2007
04.30

単純なことほど見逃されやすい

 伝染性単核球症(infectious mononucleosis. 多くはEBVによるもの)っていうビョーキがあります。モノの本によると(pathophysiology for the boards and wardsにちょっと付け足し)↓

Si =generalized lymphadenopathy (especially, posterior cervical nodes), exudative tonsillitis, palatal petechiae, & hepatosplenomegaly.
Lab =positive heterophile antibody in contrast to mononucleosis caused by CMV, which is negative heterophile antibody. Atypical lymphocytes on blood smear. WBC→or↑, Lym↑↑, LDH↑
Skin rash commonly occurs in patients mistakenly treated with antibiotics (penicillin, ampicillin)

 細菌性咽頭炎(ものっすごくノドが痛くなる+高熱。自分も去年やられました。。。殆どはヨウレン菌によるもの)との鑑別に挙がってくるのですが、問診と診察では鑑別がほぼ不可能。困りましたねこりゃ。。。

 ちょいと前、この伝染性単核球症に関して論文を見つけました。

Lymphocyte-white blood cell count ratio: a quickly available screening tool to differentiate acute purulent tonsillitis from glandular fever.

と題されたもの。とある検査にてかなりの確率で鑑別が出来ちゃうそうなんです。

 どんな検査かと言うと

血をちょっと採ってリンパ球と白血球の数を出す

 ただ、それだけのこと。

 もっと正確に言うと、平均リンパ球/白血球比 (L/WCC)を出して、カットオフ値0.35とします。すると


感度90%!特異度100%!


 素晴らしひ…。惚れ惚れしますね。。。

 この数字は即ち、細菌性咽頭炎と伝染性単核球症のどっちかという患者さんにおいて

感度90%=伝染性単核球症のうち90%が0.35より高い値を示す(10%は0.35以下)
特異度100%=でもって0.35より高ければ100%の確率で伝染性単核球症!完全rule in!

を意味します。

 なんでこんなカンタンな検査(というか計算)が2007年になるまで出てこなかったんだろうか。。。

 高い血清試験なんぞを開発するのも良いですが、ゼニはグラウンドに落ちてるモンですね。ちょっと感心しましたです(こうやってまた一つ、国試に出ない知識が増えました…)。

 ただ、これはモノスポットテストというもので判断しています。しかもあくまでもパイロットスタディ。

 最近の知識としては、伝染性単核球症を見たらHIVを疑え!というのがあるそうです。HIVも原因になるんですねー。日本は相変わらずAIDS患者が増えていて減る気配ないですし。寝た子を起こすなとPTAは反対していますが、きちんと若いうちから性教育をしないと大変ですぞ。
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2007
04.15

ジャマの最果て、ご褒美は?

Category: ★学生生活
 先週の金曜日(13日)にて脳神経外科のローテ終了!!今週からは耳鼻咽喉科(興味皆無)が始まります。で、その13日ですが、先日の記事にもあったように桑名病院へ「当直見学」をしてきました。

 18-22時(正確には9時30分。そっから晩御飯)まで当直の先生の周囲を徘徊してジャマするのですが、何とそこでのお夕飯が


お寿司!!!


 自分の見学は全てこのためにあります。。。

 でも患者さんがひっきりなしでして、3時間ちょっとで10人位は来たんじゃないでしょうか(当時はこれくらいで「ひっきりなし」と思っていました)。タクシーで行く時も前の車がちょうど救急車で「まさか桑名かね」と話していたら眼の前でホントに桑名病院に入っていきましたもん。

 やはり救急の患者さんを実際に眼で見るのと見ないのとでは印象が違いますね。この見学は脳外をローテする方にオススメします。金曜日の方が、何故かお寿司が美味しいらしいのでそこんとこも頭に入れといてください(必修問題)。

 で、これがそのお寿司のお姿(一人前)↓



 いや、神々しいですね。上生寿司で一人前2100円なんですよお客さん!!!!!!!!!!

 筋子・イクラ・平目・赤貝・海老・カニ・生ウニ・中トロという、お寿司の髄を極めた豪華布陣となっています。普段のお昼ご飯が豆大福+野菜ジュースという生活の人間の消化管には勿体無いくらい。いやぁ、良いモン食べさせていただきました。

 もう一人、一緒に見学したboard井先生はワタクシの撮影現場を見て「俺も撮ろうかなっ」とケータイを取り出したまでは良かったのですが、ふと立ち止まり

明日からの食事考えたら切なくなる

とポツリ。撮影断念と相成りました。。。独居の寂しさここに極まれり、、、瞳の時雨を誘います。

 小生、函館生まれかつ函館育ちですから食べる魚は新鮮そのものでした。市場に行くと平目がまだ生きていて、不用意に手を出そうモンなら噛んできますからね、ヤツは(2005年12月8日「箱館魚事情」の記事参照)。。。うぅむ、毎日がサバイバルでした…。そんな環境でしたからお刺身やお寿司って大好き。鮮度が高いとお醤油を使わなくても、というより使わない方が美味しくいただけます(一番好きなのが、マグロの赤身)。今回もお醤油には手を付けずそのままいただきました。

 従来、トロはアブラが多くてしつこいという考えがあり、食わず嫌いになっておりました(昔々、トロの地位は低かったですし)。ですがこの度食べてみたところ、テレビなどで頻用されている「舌の上でとろける」という表現が真実であると納得。アブラも下品なしつこさではないんです。良いトロは美味しいのだなと実感いたしました。軽く炭火で炙った日にゃあもう、想像つきませんわ。

 でも濃厚なので、多くは食べられませんね。1,2個で充分です。他には、赤貝が思いの外新鮮で満足しました(イクラはもう一つと言ったところでしょうか←比較対象が函館なので…)。


 ということで、今回の当直見学で得たもの&記憶に残ったものは




中トロも美味しい。。。
( ゚Д゚)ウマー



でした。実りある一日に感謝感謝。


 あ、そうそう。函館ですと「鮨村」っていうお寿司屋さんがなまら美味しいです!店主のサービスで出してくれた焼きアナゴのお寿司、ありゃ逸品やったねぇ(妙にそれを覚えている)。。。


←夜の桑名病院

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2007
04.12

言語により存在するものの一つ:季節

 最近は新潟でもスコーンっと晴れた日が多少顔を出し、春らしさが視覚的にも認識されます(残念ながら今週末から下り坂…)。

 一年ぶりにお目にかかる桜の花、青空、そしてぽかぽか陽気に感じ入り、春ってこんなにも気持ちが朗らかになるものなのかと、改めて季節の流れにココロも軽くなります。今ポリクリで忙しいので、ちょっとしたことでも気が休まるというのも嬉しいような哀しいような。。。複雑なところです。

 桜と言えば、ソメイヨシノに代表されるようにすぐに散ってしまう、しかも牡丹のようにボテッと可愛げなく散る(というか落下)のではなく、花びら一枚一枚が散るのを惜しんでいるかのように、眼前の世界を漂いながら舞い落ちていきます(勿論、種類によって散り方は違いますが、大勢の印象として)。その様は古人をして「空に知られぬ雪」と言わしめるほど。風雨にも非常に弱いですね。その花の短命さから「はかなさ」を感じ取ることも少なくありません。

 歌にも詠まれることが多く、日本人が如何に愛していたかということを如実に表しています。特に西行法師の「願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」なんてのはそれを端的に表現していると言えましょう(ちなみに彼、この歌の通りに寂滅に入ったそうです。なんて優人…。死ぬ時もこれっくらいの余裕があるんですね)。

 最近はその「はかなさ」のイメージが強いのですが、「花は桜木、人は武士」とも言われるように、サッと咲いておりゃっと散ることから「潔さ」なんてのも連想されます。ものは考えようで、ポストイットの発明みたいなモンです。夭折の作家、梶井基次郎は「桜の木の下には屍体が埋まっている」とおっしゃっております(理由は彼の短編集「檸檬」をお読み下さい)。

 個人的な考えですが、桜には二度の命があるんじゃないかしら。秋~冬の間に裸となった木から、花が咲く。見た目における「無」からあんなに可憐な花を咲かす、ここに一度目の強靭な生命を感じ取れます。咲いた花は間もなく散り、多くの人々に否応無く哀愁を与えます。が、桜は花の次に青々とした、活気溢れんばかりの葉が茂ります。葉桜なんて、、、と思われるかもしれませんが、その姿を見てみると何処か威厳に満ち、桜としての自負がある、そんな気がします。そこに、露華の如く眩しく生き生きとした第二の命がある。そんなことを勝手に考えています(桜自身はいい迷惑かしら)。

 花から葉へ移ろう間の桜、これまたスキ。二つの命が混在する、何処かしら神秘的なものをワタクシに印象付けてくれます。

 蕾の桜、満開の桜、散る桜、葉桜、そして枯れ桜。。。そのどれもが見る人にそれぞれの思いを抱かせる。桜が永きに渡り愛されてきた理由を垣間見た感じがします。


 まちなかの桜@移行期


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2007
04.06

辛い現実を乗り越えて男の子は強くなる

 お料理には欠くことのできない調味料。自分は妙にお塩にこだわっていまして、旅行に行った方からのお土産としてご当地モノのお塩を貰うことも(ネタにされているだけでしょうが)。お味噌に関しては白味噌好きでもあります。一方、お醤油に関してはそんなに気にしない方向に(殆ど使わないので。でも卵かけご飯の卵にかけるお醤油は、それ用のを使ってます)。

 ちょっと入れるだけで味に劇的なまでの変化をもたらすものと言えば、味の素に代表される化学調味料(うま味調味料)。多くはグルタミン酸Naを結晶化したものです。

 昔は中華料理店症候群の原因ではないかと言われたグルタミン酸ですが、今は関連性を否定されているみたいですね(JECFAなどの検査の結果、通常の経口摂取ではヒトに対する毒性はなく、中華料理店症候群を引き起こす証拠も見当たらないという結論に達しました。FDA、SCF、EUFICなども同じ事を言っています。でもって今は、グルタミン酸Naの一日許容摂取量は「なし」。FDAもグルタミン酸NaをGRAS-Generally Recognized As Safe-として、お酢やお塩と同じくらい安全ですよ~と言っております)。

 その味の素ですが、あんなにお料理が美味しくなるんだからと、小学生の頃に少々なめてみた事があります。そしたらそしたら…


不味い!


 某やわらか銀行も予想外の不味さです。。。ほんの少しだったのに「吐くかも!」てな感じになる、独特の風味が味蕾を刺激するのであります。不味いという言葉はこのためにあったのか!と膝を打つこと請け合い。未体験の方には是非とも味わって頂きたい。この一見吸い込まれそうなほど純白で美しい粒子は、実は世の不幸を結晶化したのではと勘ぐってしまうほどの仕上がりとなっております。

 この味の素と双璧をなすのがバニラエッセンス。ものっ凄く良い香りを辺りに漂わせてくれる、洋菓子作りには必須の液体。こんなに良いニオイがするということはよっぽど美味しいんだろうと考えた純粋無垢だった頃のワタクシは、スプーンに少々とって、その芳醇な香りを鼻腔に漂わせながら口に運びました。しかし、


これまた不味い!


 ここまで味と香りにdiscrepancyがあるモノってドリアンくらいなもんですよ。。。ドリアンはまだ「ニオイは酷いが味は良い」ので救いようがあるのですが、このバニラエッセンスに関してはニオイで期待させておいて、味で地獄に突き落とすという、人をたぶらかすにも程があると憤慨するに足ると考えても一向に差し支えが無いと思われても弁護の余地も生まれず同情の念すら湧かないモノですわ。

 でもま、そもそもこちらの使用方法が間違ってると言われたらそれまでなんですけど…。




 ともかくこの二品のお蔭で、ワタクシは「人を疑う」という、浮世で生きていくためには必須の手段を得たものと信じています。




 c.f. むか~しむかし、味の素を舐めるとアタマが良くなるというウワサがありました(これまた修行僧?)。ドコのどいつだそんなムゴイこと考えたの…。

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2007
04.03

ふぅ、、、

Category: ★学生生活
 昨日から新5年の生活≒ポリクリが始まりまして、自分は脳神経外科からのスタート。

 今日、2日目ではあるものの早速手術見学と云ふ名の灼熱地獄絵図がその忌まわしい姿を眼前に現しました。多くの方々にとってこの見学という行為は新5年になって初の出来事なのですが、ワタクシは諸事情により結構な回数を経験していまして、もはや新鮮味の断片も感じられず、たいだいしきモノと化しています。その経験値はクラスのtrue家さんをして「m03a076d君っていうと手術見学のイメージがある」と言わせてしまうホド。

 ワタクシ、4年生の時点で8時間30分の長丁場な手術の見学と言う憂き目に遭遇し(自分が悪いんですが)する事もなくボケッと突っ立ってた漢です。クラスでそう思われるのも無理ではなく、かえって自然なのかもしれません。

 そんなこんなで小生、手術見学にはこの上なく不快な印象を抱いております。もう外科系は悪性としか考えられませんな(疲れること大っ嫌い…)。本日は同じ班の2人と一緒に見学したのですが、彼らからは

「途中からもう飽きてたでしょ」

と核心を突かれてしまいました(ほとほと嫌気が差した自分は手術室を徘徊し、壁に貼ってあるデルマトームの絵を見て、L3!L4!と自分の脚を叩いてました。お陰で下肢の方もまぁまぁ覚えました)。かつ、あまり話をしたことの無い彼らに「好き嫌いハッキリしすぎてない?」と自分の本性をもはや暴かれています。

 手術時間は5時間。もう人生下り坂な人間にとって、立っているだけですと開始40分経たずに脚と腰に倦怠感を覚えます。

 そこで閃いたワザが


トイレ行ってきます発言


 現場を抜け出し更衣室に戻り、ストレッチなんぞをしてしばし休憩。コレは非常に有用!見学で疲れたor眠い時にはハイポーションくらいの救世主となってくれること請け合いっす(手洗いしてガウン着てしまうと無理ですが)。学生ならではの初々しい方法ですね。

 そして、脳神経外科では当直見学っていうのもあるんです。火曜or金曜に桑名病院というストロークセンターに当直している先生の働き振りを18-22時まで外野から暖かい目で見守る作業(つまりジャマ)なのですが、この桑名病院、母親さんが今年の一月に入院していたトコロなのです。何とも数奇なものを覚えますな。。。ちなみにこの当直見学、行きと帰りのタクシー代は向こう持ち。
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