に入り、ドパ脱炭酸酵素により脱炭酸されてドパミンとなる。ベンセラジドは脳外においてドパ脱炭酸酵素の作用を阻害する。よってレボドパとベンセラジドを付加することで、血中のカテコラミンは減少しレボドパ濃度が上昇する。脳内へのレボドパ移行量が高まり、脳内ドパミン量は増大する。
 副作用:悪性症候群、幻覚・抑うつ、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、血球減少、突発性睡眠、不随意運動、発疹、肝酵素上昇、尿や汗の黒色着色など
 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、閉塞隅角緑内障の患者(眼圧上昇による)、MAOI投与中の患者(カテコラミン代謝が阻害され濃度上昇。レボドパは一部カテコラミンに代謝されるため、併用によりカテコラミン蓄積で血圧上昇)

シンメトレル~アマンタジン
 ドパミンの放出促進作用・再取り込み抑制作用・合成促進作用が認められている。
 副作用:悪性症候群、Stevens-Johnson syndrome・TEN、角膜炎、心不全、意識障害、肝機能障害、腎障害、消化器症状、精神症状、起立性低血圧、網状皮斑など
 禁忌:透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者(蓄積により意識障害、精神症状、痙攣、ミオクローヌスなど)、妊婦または妊娠している可能性のある女性・授乳婦、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

エフピー~塩酸セレギリン
 MAO-B選択的阻害効果、MTPTによる神経変性の抑制作用。
 副作用:せん妄・幻覚・錯乱、狭心症、悪性症候群、低血糖、胃潰瘍、不随意運動、消化器症状、発疹、起立性低血圧など
 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、塩酸ぺチジンを投与中の患者、MAOI投与中の患者(高度の起立性低血圧)、統合失調症またはその既往歴のある患者(精神症状の悪化)、覚せい剤、コカインなどの中枢興奮薬の依存またはその既往歴のある患者、三環系抗うつ薬を投与中あるいは中止後14日間の患者、SSRIやSNRI投与中の患者

カバサール~カベルゴリン(麦角系アルカロイド)
 持続的なD2受容体刺激作用を有する。
 副作用:幻覚・妄想・せん妄、悪性症候群、間質性肺炎、胸膜炎・胸水・胸膜線維症・肺線維症・心嚢液貯留、心臓弁膜症、後腹膜線維症、突発的睡眠、肝機能障害、狭心症、消化器症状、血球減少、起立性低血圧、CK上昇など
 禁忌:麦角製剤に対し過敏症の既往歴のある患者、心エコー検査により心臓弁尖肥厚・心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄などの心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者、妊娠高血圧症候群の患者、産褥期高血圧の患者

ペルマックス~ペルゴリド(麦角系アルカロイド)
 線条体におけるシナプス後ドパミン受容体を直接刺激する。
 副作用:悪性症候群、間質性肺炎、胸膜炎・胸水・胸膜線維症・肺線維症、心臓弁膜症、後腹膜線維症、突発的睡眠、幻覚・妄想・せん妄、腸閉塞、意識障害、肝機能障害、発疹、ジスキネジア、レイノー現象、腎機能障害、誤嚥性肺炎、発熱、CK上昇など
 禁忌:麦角製剤に対し過敏症の既往歴のある患者、心エコー検査により心臓弁尖肥厚・心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄などの心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者

ビ・シフロール~プラミペキソール(非麦角系アルカロイド)
 MPTP誘発症状改善作用、D2受容体に対する親和性
 副作用:突発的睡眠、幻覚・妄想・せん妄、悪性症候群、CK上昇、ジスキネジア、めまい、口内乾燥、食欲不振、消化器症状など
 禁忌:妊婦または妊娠している可能性のある女性、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
*麦角系アルカロイドによる治療で弁膜症を発症することがあるため、非麦角製剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる患者のみに投与するべきである。従って、麦角系アルカロイド投与中は十分な観察(身体所見、X線、心エコー、CT 等)を適宜行うことが望ましい。

コムタン~エンタカポン
 末梢COMT阻害薬であり、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・塩酸ベンセラジドと併用される。レボドパから3-OMDの代謝経路を阻害することでレボドパの生物学的利用率を増大させ、血中レボドパの脳内移行を効率化する。
 副作用:悪性症候群、横紋筋融解症、突発的睡眠、幻覚・錯乱、肝機能障害、皮疹、失神、回転性めまい、ジスキネジア、消化器症状、貧血、着色尿(赤褐色)など
 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、悪性症候群・横紋筋融解症またはこれらの既往歴のある患者

 最近注目されている副作用~Dopamine dysregulation syndrome:パーキンソン病の過剰なドパミン置換療法は、報酬系の機能不全をきたすことがあり、Dopamine dysregulation syndromeといわれている。これはL-dopaへの中毒、そして衝動調節系に関連した行動障害として考えられており、具体的なものには性欲亢進、病的賭博、目的もなく長い距離を歩く、食欲の変化、社会的孤立、衝動買いなどの情動障害が挙げられる。若年発症の男性患者に多いことも特徴である。


☆参考文献
1) Fukaya C, Otaka T, Obuchi T, Kano T, Nagaoka T, Kobayashi K, Oshima H, Yamamoto T, Katayama Y. Pallidal high-frequency deep brain stimulation for camptocormia: an experience of three cases. Acta Neurochir Suppl. 2006;99:25-8.
2) Ho B, Prakash R, Morgan JC, Sethi KD. A case of levodopa-responsive camptocormia associated with advanced Parkinson's disease. Nat Clin Pract Neurol. 2007 Sep;3(9):526-30.
3) 山本光利 パーキンソン病-臨床の諸問題 2006 Mar:111-116
4) Bloch F, Houeto JL, Tezenas du Montcel S, Bonneville F, Etchepare F, Welter ML, Rivaud-Pechoux S, Hahn-Barma V, Maisonobe T, Behar C, Lazennec JY, Kurys E, Arnulf I, Bonnet AM, Agid Y. Parkinson's disease with camptocormia. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2006 Nov;77(11):1223-8. Epub 2006 Jun 5.
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2009
03.05

英語での勉強は学生にとってプラス?

Category: ★本のお話
 以前、コメントで「英語で勉強するのってどうよ?」という質問を頂いたので、自分なりの考えですがちょっとまとめてみました。



 医学部は他学部と異なり、指定教科書なるものが殆ど存在しません。中にはご自分で書かれた本を指定にする先生もいらっしゃることにはいらっしゃいますが、それは例外。

 そんなこんなで、学生は本屋にくり出して教科書を探す、ということに。とは言っても、先輩の助言などから大体買うものは皆同じになる傾向があります。新潟大では基礎医学なら「組織学は”入門組織学”だ!生化学は”シンプル生化学”だ!」臨床医学なら「とりあえず”ステップ”買っとけ!マイナーは”100%”でも良いぞ!100%すら面倒なら”レビューブック マイナー”で凌げ!」といった感じ。

 でも、ほんの少し洋書を使うのも面白いです。英語というだけで5mほど後ずさりする人もいますが、どうせ臨床の場に出たら読む論文は多くが英語なんだし、そういう世界を覗いてみるのも良いかも知れません。学生の中には、臨床留学のためのUSMLE受験を考えて洋書を読んでおくという人もいますね。自分はその気ナシですが。

 しかし、読むには洋書の利点と欠点を理解しておく必要もあります。利点は…

☆利点
1. 安い
2. アップデートが早い
3. 普通の記述なのに内容が深いような気がしてならなくなる(これは利点か?)
4. 医学英語の勉強になる
5. 英語の方が理解しやすい時もたまにある

 1.に関しては、医学書の和書の中には、洋書を訳したものが当然ながらあります。当然、訳すという作業が入る分、原書よりも高くなる傾向に。最大で2倍強になることも。

 2.では、洋書の方がこまめに改訂を行うという理由が挙げられます。ですが、最近はネットの威力がすさまじく、2次文献である”UpToDate”を筆頭に、あっという間に最新情報が手に入る時代。しかも学生という身分では、最新情報よりも基礎となる情報を重視すべきでしょうから、そんなに利点とは言えないのかもしれません。でも、分野にも依りますが、20年以上も改訂されてない本はあんまり使う気になれません…。

 次に3.ですが、これは「英語で書かれるとなんか説得力が…」という、どーしょもない理由。でも表現の上手さは確かにあり、とある眼科の本で球後視神経炎のことを
“The patient sees nothing, and the doctor sees nothing”
と脱帽するようなセンスでまとめていました(患者さんは視神経に炎症が起こって眼が見えない。医者は眼底検査をしても何も異常所見が見えない。このことを指しています)。

 4.ですが、これはそのまんま。最初は知らないことばかりで時間がかかりますが、覚えていくうちに読めるようになるのはどの世界も同じですね。

 さて5.です。これは和訳では往々にしてあることでして。訳者のセンスの無さからいかにも『訳しました!』っていうコテコテ感が溢れ出ている本が結構あります。”ロビンス基礎病理学”や”カラー生化学”、”聞く技術”などは、日本語を読んでてストレスが溜まります。「~ということをこれらの事実は証明するだろう」とかいう、不自然な日本語が多い。。。かといって、原書が訳書よりも絶対的に素晴らしいかと言えばそうでもありません。ワシントンマニュアルサバイバルガイドの”小児科”など、見事なまでの訳注が付けられているものもあるため、そこは読み比べ。訳注も多すぎたら原著の邪魔をしてしまいますが。。。

 次に欠点を。

☆欠点
1. 読むのに時間がかかる
2. 洋書読むってだけで「頭が良い」と思われがち
3. 頑張って読んだのに少し経ったら和訳されたのが出版される
4. たまに和訳の方が安い時がある
5. 疫学、治療法などが日本と異なる

 まず1.について。これはもはや宿命としか言いようの無いこと。自分は最初に買った洋書が”Basic Histology”という組織学の本だったのですが、今パラパラめくると「こんな単語もいちいち調べてたのか…」と恥ずかしくなります…/// 最初は分からない単語だらけなので、どうしても調べるのに時間がかかってしまうんですよね。ガマンしかないです、こればっかりは。

 2.は大変です。こちとら好きな科目以外はボディがら空きでリバーブロー何発も喰らうくらいの知識の無さなのですが…。だから妙な体裁のため試験で落とすわけには行かなくなります。良いプレッシャーにはなったのかも。。。

 3.は無情の一言。見つけた時の茫然自失はもう味わいたくありません。

 4.ですが、これは今でも不明。何故なんでしょう???

 5.は臨床の本でのことですが、当然と言えば当然。所変われば品変わると言いますし。特に感染症の分野では耐性菌事情、抗菌薬の選択などかなり異なりますね。

 これら利点欠点を踏まえた上で、洋書入門のための読み方を自分なりに呈示してみます。

1. 日本語でまずその科目を勉強しよう!
→これによって、おおまかな枠組みが頭の中にできます。前提知識があるのと無いのとでは、読むスピードが段違い。
2. 読むなら薄めで、かつ評価の高い洋書にしよう!
→厚い本は挫折しがち…。薄い本でも「洋書を通読した!」っていう気分になれば誰でも嬉しい。また、洋書だからといって全てが良い本ではありません。中には和書の方が優れているものもありますし。洋書礼賛主義のヒトがたまにいますが、それはどうかと。
3. 何でもかんでも洋書、はダメ!
→はっきり言ってそんな時間はありません。まずは好きな科目の洋書を1冊買って読んでみることにしましょう。好きな分野なら途中で投げ出す可能性が低くなります。そして科目が違えば出てくる医学英語もガラッと変わります。それをまた覚えなければいけないので、消耗します。
4. 和訳を参考にしよう!
→図書館に和訳した方を入れてもらいましょう。原書を読んで分からなければ、訳書を図書館から借りて読む。

 以上のように勉強していけば、洋書も怖くない、はず。。。文法は受験時代のモノよりも簡単なので心配する必要はありません。

 先生方は「洋書読め!」と言いますが、やはりこちらとしては楽をしたい・要領良くこなしたいと言うのも事実。良い訳書があったら無理して原書に当たる必要はないと思います(これはかの夏目漱石先生も仰っていましたね)。医学英語を覚えるメリットより、手が回らなくなって試験に落ちる恐怖の方が学生として大きいのも事実ですから。

 ということで参考までに基礎医学でオススメできる入門用の洋書は…

How the Immune System Works
 これは150ページほどの薄さで、入門にはうってつけです。日本語で軽く学んでいれば理解できる内容。

“Lippincott's Illustrated Reviews”シリーズ
 ちょっと厚め。生化学薬理学免疫学微生物学が出ており、この中では前2者の人気が高いようです。自分は生化学を読みましたが、分かりやすいですし英語も難しくなくオススメ。薬理学は、詳しさと言う点では和書の”NEW薬理学”の方が圧倒的な優位に立っています。ですからご自身の大学での薬理学の難易度に依るかもしれません。このシリーズは今出ている全てが和訳されています。ちなみに、2009年の4月に生理学が加わることが判明。

Clinical Microbiology Made Ridiculously Simple
 言わずと知れた” Made Ridiculously Simple”シリーズの微生物学。下手でバカバカしいイラストが特徴的で、文章表現もまさにこのタイトルに相違ないものとなっています。イラストが売りなのですが、自分はこのヘッタクソな絵を見てると「直したい…」という欲求に駆られてしまいます。ということで生理的に受け付けませんでした。合う人と合わない人がいるようですね…。これも訳書が出ていますが、原書で学んだ方が表現を楽しめると思います。

Clinical Neuroanatomy Made Ridiculously Simple
 上のシリーズから神経解剖。100ページくらいしかないのでこれは洋書入門にうってつけですね。日本のアマゾンでは2007年の最新版を扱っていないのが不思議…。自分は2年の頃にコレを読んで、神経解剖って面白いねと感心したものです。でもこの本、訳書の方が安いという妙な事態(原書に付いているCD-ROMが無いということもあるでしょうが)。新しい版のモノが"たのしく読めて、すぐわかる 臨床神経解剖"として和訳されたのが出まして、この前買ってしまいました。内容は殆ど変わっていませんでしたが、やっぱり面白いですよ。後日レビューします。

 こんな感じでしょうか。特に”How the Immune System Works”と “Clinical Neuroanatomy Made Ridiculously Simple”は非常に薄いので良いかと思います。

 でも洋書を読むには日本語での前提知識を付けておくのと、後は医学辞典(ステッドマンなど)が必須です。


 確かに洋書は非効率的。だからこそ、その欠点を理解して少しづつ分かりやすい本から切り崩していくのが良い戦術かと思います。

 つまり、使い方を間違えなければプラスになる!ということでしょうか。

 ちなみに今自分が洋書で主に読んでいるのは…

Tierney先生の”THE PATIENT HISTORY ”
McGee先生の”Evidence Based Physical Diagnosis 2nd edition”

 この2冊。病歴と身体所見はやっぱり大事。でも画像が苦手なのは相変わらずですね…。

 ”THE PATIENT HISTORY ”は和訳が”聞く技術”として出ていますが、訳がイマイチすっきりしていないので原書をオススメします。”Evidence Based Physical Diagnosis”は、初版が和訳されています。こういうエビデンス集は新しい方が良いので、もし買うのであれば2版を。

 どちらも表紙が青いですが、これは偶然?でも医学書って青っぽいのが多いかな。。。








註:リンクは2009年3月5日時点での、Amazon.co.jpでの最新情報です(自分が調べた範囲で)。このページをご覧になる時期によっては、既に新しい版が出てしまっていてリンク先の本の版が最新ではない可能性もあります。ご注意下さい。
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2009
03.03

プロカルシトニンはプライマリで価値あり?

 プロカルシトニンが最近注目されています。

 感染において上昇する炎症マーカーの1つでして、汎用(乱用?)されているCRPよりも感度・特異度が高くなっているとのこと。

 Infectious Disease Clinics of North Americaのものを引っ張り出してみましょう。

 細菌感染と非感染性疾患の鑑別では

プロカルシトニン:感度88%、特異度81%
CRP:感度67%、特異度67%

 CRPのヘタレさが出ていますね。。。感度も特異度も7割行かないなんて…。

 細菌感染とウイルス感染では、

プロカルシトニン:感度92%、特異度73%
CRP:感度86%、特異度70%

 特異度では両者とも似たり寄ったりといたところでしょうか。

 この結果からも、プロカルシトニンの方がCRPよりも使えそうだな、という感じがします。ただ色々調べたら、文献によって感度と特異度にバラツキがありました。これは結構プロカルシトニンに肯定的な部類。

 また、プロカルシトニンは感染症の重症度に相関関係があるので、感染の状況を追えるというのも強み(CRPでは裏切られますね…)。ステロイドなどにも左右されないらしいですし。

 そして、上手く利用すると誤った抗菌薬使用を避けられるのでは?と注目の的。Archives of Internal Medicineからの論文(2008年)ですが、プライマリケアでの急性気道感染症で、このプロカルシトニンを使って抗菌薬の使用を減らせないか?という研究がスイスからありました。


Procalcitonin-Guided Antibiotic Use vs a Standard Approach for Acute Respiratory Tract Infections in Primary Care


 カットオフを2.5μg/Lにして、これを超えた値を示した患者に投与したグループと、医師の判断で投与したグループで、予後に差がなかったとしています。そして抗菌薬の投与は72%(!)減少したとのこと。

 厳密なカットオフ値や、どの様な感染症に対して有効かなどはこれからの研究によるのでしょうが、少なくともCRPなんかよりは使えそうな気がします。

 でも敗血症関連の論文では、あんまりパッとした数値が出ていません。

 2007年のLancetからメタ分析。


Accuracy of procalcitonin for sepsis diagnosis in critically ill patients: systematic review and meta-analysis.


 プロカルシトンが高値の場合、この敗血症(疑い)は細菌感染によるものか?→陽性尤度比3.03、陰性尤度比0.43

 う~む、LR+が3以上だから役に立ちますけど…。もっとこう、LR+14!とか出て欲しかった…。

 もっとカットオフ上げなきゃダメかな。。。でもそれじゃ感度下がるし。期待しすぎたこっちが悪いか。

 といっても、これはICUセッティング。プロカルシトニンは熱傷や外傷、外科手術、膵炎などなど、非感染症でも上昇します。こういう患者さんが紛れていたため鈍い結果になったものと思われます。

 一般的な感染症であれば良さそう。しかし、日本で発売されたPCT-Qという診断キットは今のところ敗血症にのみ保険適応があるので、今はプライマリでの使用はムリ。


 でも時代が変わったなぁと思わせるのは、今読んでいる感染症の教科書でフツーにプロカルシトニンの文字が出てきたこと。学生も色んなことを知っていかねばならないのですね。



 この教科書には敗血症に凝固系も絡んでいるとか、ステロイドを使うとどうかとかもキチンと書かれています。後これは知らなかったのですが、Drotrecogin αなるもの(Protein C製剤)があるそうで、きちんとFDAからsevere sepsisの補助治療として認可されてるとのこと。死亡率を30.8%→24.7%までに減らした優秀な子です。高いけど。


 プロカルシトニン。敗血症での診断価値は際立つものではなかったですが、CRPよりは有用性があり、一般的な感染症ではこれから活躍してくれそうな予感(日本では保険適応になることが先ですが)。他のマーカーとうまく組み合わせるなど、これからのエビデンスの蓄積に期待大です。


★追記:このブログではプロカルシトニンについて何回かまとめています。是非他の記事も見てみて下さい。
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