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12.31

ブログ紹介

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皆々様。
平素より大変お世話になっております、m03a076dです。
ご来店いただき、まことに有難うございます。
このブログは、研修医や若手精神科医を対象にした話がちらほら出てきます。でもメインは自分の気になったことをちょろちょろっと記すこと。最近はやはり本業の精神科の話が多くなってしまっています。

気楽にご覧下さいませ☆ (this article: last update Feb. 17. 2017)


*このブログではたまに患者さんとの会話例が出ています。その時に記載している基本的な情報、たとえば年齢や性別や受診の時期など、これらはプライバシー保護のため改変しています。また複数の患者さんの情報や会話内容を意図的に混ぜています*


☆思い立ってしでかしたこと
 はっと思ったらやはり実行。後悔することはあっても、いつかは懐かしい記憶となってくれるかもしれません。実行と言っても、他人様の迷惑にはならないようにしましょう。最近は名古屋な雰囲気を醸し出してます。

アポロチョコに捧げた情熱(ページの一番下の記事からお読み下さい)
ヒーターで焼き芋つくり(他にも焼いてます)
シュークリームの上手な食べ方~案~
大手コンビニのシュークリームを比べてみた
ジンギスカンのたれ比較
あんまきの比較
犬山城に行こうとしてみた
山崎川のさくら
スガキヤに行ってみた
熱田神宮のきしめんを食べてみた
豊川稲荷に行ってみた
のれそれを食べてみた
藤の花を見に津島公園に行ってみた
七夕まつりを見に一宮市に行ってみた
宇都宮の旅(餃子華厳の滝世界旅行
矢勝川の彼岸花
岡崎公園の桜とお団子
めんたいパークとこなめに行ってみた
愛知県のみたらし団子


☆鶴舞公園をお散歩
 名大病院の向かいは鶴舞公園というところで、さくら名所100選にもなっています。花菖蒲や紅葉なども綺麗で、四季を通じて楽しめる公園。

サクラ, ツツジやフジ, バラ, ハナショウブとアジサイ, ハス, 春の終わりから夏, 初冬その1, 初冬その2


☆コメダ珈琲店について少し
 名古屋在住なので、代表であるコメダ珈琲店へたまに行っています。その中でちょろっとご紹介をば。。。網羅的なものではなく、ピックアップする感じでございます。

blanc et noir, 豆菓子と有田焼, ○○ダさん…?, ピザと経済, みそカツサンド, 定番のハンバーガー, 期間限定ノワール, ジェリコを嗜む, アイスなココア, 夏はやっぱりかき氷, Ringoノワール, コメチキってやつ, バレンタインのチョコ祭り, 珈琲豆と小豆, ベリーノワールさん, たまご系, チョコ祭りその2, サマージュース


☆名古屋大学医学部附属病院前期研修について
 自分の前期臨床研修先であった名大病院について、主観で眺めてみました。名大病院ってどんなとこ?と思っている方、少し参考にしてみて下さい。
 2015年5月に(4年ぶりに)少し手を加えました。2015年度からはたすき掛けも導入されたということで、隔世の感がありますね…。どんどんプログラムは良くなってきている感じがします。あとは研修医のやる気ですな。
 また、名大病院に限らず学生さんが病院見学をする際にどういった点を見ると良いか、ちょっとですが書いてみました。

・名大病院研修について→コチラ
・病院見学の際のポイント→コチラ


☆臨床研修はじめの一歩
 学生さんや研修医を対象としたレクチャー。その多くは救急外来や研修医相手の勉強会で話した内容から成っています。深くは立ち入らず、入門として・総論として。研修医の時に知っておきたい心構え的なものとお考え下さい。”診断学・感染症・輸液・検査項目(主に救急外来)・栄養療法”についてお話ししています。最後に輸液と栄養療法とに絡めて、SIRSについて名古屋大学医学部附属病院集中治療部教授である松田直之先生の考え方に触れてみようと思います。

・はじめに→コチラ
・診断推論→コチラ
・感染症診療の入り口→コチラ
・輸液の考え方ベーシック→コチラ
・検査項目の使い方→コチラ
・栄養療法の初歩→コチラ
・SIRSについて一つの記事→コチラ
・補足:生活の中の病歴→コチラ
・補足2:診察の強弱→コチラ
・補足3:デッサンという考え方→コチラ
・補足4:デング熱を例に鑑別を挙げるということ→コチラ
・補足5:曖昧性を許容する→コチラ
・補足6:身体診察の治療的意義→コチラ
・補足7:教育としての病歴と診察→コチラ
・補足8:風邪を診る→コチラ


☆研修医のためのテキスト紹介
 研修医が読む本は学生さんとはちょっと違います。プラクティカルなものを選んでみました。研修医や非専門医として、なので専門的なテキスト紹介ではありません。

”総論”について, 各種マニュアル本, 心電図・循環器治療薬の本, 呼吸器内科の本, 感染症の本, 腎臓内科の本, 糖尿病のポケットガイド, 小児科外来の本, 皮膚科や創傷処置などの本, 精神科の本, 漢方薬の本, 非精神科医のための精神療法的な本, 超音波含め画像診断の本, 国試が終わって臨床研修開始までの間に, 『極論で語る』シリーズ, 診断ではなく帰せるかどうかの判断をするための入門本, カルテの書き方, 血の通った緩和ケア


☆風変わりな超音波
 もうエコーは心臓と腹部実質臓器のためだけじゃない!消化管・運動器・肺・眼球などなど、様々な分野へ応用可能です。その中でも消化管と肺について軽くまとめました。

消化管の超音波, 肺の超音波, 超音波を学ぶ時の心構え


☆研修医救急勉強会でのポイント
 名古屋大学医学部附属病院では月に1度、朝に研修医が救急勉強会をしています。卒後臨床研修・キャリア形成支援センター長の植村和正先生が主催して研修医のプレゼンチェックと良い点悪い点を指摘。自分も経験者(?)として参加して少しアドバイスをしている感じ。2015年は朝から夜に時間変更になりました。

・Jolt accentuationを例にして診察や検査のセッティング→コチラ
・めまいについて→コチラ
・嘔気嘔吐の例→コチラ
・救急外来と入院での病歴の取り方→コチラ
・発熱と意識障害を例にして患者背景から絞る→コチラ
・勘違いしやすい痛みについて→コチラ
・侮りがたし、虫垂炎→コチラ
・DehydrationとVolume depletion→コチラ


☆精神科臨床はじめの一歩
 精神科医は精神科医でも、若手、特に1-2年目が身の丈に合った非侵襲的な接し方をするにはどうすれば良いか。そんな思いから、治療的態度・精神病理学的知識・分析的思考について10回+1回にわたって考えてみました。自分も若手なので、若手目線で。おまけとして初心者やご家族や患者さんに読みやすい本の紹介もしています。

・第0回:若手としての心構え→コチラ
・第1回:精神療法としての”あいだ”→コチラ
・第2回:”患者”になること→コチラ
・第3回:”症状”を考えてみよう→コチラ
・第4回:器質力動論的視点を持ってみる→コチラ
・第5回:精神発達論をちょっと体験→コチラ
・第6回:防衛機制って何なんだ?→コチラ
・第7回:人格構造という軸→コチラ
・第8回:支持的精神療法のススメ→コチラ
・第9回:役割から見えてくる”転移/逆転移”→コチラ
・第10回:ご家族とのお話→コチラ
----------
・統合失調症理解の入門本→コチラ
・うつ病/躁うつ病理解の入門本→コチラ
・認知症理解の入門本→コチラ


☆精神科臨床のワンフレーズ+α
 日常臨床で患者さんに送るちょっとした言葉を掲載。薬物治療をしっかりと行うことと前提としているため、構造化もしてませんし分析的な深い考察もしていません。裏を返せばどんな治療者でも使えるということになるでしょうか。支持的でちょっと背中を押すような、そんなフレーズ達。そして、フレーズに限らず精神科臨床での会話などもまとめました。

・神経が疲れた→コチラ
・困った時はお互い様→コチラ
・キーを回す→コチラ
・不安を不安として→コチラ
・つらさの代名詞→コチラ
・こころは水風船→コチラ
・回復の芽を摘まない→コチラ
・どちらを選んでも後悔する→コチラ
・医者と薬は松葉杖→コチラ
・ネガティブを大切に→コチラ
・医者はあきらめが悪い→コチラ
・病気の種→コチラ
・回り道の景色→コチラ
・歴史になること→コチラ
・失敗も大事→コチラ
・症状をガイドに→コチラ
---------------
・終診にする時→コチラ
・同じと特別→コチラ
・「でも」を使わないようにしてみる→コチラ
・「なんで?」も使わないようにしてみる→コチラ
・大丈夫という言葉→コチラ


☆精神医学ピックアップ
 記事の中から病態や向精神薬の関連で精神科1-2年次向きなものを選んでみました。ちょっと前にまとめたものは記載が甘いものも散見されますが、ご了承ください。

・統合失調症のグルタミン酸仮説と抗精神病薬の定型/非定型という分類→コチラ
・精神症状を来たす身体疾患→コチラ
・精神疾患と慢性炎症→コチラ
・神経障害性疼痛→コチラコチラ, コチラ
・ベンゾジアゼピン系→コチラ
・抗うつ薬のモノアミン再取り込み阻害/促進→コチラ
・向精神薬中断によるリバウンド症状→コチラ
・薬剤に精神療法を込める→コチラ
・悪性症候群→コチラ
・アルコール使用障害→コチラ
・デキストロメトルファン(メジコン)と精神疾患→コチラ
・口腔領域の疼痛性障害→コチラ


☆漢方あれこれ
 自分は仮免レベルの漢方屋でもあるので、診療に良く使ってます。ちょっとした記事をポツポツ書いているので、ご紹介。

実証と虚証, 補気と補血, 陽と陰の配慮, 寒をとらえる, 陰虚を考慮, 虚熱を考える, 生薬の勉強, 消風散の生薬には…!, 釣藤鈎とは何なのか, 高血圧と頭痛に釣藤散, 補中益気湯で失敗, 視床痛には?, 喉の痛みに桔梗湯, 咳への対処, フラッシュバックに神田橋処方, 弛緩型神経因性膀胱はどうするか, 女性の手荒れに, 褥創治療の補助, チックの治療, 便秘にもどうぞ, 寒と水滞による痛みに, 清暑益気湯の生薬, 風邪の漢方薬, 腸間膜静脈硬化症, 起立性調節障害に, 漢方を服用する時間


☆お薬と偶像崇拝
 お薬の中には、キャラクターが存在するものも。イスラム文化圏では決して許されないこと(?)。可愛いのもいれば、変なのも。期間限定なのか?それともリストラされてしまったのか?と思うくらいにもはや姿を見かけなくなったキャラも。でも皆さんそれなりに頑張って製薬会社の看板背負ってるんですよね。自分が持っているものをご紹介していきます。なので精神科領域がどうしても多くなってしまうかも。

・ロナセンバード、ルーランバード、セレネースバード(大日本住友製薬)→コチラ
・ロナセンバード再び(大日本住友製薬)→コチラ
・がっちゃんと干支セトラ(大日本住友製薬)→コチラ
・メロペンギン(大日本住友製薬)→コチラ
・レオ(大日本住友製薬)→コチラ
・シナモロール(大塚製薬)→コチラ
・ムコさる君(大塚製薬)→コチラ
・豚さん(大塚製薬)→コチラ
・ひよこちゃん(大塚製薬)→コチラ
・ひつじさん→コチラ
・キティちゃん(ヤンセンファーマ、タケダ薬品、大日本住友製薬など)→コチラ
・おさかなさん(タケダ薬品)→コチラ
・大建中湯の羊、六君子湯のりっくん(ツムラ)→コチラ
・ジプレキサザイディスの可愛くないキャラ(イーライリリー)→コチラ
・パッキー君(グラクソスミスクラインの黒歴史?)→コチラ
・クマ野郎(エーザイ)→コチラ
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2017
02.24

仮に、のお話

Category: ★精神科生活
 精神疾患の診断に、現在のところ血液検査はまだまだ役に立つものが出てきていません。

 うつ病においてBDNFという栄養因子が血漿中で低下しているのが見られるという報告もありバイオマーカーとして期待されていますが、上昇しているという報告もありますし、統合失調症でも双極性障害でも低下しているとも言われ、なかなか現実問題として役立つかと言われると難しい…。BDNFは値が変化していれば”何らかの精神疾患かもしれない”くらいの立場なのだと思います。しかも精神疾患なら100%変化しているというわけでもないですしね(ここ大事)。

 仮に、抑うつを訴える患者さんにおいて、うつ病か正常の抑うつ気分かを鑑別する感度・特異度がともに80%のバイオマーカーが出てきたとします(他の精神疾患の鑑別は念頭に入れていません)。陽性尤度比4であり陰性尤度比0.25なので、まぁまぁの有用性を持っていると言えるでしょうか。しかし、大事なのは


尤度比のみで疾患の有無は決められない


 ということです。検査をするのであれば、必ず検査前確率とセットで用いましょう。いくら優秀なマーカーでも検査前確率を抜きにして語ることは絶対に出来ません。これはHIV感染症のスクリーニング検査が好例でしょう。診察でも診察前確率を常に考慮し、病歴でも病歴前確率ありきです。

 とは言うものの、精神科医はこういった検査値の解釈に異様に弱いという残念な事実(?)を忘れてはなりません。そんなうつ病のバイオマーカー(仮)が出てきて臨床応用された時に危惧するのは、上記と関連して


値が低いからうつ病じゃない、値が高いからうつ病だ


 と誤って判断してしまうことです。精神科はこれまで科学というものにコンプレックスを持っており、その中でバイオマーカーが出てきたとなれば「やっと精神医学も科学の一員か!」という期待のもと、結構計測されるような気もします。

 使用するのであれば、言うまでもないですが正しい判断が求められます。検査値の解釈に振り回されるのは、科学でもなんでもありません。そして個人的にですが、バイオマーカーは待ち焦がれている存在ではあるものの、バイオマーカーの登場で精神科の診断は劇的に変わらないのかなぁと感じています。うつ病と双極性障害を簡単に見分けられる超優秀なものが出てきたら話は別ですが、はてさて、そんな凄いのが誕生するのでしょうか。

 抑うつ気分を主訴に来院した患者さんがいたとしましょう。ここではシンプルに”うつ病か正常か”とだけ話題にしますが、精神科医は患者さんのお話や様子から「うつ病らしくないなぁ」「うつ病かどうか微妙…」「たぶんうつ病、かな?」「間違いなくうつ病だわ」というような、正常の抑うつ気分とのスペクトラム的な重症度を見立てます。DSM-5で言うなら、「うつ病かどうか微妙…」の辺りまでを”抑うつ気分を伴う適応障害”が多くを占めるかもしれません。「たぶんうつ病、かな?」は”抑うつ気分を伴う適応障害”と”軽度うつ病”が混在しているでしょうか。「間違いなくうつ病だわ」は”中等度~重度うつ病””精神病性の特徴を伴ううつ病”を指す感じでしょうか。

「うつ病らしくないなぁ」:”正常の抑うつ気分” ”抑うつ気分を伴う適応障害(DSM-5)”
「うつ病かどうか微妙…」:”抑うつ気分を伴う適応障害(DSM-5)”
「たぶんうつ病、かな?」:”抑うつ気分を伴う適応障害(DSM-5)” ”軽度うつ病(DSM-5)”
「間違いなくうつ病だわ」:”中等度~重度うつ病(DSM-5)” ”精神病性の特徴を伴ううつ病(DSM-5)”

 そう分類すると、多くの医者の対応はこうなるでしょう。

「うつ病らしくないなぁ」→生活指導
「うつ病かどうか微妙…」→生活指導
「たぶんうつ病、かな?」→医者によって異なる
「これはうつ病だわ」→間違いなく治療

 うつ病のバイオマーカーを使いたくなる時は、「うつ病かどうか微妙…」「たぶんうつ病、かな?」というラインになります。

 問題外なのは、精神科医が「うつ病らしくないなぁ」と感じる、つまりは検査前確率がかなり低い時にバイオマーカーを測ること。仮にそれがあるカットオフ値を超えていたとしても、検査前確率が低ければRule inにはなりません(かえって困ってしまう感じ)。カットオフ値以下であれば安心材料にはなるでしょうけれども、「らしくないなぁ」と感じた時点で抗うつ薬による本腰を据えた薬剤治療はほぼ行ないません。ここで検査値に慣れない医者が検査前確率を無視して「検査値が高いからうつ病だ!」と早とちりしてしまうのが怖いところです。

 同じく問題外は、精神科医が「これはうつ病だわ」と感じる、つまりは検査前確率がかなり高い時にバイオマーカーを測ること。仮にそれがあるカットオフ値以下だったとしても、検査前確率が高ければRule outにはなりません。カットオフ値を超えていれば安心材料にはなるでしょうけれども、「これはうつ病だわ」と感じた時点で多くは抗うつ薬による治療を行ないます。ここで同じく検査値に慣れない医者が検査前確率を無視して「検査値が低いからうつ病じゃない!」と早とちりしてしまうのが怖いところです。

 全か無かでとらえてしまわないかどうかが不安。精神科以外の内科クリニックでもCRPを1回測っただけで「CRPが8.2だから感染症だ。抗菌薬を出そう」と考えてクラリスロマイシンやセフカペンなんかを出してしまうことがまま見受けられますが、考えていない好例、つまりはアホと言えますね(ここでたくさん敵をつくる)。

 ではこの「うつ病かどうか微妙…」「たぶんうつ病、かな?」というライン、検査前確率をちょっと贔屓目の50%にしてしまいましょう、その辺りでバイオマーカーを診断の一助にしたとします。陽性尤度比4で陰性尤度比0.25であれば、マクギー先生に倣って足し算式とすると、陽性尤度比4は+30%、陰性尤度比0.25は-30%弱になります。そのような状態で用いるのなら、うつ病の診断に一定の役割を果たしてくれるでしょう。

 しかし、精神科医がうつ病かどうか迷う時というのは、うつ病の重症度という軸で見るならば「うつ病だとしても軽度かなぁ…?」という時でもあります(しつこいようですが、ここでは他疾患の鑑別を考えずに進めています)。その際にバイオマーカーを使用してうつ病だとしても、このような事実があります。


軽度のうつ病に抗うつ薬はあまり効かない


 すなわち、抗うつ薬を使わずに、例えば漢方薬、亜鉛、ビタミンB12+葉酸などの治療を養生訓に乗せることでも一定の抗うつ効果が望めることをも示唆するのです(亜鉛やビタミンB12+葉酸は抗うつ効果を持つとも言われますし、漢方薬は自分が頻用してますし。どちらも良質なエビデンスは乏しいのですが)。

 このようなうつ病は、井原裕先生のおっしゃるように生活習慣病としての側面を持つと言っても良いでしょう。患者さんの生活習慣の改善を第一義として診療することこそが治療になります。これにはさらに、診察の間隔を細やかにして経過を追うという


時間軸の有効活用


 という側面もあります。養生をお伝えして生活習慣の改善をしてもらうことで経過を追い、それでもちょっと調子が悪くなるようならその時点で抗うつ薬による治療を開始しても遅くはないのでは、と思っています。

 となると、「うつ病かどうか微妙…」「たぶんうつ病、かな?」というラインにおいては、バイオマーカーを使用してもしなくても、それほど現在の治療に大きな変化は生まれないというのがあるべき姿ではないでしょうか。”うつ病=抗うつ薬治療の対象”ではありません。生活習慣の改善が基本姿勢であり、軽度のうつ病はそれによって十分回復します。その事実を強く頭に入れておくべきでしょう。

 バイオマーカーはあくまでも参考に。それに依存してしまいたくなるような状態、つまりは診断に迷う状態の多くは正常と踵を接しているでしょう。そうであるならば、バイオマーカーの有無にかかわらず生活習慣の改善こそ治療の第一選択であり、時間軸をうまく使うことにもなります。

 もちろん、治療薬の選択に影響を与えるようなバイオマーカー、例えばこれこれが高ければEPAやアスピリンなどの抗炎症治療を組み込む方がベターだ、これこれが高ければSSRIがしっかり効くタイプのうつ病だ、などが出てくるとそれはそれでありがたいかもしれませんし、今回はシンプルにするため話題にしませんでしたが、他疾患との鑑別が高精度で可能になるようなバイオマーカーが開発されると嬉しくはなります(特に双極 vs 単極)。ただ、それもきちんと鑑別疾患同士の検査前確率を考慮して、診断を焦らず時間軸を有効活用するというのが前提になってくるでしょうけれども。

 バイオマーカーの登場で診療技術が疎かになってはいけません。むしろ、検査前確率をしっかりと推し量る緻密さが要求されるのではないかと思います。検査前確率を考えないということは、患者さんの苦しみ・つらさを見ないことにつながります。患者さん自身が人と人とのあいだで苦しんでいるのであれば、適切な治療が求められます。それを「BDNFが下がってないからうつ病じゃない」として何も介入しないのであれば、それは精神医学の終焉を意味します。そうなっては決していけません。
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2017
02.20

大容量・再

 自分は甘いものは嫌いではなく、むしろ好きな方だと思っております。普段はそんなに食べないですけど、定期的(?)に食べるようにしておりまして。毎日食べるとやっぱり身体に良くないし、油断すると糖質過多になりやすいですからねぇ。普段の間食はチーズとか大豆とかなんですよ、実は。

 甘いものの中で、かつ洋のものであれば、やっぱりチョコレートは美味しいなぁと思います。でも高級なのはほとんど食べたことがなく、スーパーで買えるものです。そこで自分の中にトップに君臨するのが


チョコ棒


 です。リスカとか菓道がつくっている、チープなコーンパフにチープなチョコレートがかかっている、アレです。コンビニやスーパーではプライベートブランドの100円(ほぼ10本)で売られていることが多いかと思います。

 コレが大好きでして。あればあるだけ食べてしまいそうな気もしますが、まだ前頭葉がそれを抑えてくれています。そして今月の初め、スーパーに行ったらこんなのが。

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 おぉ! リスカのチョコ棒がなんと32本も入っています。名実ともに”徳用チョコ”。飾りっ気のかけらもないところがまた好感の持てるポイント。

 サイドにはこのような記載が。

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 32本で300円弱だから、めちゃくちゃ安くなっているわけではないのですが(大体10本100円なので)、それでもたくさん入っていると嬉しいものです。

 1日で食べ終わるのではないだろうか。ぱくり。

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んまい…



 安定の美味しさ。ちなみに画像に写っているように、2パック買ってます。

 コスパがとても良いし、サロン・デュ・ショコラで売られていても買うんじゃなかろうか。有名なショコラティエがこのチョコ棒を一口サイズに切ってちょっとデコレーションなんかした日にはバレないんじゃなかろうかというくらいに美味しいんですよ。

 パキッと食べた時にコーンパフの粉が少し飛ぶというご意見もあろうかと思います。その際は、口全体で食べる部分を覆って、かつパキッとする時にごくごくわずかに息を吸うのです。たくさん吸うと粉が喉の奥に張り付いて咳き込むことになるので、春のそよ風のようにやさしく。そうすると問題ナッシング。

 ぜひね、食べていただきたい。
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2017
02.17

コテコテじゃなくても

Category: ★精神科生活
 以前にも記事にしたことがありますが、精神科領域で有名な漢方薬の使い方に


神田橋処方


 というのがあります。神田橋條治先生という超有名な精神科医が考案した処方でして



四物湯(or 十全大補湯) + 桂枝加芍薬湯(or 小建中湯 or 桂枝加竜骨牡蛎湯)



 という、2剤を合わせたもの。これは何に対して用いるかというと、フラッシュバックなんです。「そんなフラッシュバックなんて、精神科医以外は診ないでしょ~」と思われるかもしれませんが、このフラッシュバックはかなり広い意味でのフラッシュバックでして、重度の心的外傷ではなくても「会社のことがフッと思い出されて、つらくなる」「仕事着を見るだけで泣けてくる」など、そんなのも含みます。そう考えて患者さんに問診すると、結構な頻度で引っ掛かってきます。特に最近はお仕事関係で休職する患者さんも多く、そういった人たちにこのような症状が出てきます。あとは、PICSという概念があるように、集中治療を受けた患者さん(とそのご家族)もそのような症状に悩まされることがあり、悪夢が多い、寝付けないといった患者さんがいたら聞いてみると良いかと思います。「集中治療室にいた頃のアラームの音が頭に浮かんできて、怖くなる」「たぶん意識が朦朧としてたと思うんですけど、色んな人が僕を覗き込んでいたのが鮮明に残っていて、パッとそれが思い出されてくる」などのお返事は多いのでございます。

 フラッシュバックを広義にとらえると、精神科医以外でもそれを抱えている患者さんに多く接している、ただそれを問診していないのだということが分かってくるかと。その時には上述の神田橋処方を使ってみてください。ただ、四物湯は高率に「胃の調子が悪くなる」と言われるので、その時は四物湯に四君子湯+αを合わせた十全大補湯にしておいた方が良いかもしれません。しかし、十全大補湯ももたれることがあるため、そういった場合は四物湯に六君子湯を噛ませると良いです(これは私見)。補気薬や補血薬は胃に来ることがあるので、陳皮や半夏といった理気薬が重要。桂枝加芍薬湯に関しては基本的にこの方剤を用いますが、お子さんなら水飴を混ぜた小建中湯にしてみたり(飲みやすい)、不安が強いかたなら桂枝加竜骨牡蛎湯に変更します。桂枝加竜骨牡蛎湯は桂枝加芍薬湯から芍薬を減量した桂枝湯(桂枝湯の芍薬増量が桂枝加芍薬湯ですが)に竜骨と牡蛎を加えたもの。しかし、以前にコメントをいただいたことがありますが、桂枝加竜骨牡蛎湯が合わなくて桂枝加芍薬湯だと合うという患者さんもいます。また、桂枝加芍薬湯だとダメで桂枝加竜骨牡蛎湯だと良いという患者さんがいるのも事実。ここはとっかえひっかえしてみるのが良いかと。

 実際の用量としては、最大手のツムラさんを例としますが


・四物湯2包+桂枝加芍薬湯2包
・十全大補湯2包+桂枝加竜骨牡蛎湯2包
・四物湯2包+小建中湯4包
・四物湯2包+六君子湯2包+桂枝加芍薬湯2包


 など。基本的には2包ずつかなぁと思っています。小建中湯は水飴が多く他の生薬が少なくなっているので4包が良いかと。2週間から1ヶ月もあれば症状は軽くなります。

 しかし、なぜこの組み合わせが効くんでしょう??? 補血重視でおそらくは心血虚を狙っているというのは分かりますが、フラッシュバックという、情動を強く揺さぶるものがこの生薬の組み合わせで改善するというのはなかなか謎です。地黄の持つチカラ? 東日本大震災のPTSDに柴胡桂枝乾姜湯を用いて有効だったという報告もありますが、こっちはまだ納得できます。柴胡は精神科領域でとても大事な生薬であり、実際に神田橋処方でなくても柴胡加竜骨牡蛎湯や大柴胡湯でフラッシュバックが軽くなる患者さんもいます。ただし、柴胡を長期に使うなら柔肝と言って補血(+補陰)作用のある生薬もある程度使うべきで、それを怠ると間質性肺炎などの副作用をもたらします。そういった意味では神田橋処方の方がクセのない処方ではあるかと思います。

 精神科医も精神科医以外の先生も、広義のフラッシュバックにはぜひ注目してみてください。「昔の嫌な記憶が、ワケもなくパッと出てくることはありますか?」とか「ちょっとしたきっかけで昔の嫌な記憶が沸き起こってくることはありますか?」というのが良い質問でしょう。後は悪夢があればそれから広げても結構です。精神症状があり診ている外来患者さんや、ICUを経験したことのある患者さんなどが最初の対象となるかと。

 フラッシュバックで言うと、外傷性の幻聴もそれに入ります。どんな精神疾患でも外傷性の幻聴があり、それには抗精神病薬が効きづらいとも言われます。統合失調症でも、「○○が悪口を言ってくる」など、決まった対象であればその可能性があります(絶対、ではありません)。入院患者さんでも外来患者さんでも、他の人にいじめられて、それがしつこく被害的な幻聴となって襲ってくるということがあるので、その時は神田橋処方を使用してみる良い機会だと思います。
 
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2017
02.12

これは呪いだろ

 1月30日から期間限定で、コメダ珈琲店では”Ms. コメダの魔法”と称してチョコ祭りが開催されております。ソフトクリーム(バニラ)がチョコソフトに変化しており、去年もそうでしたね。この期間はバニラのソフトクリームは一切出てこず、すべて強制的にチョコソフトになるという徹底っぷり。しかも今年はチョコソフトのチョコレートが去年よりも濃くなったとのこと。去年はちょっとチョコの薄さが気になっていたので、評価できる点だと思っております。ストロベリーシェークやコーヒーシェークは、チョコレート味がプラスされます。

 今年も近くのコメダに行ってみることにしました。注文したのは”ミニクロノワール”と”クリームオーレ”と”ストロベリーシェーク”です。

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 コメダと言えばシロノワールがまっさきに思い浮かぶ人もいるくらいに有名ですが、これは”白と黒”という意味(ノワール=黒)。クロノワールだと”黒と黒”になります。チョコノワールという期間限定商品もありますが、それとは異なります。ソフトクリーム部分がチョコソフトになりチョコソースがかかるというのは共通ですが、チョコノワールの大きな特徴はデニッシュを横に切って間にチョコクリームが(少しですけど)塗られているというところ。クロノワールはそれがありません。あくまでもシロノワールのソフトクリームがチョコソフトに変わり、付属のメープルがチョコソースになったということなのです。

 ミニクロノワールのご尊顔はこのような感じ。

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 自分は、シロノワール(今回はクロノワール)を食べる時はいつもソフトクリーム部分を分離しています。デニッシュが温かいので溶けちゃうんですよね。

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 ヒタヒタになったデニッシュが好きなかたもいるので、これは人それぞれかと。自分は分離させて、ソフトクリームをデニッシュに後乗せ形式。

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 食べてみると、確かにチョコソフトの味が去年の記憶とは違う。「濃厚だ…!」とは思うに至りませんでしたが、チョコレート味だと言えます。去年がやっぱり薄すぎたんですな。

 クリームオーレは、氷が随分と頑張っていてチョコソフトが浮いたカツラのように見えなくもない。

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 ストロベリーシェークは、ちょっとストロベリーがチョコレートに負けてしまっている状態。”チョコレートシェーク+隠し味にストロベリー成分”みたいな印象でした。

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 シェークに関しては、逆にチョコレートは薄い方が良かったかも。バランス的に今回はチョコレートに傾きすぎでした。ちなみに、いろいろ食べて飲んで身体が冷えたせいか、翌日からまた風邪をひきましてですね…。今年に入ってからもう2回も風邪です。しかも長引いてるし。

 そう言えば、コメダさんも全国展開に勤しんでおりまして、有名になりました。決して安くはないですしめちゃくちゃ美味しいコーヒーやメニューがあるかと言われると肯定し難いところもありますが、時間を気にせずにいられるというのはイイコトだと思います。ただ、気分的に、元北海道民として感じるのはですね、全国的に有名になりだした当時の大泉洋を見るような感覚。有名になって嬉しい半面、ちょっと”オレたちだけの”という感じがなくなっていく寂しさというか。愛知県に来てから10年も経っていない自分ですら少しそんな感じがしているので、愛知県にずっといる方々のコメダ珈琲店への目線はより強いかも?

 でも”おかげ庵”はまだまだ愛知県の名古屋市と長久手市、そしてなぜか神奈川県の横浜市にしかないのですよ。”おかげ庵”はコメダ系列でして、”抹茶シロノワール”を代表とする甘味や、飲み物にはお抹茶もあるし、食事では焼きうどんやスパゲティがあります。いつ行っても混んでるんですよ、ここ。どの店舗も自分の住んでいるところからちょっと遠いので、頻繁に行くことはないのでございます。昔撮った画像がどこかにあるので、見つかったらアップしてみようかと。
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