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2037
12.31

ブログ紹介

*この記事は常にトップに出ます*
*最新記事は1つ下の記事になります*

皆々様。
平素より大変お世話になっております、m03a076dです。
ご来店いただき、まことに有難うございます。
このブログは、研修医や若手精神科医を対象にした話がちらほら出てきます。でもメインは自分の気になったことをちょろちょろっと記すこと。最近はやはり本業の精神科の話が多くなってしまっています。

気楽にご覧下さいませ☆ (this article: last update Sep 21. 2018)


*このブログではたまに患者さんとの会話例が出ています。その時に記載している基本的な情報、たとえば年齢や性別や受診の時期など、これらはプライバシー保護のため改変しています。また複数の患者さんの情報や会話内容を意図的に混ぜています*


☆思い立ってしでかしたこと
 はっと思ったらやはり実行。後悔することはあっても、いつかは懐かしい記憶となってくれるかもしれません。実行と言っても、他人様の迷惑にはならないようにしましょう。最近は名古屋な雰囲気を醸し出してます。

アポロチョコに捧げた情熱(ページの一番下の記事からお読み下さい)
ヒーターで焼き芋つくり(他にも焼いてます)
シュークリームの上手な食べ方~案~
大手コンビニのシュークリームを比べてみた
ジンギスカンのたれ比較
あんまきの比較
犬山城に行こうとしてみた
山崎川のさくら
スガキヤに行ってみた
熱田神宮のきしめんを食べてみた
豊川稲荷に行ってみた
のれそれを食べてみた
藤の花を見に津島公園に行ってみた
七夕まつりを見に一宮市に行ってみた
宇都宮の旅(餃子華厳の滝世界旅行
矢勝川の彼岸花
岡崎公園の桜とお団子
めんたいパークとこなめに行ってみた
愛知県のみたらし団子


☆鶴舞公園をお散歩
 名大病院の向かいは鶴舞公園というところで、さくら名所100選にもなっています。花菖蒲や紅葉なども綺麗で、四季を通じて楽しめる公園。

サクラ, ツツジやフジ, バラ, ハナショウブとアジサイ, ハス, 春の終わりから夏, 初冬その1, 初冬その2


☆コメダ珈琲店について少し
 名古屋在住なので、代表であるコメダ珈琲店へたまに行っています。その中でちょろっとご紹介をば。。。網羅的なものではなく、ピックアップする感じでございます。

blanc et noir, 豆菓子と有田焼, ○○ダさん…?, ピザと経済, みそカツサンド, 定番のハンバーガー, 期間限定ノワール, ジェリコを嗜む, アイスなココア, 夏はやっぱりかき氷, Ringoノワール, コメチキってやつ, バレンタインのチョコ祭り, 珈琲豆と小豆, ベリーノワールさん, たまご系, チョコ祭りその2, サマージュース, ケーキとどら焼き, シロノワールN.Y.チーズケーキ, コメダのモーニング


☆名古屋大学医学部附属病院前期研修について
 自分の前期臨床研修先であった名大病院について、主観で眺めてみました。名大病院ってどんなとこ?と思っている方、少し参考にしてみて下さい。
 2015年5月に(4年ぶりに)少し手を加えました。2015年度からはたすき掛けも導入されたということで、隔世の感がありますね…。どんどんプログラムは良くなってきている感じがします。あとは研修医のやる気ですな。
 また、名大病院に限らず学生さんが病院見学をする際にどういった点を見ると良いか、ちょっとですが書いてみました。

・名大病院研修について→コチラ
・病院見学の際のポイント→コチラ


☆臨床研修はじめの一歩
 学生さんや研修医を対象としたレクチャー。その多くは救急外来や研修医相手の勉強会で話した内容から成っています。深くは立ち入らず、入門として・総論として。研修医の時に知っておきたい心構え的なものとお考え下さい。”診断学・感染症・輸液・検査項目(主に救急外来)・栄養療法”についてお話ししています。最後に輸液と栄養療法とに絡めて、SIRSについて名古屋大学医学部附属病院集中治療部教授である松田直之先生の考え方に触れてみようと思います。

・はじめに→コチラ
・診断推論→コチラ
・感染症診療の入り口→コチラ
・輸液の考え方ベーシック→コチラ
・検査項目の使い方→コチラ
・栄養療法の初歩→コチラ
・SIRSについて一つの記事→コチラ
・補足:生活の中の病歴→コチラ
・補足2:診察の強弱→コチラ
・補足3:デッサンという考え方→コチラ
・補足4:デング熱を例に鑑別を挙げるということ→コチラ
・補足5:曖昧性を許容する→コチラ
・補足6:身体診察の治療的意義→コチラ
・補足7:教育としての病歴と診察→コチラ
・補足8:風邪を診る→コチラ


☆研修医のためのテキスト紹介
 研修医が読む本は学生さんとはちょっと違います。プラクティカルなものを選んでみました。研修医や非専門医として、なので専門的なテキスト紹介ではありません。

”総論”について, 各種マニュアル本, 心電図・循環器治療薬の本, 呼吸器内科の本, 感染症の本, 腎臓内科の本, 糖尿病のポケットガイド, 小児科外来の本, 皮膚科や創傷処置などの本, 精神科の本, 漢方薬の本, 非精神科医のための精神療法的な本, 超音波含め画像診断の本, 国試が終わって臨床研修開始までの間に, 『極論で語る』シリーズ, 診断ではなく帰せるかどうかの判断をするための入門本, カルテの書き方, 血の通った緩和ケア


☆風変わりな超音波
 もうエコーは心臓と腹部実質臓器のためだけじゃない!消化管・運動器・肺・眼球などなど、様々な分野へ応用可能です。その中でも消化管と肺について軽くまとめました。

消化管の超音波, 肺の超音波, 超音波を学ぶ時の心構え


☆研修医救急勉強会でのポイント
 名古屋大学医学部附属病院では月に1度、朝に研修医が救急勉強会をしていました。現在は他の科の先生がたが様々な勉強会を開いていて研修医が忙しくなったという理由で、廃止に…。

・Jolt accentuationを例にして診察や検査のセッティング→コチラ
・めまいについて→コチラ
・嘔気嘔吐の例→コチラ
・救急外来と入院での病歴の取り方→コチラ
・発熱と意識障害を例にして患者背景から絞る→コチラ
・勘違いしやすい痛みについて→コチラ
・侮りがたし、虫垂炎→コチラ
・DehydrationとVolume depletion→コチラ


☆精神科臨床はじめの一歩
 精神科医は精神科医でも、若手、特に1-2年目が身の丈に合った非侵襲的な接し方をするにはどうすれば良いか。そんな思いから、治療的態度・精神病理学的知識・分析的思考について10回+1回にわたって考えてみました。自分も若手なので、若手目線で。おまけとして初心者やご家族や患者さんに読みやすい本の紹介もしています。

・第0回:若手としての心構え→コチラ
・第1回:精神療法としての”あいだ”→コチラ
・第2回:”患者”になること→コチラ
・第3回:”症状”を考えてみよう→コチラ
・第4回:器質力動論的視点を持ってみる→コチラ
・第5回:精神発達論をちょっと体験→コチラ
・第6回:防衛機制って何なんだ?→コチラ
・第7回:人格構造という軸→コチラ
・第8回:支持的精神療法のススメ→コチラ
・第9回:役割から見えてくる”転移/逆転移”→コチラ
・第10回:ご家族とのお話→コチラ
----------
・統合失調症理解の入門本→コチラ
・うつ病/躁うつ病理解の入門本→コチラ
・認知症理解の入門本→コチラ


☆精神科臨床のワンフレーズ+α
 日常臨床で患者さんに送るちょっとした言葉を掲載。薬物治療をしっかりと行うことと前提としているため、構造化もしてませんし分析的な深い考察もしていません。裏を返せばどんな治療者でも使えるということになるでしょうか。支持的でちょっと背中を押すような、そんなフレーズ達。そして、フレーズに限らず精神科臨床での会話などもまとめました。

1. 神経が疲れた→コチラ
2. 困った時はお互い様→コチラ
3. キーを回す→コチラ
4. 不安を不安として→コチラ
5. つらさの代名詞→コチラ
6. こころは水風船→コチラ
7. 回復の芽を摘まない→コチラ
8. どちらを選んでも後悔する→コチラ
9. 医者と薬は松葉杖→コチラ
10. ネガティブを大切に→コチラ
11. 医者はあきらめが悪い→コチラ
12. 病気の種→コチラ
13. 回り道の景色→コチラ
14. 歴史になること→コチラ
15. 失敗も大事→コチラ
16. 症状をガイドに→コチラ
17. こころのお天気→コチラ
18. 飛行機とカサブタ→コチラ
19. 何もないのは平和のしるし→コチラ
20. どんな思いがよぎりましたか?→コチラ
21. 揺らぎは自然→コチラ
22. 医者は慎重派→コチラ
23. ともにある→コチラ
24. 恩返しをしましょう→コチラ
25. 早く来てくれて良かったです→コチラ
26. それが王道ですよ→コチラ
27. 何ができるだろう→コチラ
---------------
・終診にする時→コチラ
・同じと特別→コチラ
・「でも」を使わないようにしてみる→コチラ
・「なんで?」も使わないようにしてみる→コチラ
・大丈夫という言葉→コチラ
・認知機能検査を始める前の言葉がけ→コチラ
・"心因" を説明する時→コチラ


☆精神医学ピックアップ
 記事の中から病態や向精神薬の関連で精神科1-2年次向きなものを選んでみました。ちょっと前にまとめたものは記載が甘いものも散見されますが、ご了承ください。

・統合失調症のグルタミン酸仮説と抗精神病薬の定型/非定型という分類→コチラ
・精神症状を来たす身体疾患→コチラ
・精神疾患と慢性炎症→コチラ
・神経障害性疼痛→コチラコチラ, コチラ
・ベンゾジアゼピン受容体作動薬→コチラ
・抗うつ薬のモノアミン再取り込み阻害/促進→コチラ
・向精神薬中断によるリバウンド症状→コチラ
・薬剤に精神療法を込める→コチラ
・悪性症候群→コチラ
・アルコール使用障害→コチラ
・デキストロメトルファン(メジコン)と精神疾患→コチラ
・口腔領域の疼痛性障害→コチラ
・多剤併用→コチラ


☆漢方あれこれ
 自分は仮免レベルの漢方屋でもあるので、診療に良く使ってます。ちょっとした記事をポツポツ書いているので、ご紹介。

実証と虚証, 補気と補血, 陽と陰の配慮, 寒をとらえる, 陰虚を考慮, 虚熱を考える, 生薬の勉強, 消風散の生薬には…!, 釣藤鈎とは何なのか, 高血圧と頭痛に釣藤散, 補中益気湯で失敗, 視床痛には?, 喉の痛みに桔梗湯, 咳への対処, フラッシュバックに神田橋処方, 弛緩型神経因性膀胱はどうするか, 女性の手荒れに, 褥創治療の補助, チックの治療, 便秘にもどうぞ, 寒と水滞による痛みに, 清暑益気湯の生薬, 風邪の漢方薬, 腸間膜静脈硬化症, 起立性調節障害に, 漢方を服用する時間


☆お薬と偶像崇拝
 お薬の中には、キャラクターが存在するものも。イスラム文化圏では決して許されないこと(?)。可愛いのもいれば、変なのも。期間限定なのか?それともリストラされてしまったのか?と思うくらいにもはや姿を見かけなくなったキャラも。でも皆さんそれなりに頑張って製薬会社の看板背負ってるんですよね。自分が持っているものをご紹介していきます。なので精神科領域がどうしても多くなってしまうかも。

・ロナセンバード、ルーランバード、セレネースバード(大日本住友製薬)→コチラ
・ロナセンバード再び(大日本住友製薬)→コチラ
・がっちゃんと干支セトラ(大日本住友製薬)→コチラ
・メロペンギン(大日本住友製薬)→コチラ
・レオ(大日本住友製薬)→コチラ
・シナモロール(大塚製薬)→コチラ
・ムコさる君(大塚製薬)→コチラ
・豚さん(大塚製薬)→コチラ
・ひよこちゃん(大塚製薬)→コチラ
・ひつじさん→コチラ
・キティちゃん(ヤンセンファーマ、タケダ薬品、大日本住友製薬など)→コチラ
・おさかなさん(タケダ薬品)→コチラ
・大建中湯の羊、六君子湯のりっくん(ツムラ)→コチラ
・ジプレキサザイディスの可愛くないキャラ(イーライリリー)→コチラ
・パッキー君(グラクソスミスクラインの黒歴史?)→コチラ
・クマ野郎(エーザイ)→コチラ
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2018
12.12

不意打ち

 12月9日は、第18回河合臨床哲学シンポジウムに行ってきました。去年は確か日直と被っていて行けなかったんですよねー。

 シンポジストの有り難いお話を聞くのもそうなのですが、むしろ木村敏先生の顔を拝んで明日からまた頑張るか、というのが主たる目的だったりします。精神科では生ける伝説的な先生で、もう高齢なのでいつなんどきどうなるか分からない (超失礼!) ので、今のうちに…と思っていました。

 開催場所は東京大学。9月に別件バウアーのシンポジウムに行った時はまさかのキャンパス違いというミスを犯し、非常に慌ただしく会場入りをしてしまいました (駒場キャンパスと本郷キャンパスを間違えた…)。場所は入念にチェック。「弥生キャンパス。なるほど、本郷キャンパスの向かいね、よしよし」と、バッチリです。

 朝8時前に出発。新幹線で東京駅に。ということは、朝ごはんは自動的にここで。

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 お、並んでいる…!

 しかし、ほんのり屋での朝食は遂行しておきたいところ。時計を気にしながら並んで、本日はこちら。

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 なんと、牡蠣めしのおむすびなのです (それと、からあげ)。では、いただきます。

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 うむ、んまい。今シーズン、牡蠣を食べたのが初めてであった、そういえば。

 やや急いで食べて地下鉄丸ノ内線に乗り、本郷三丁目で降りる。ここから東大までの道は?と思うかた、安心してください。



何となく頭の良さそうな人たちの後をついていくと、東大に着く



 のです (マジで)。もっとも、弥生キャンパスは丸ノ内線を使うとやや距離があるのですが、正直なところ東京に慣れていなくて、東大に行く時は必ず丸ノ内線を使って本郷三丁目で降りるようにしています。たぶん、自閉スペクトラム症の子どもが見せる "こだわり" も、そういう背景があるでしょう。自分の安心は慣れたもので確保できるのです。慣れないところで予想外のことが起きて「???」とパニックにならないように、妙な変数は入れたくない。

 道すがら。
 
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 農学部の弥生講堂。

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 ここでシンポジウム、"あいだと間 (ま)" が行なわれました。

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 そこで衝撃的なお話が…!



木村敏先生、圧迫骨折の影響で本日来られず…!!!!



 しかも…



河合臨床哲学シンポジウムが今回でおしまい…!!!!



 なんていうことなの。。。

 高齢となり体調などを考慮して、先生の主宰ではなく若い人にバトンを、ということのようです。これって、もう顔を拝むことなく以下略なんじゃなかろうか、むむむ。

 ちょっとした失望感の中でシンポジウムが始まりましたが、"あいだ" や、それと音楽についてなどのお話が進んでいきました。

 お昼休みは、本郷キャンパス向かいの海鮮丼屋さんで。

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 日替わりの海鮮丼。

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 あれ、築地市場ってもう終わったんじゃなかったっっけ…?

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 会場に戻る時、本郷キャンパスをお散歩。ちょうど銀杏が色鮮やかな季節でした。

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 陰と銀杏の明るい黄色とのコントラスト。

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 午後の部も終わり、ディスカッションも時間ギリギリまで続きました。しかし、ディスカッションでフロアから意見をする人って、めちゃくちゃキャラクターが濃いですよね…。全員とは言いませんが。

 気になったところと言えば、前後関係は忘れましたが、村上陽一郎先生が「今の若い子はスマートフォンで育っていて自然を知らない。その子たちが大人になった世界を想像できない」というような内容のことをお話ししていた点。

 自分はそういうのにあまり与する方ではなく、その "自然" とは何なのだろうか、と思います。村上先生の思う "自然" とは? 先生が幼少期にあった原っぱや雑木林などを想定されているのでしょうか。では、その原っぱは本当に自然なのでしょうか、雑木林は本当に自然なのでしょうか。いえ、それらは少なからず人の手が入ったものでしょう。キャンプ場など自然に見せかけた不自然だと言えるかもしれません。そして、"美しき里山" も、人がいなければ荒れてしまいます。ではもっと規模を大きくして、富士山は自然なのか? 遠くから見ればそのように映るかもしれません。しかし、登山道はある程度整備されており、山小屋も多くあります。それは自然と呼べるのでしょうか。

 自分にとっては、冷蔵庫があるのが自然です。テレビがあるのが自然です。歩く道は舗装され、電柱があり街灯があるのが自然です。スーパーには一年中新鮮な野菜が並んでいるのが自然です。そして、もっと若い子であれば、スマホがあるのが自然でしょう。むしろ、それらがないのは "不自然" なのです。月明かりだけで歩くことは果たして自然なのでしょうか。冬は乾物や漬物のみで凌いで生きるのが自然なのでしょうか。

 現代の閉塞感から逃れるような、自身の過去の、望郷としての環境。それを "自然" と呼んではいないでしょうか。村上先生であっても、そこから抜け出ていないのではないでしょうか。先生は、"老い" とそれによる "現代社会からの孤立" を否認してはいないでしょうか。もし村上先生が新進気鋭と呼ばれる年齢であれば、上記のような発言はなかったかもしれません。過去に思う自然はあくまでenvironmentであり、natureではありません。本来の自然は、人間を翻弄する、荒々しいものです。人の生命など考慮してはくれません。それは関東大震災、阪神大震災、そして東日本大震災で痛いほど学んだのではありませんか。

 バーチャルへの言いようもない恐怖。ついていけずにそれこそ翻弄されるのではないかという不安。それを否認し無意識に押し込むことが、過去のenvironmentを賛美し現代を貶める根底となってはいないでしょうか。自然という言葉を持ち出してしまうと、もうそこで思考停止になりはしないでしょうか。

 そんなことを思いました。そして、人間はしたたかです。インターネットなど自分が小さい頃はまったくありませんでした。携帯電話だってそうです。しかし、今はどうでしょうか。それがなければ生活が成り立たないくらいになり、まさに "自然" となっているではありませんか。人間の適応力はすごいと思うのです。それは未来への希望になるのではありませんか? 過去へのとらわれを代表する "自然" という人工的かつ記憶によって改竄されたenvironmentにこだわり現代と未来を悲観するよりも、自分は今まさに適応している人たちの姿を見て、未来に思いを馳せたいのです。

 帰り道で上記のようなことを考えていました。しかし、駅に着いたらあとはお土産に頭がシフトチェンジ。時間があまりなかったのですが、ぐでたま先生のご様子も確認。5周年おめでとうございます!

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 新幹線の中で軽いお夕飯。松露サンドです。

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 いただきます。

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 むむ、卵焼きの甘さが強くて、サンドイッチとしてはちょっとバランスが良くないように思います(卵焼き自体は甘い方が好きですが)。これなら10月に東京へ行った時に食べた "天のや" のタマゴサンド方がさっぱりとしていて、またパンとの食感の相違を考えても完成度が高かったように思います。

 自宅には穴子の握り (再び)。

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 そして、定番である東京ばな奈、のラッコバージョン。

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 可愛いですね。パンダ (バナナヨーグルト味) もあったのですが、今回はラッコちゃんにしてみました。中はコーヒー牛乳のクリームが入っています。

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 さて、河合臨床哲学シンポジウムが18年で終了し、今後は東京に行く機会も少なくなるのかもしれません。おそらくは、少しの期間を置いた後に新たな臨床哲学のシンポジウムが開催されることになるのだとは思いますが、木村敏先生がいなくなるのはちょっと寂しいものがあります、ファンとして。
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2018
12.05

昔は元気があったのに

Category: ★研修医生活
 振り返ってみると、研修医の頃は元気でした。救急外来の当直は怖いながらも新鮮で勉強することがたくさんありましたし、当番じゃない日も顔を出してどんな患者さんが来ているのか、どんな診察や検査が行なわれているのか、いろいろと見ていたものです。何だかこう言ってしまうと軽躁病エピソードの聴取みたいですが…。

 当番以外の日に患者さんを診たら怒られてしまい、研修医になりたての頃はその理由がよく分かりませんでした。今でも確証はないのですが、あれは何かあった時の責任の所在がかかわっているのかも。当時は「労働時間が云々」ということで労基署が突撃するなんてことはない時代だったので、勤務時間という次元で怒られたわけではないはず。時間外手当てなんてなかったし(今もないけどね!)。

 怒られながらも顔を出していたのは、自分が強情だからでしょうね。もちろんメインに診ることはせず、手技などを行なっておりましたが。しかし元気であったなぁ、今では考えられないくらいに。基本的に研修医室に寝泊まりしており、救急車のサイレンが聞こえたら救急外来に降りてどんな患者さんか見てみる生活。特に研修医2年目は外来化学療法部というところをローテしたためルート確保のレベルが異様にアップしていたため、救急外来でも虚脱した患者さんのルート確保をよく行なっていました。研修した病院は、当時は救急外来で看護師さんがルート確保をすることはなく、ほぼすべて研修医がやっていました。今は看護師さんがやっているんですって! 時代は変わったなぁ。そういや精神科医になってからかれこれ3年くらいはルート確保してません…。今の病院に来てから一度もしてない。

 あと、自分で言うのもアレですが、研修医の頃はかなり勉強もしました。やっぱり勉強しないことで見落として患者さんに何かあったらどうしようという不安が強くてですね…。本を読んで、そして救急外来で体験して、という感じ。あ、ちなみに救急外来ならではという本で「役に立った!」と思った代表が『マイナーエマージェンシー』です。救急外来に1冊置いてあったので、クリティカルではないけれども「え…? これどうすりゃいいの?」という患者さんが来た時には読んでいました。

 そうだ、研修医になったら包帯の巻き方を覚えておくと良いですよ。自分はもう忘れちゃいましたが、一時期勉強してやたら綺麗に巻いていたことがありました。患者さんからは「やっぱ巻き方ちがうんですねー」という高評価。"医者らしさ" を出せる瞬間です。ヘボヘボな巻き方だとなんか残念。仲間内でちょっと練習するだけで見栄えが全然違うので、ぜひ。自分が読んで勉強になったのは『ビジュアル基本手技』の『骨折・脱臼・捻挫』だったかなぁ、確か。ちょっと記憶が薄いので自信がないです。今だとたぶんwebでも巻き方くらい載っているんでしょうね。

 精神科レジデントの頃もまだ多少なりとも元気、というか勉強への熱意はあったのです。患者さんを診ると「もしこの患者さんが自分じゃなくて上の先生が診ていたら、もっと良くなっていたんだろうな…」という思いがどうしても沸き立ってきて振り払えず、向精神薬や精神療法の勉強は今よりも確実にしていました。がむしゃらという言葉がぴったりだったかもしれません。

 最近、ふっと振り返ってみることがあるんです。

「当時よりも知識のある今なら、あの患者さんをもっとうまく治療できていただろうか…?」

 と。確かに知識量は今のほうが多い。でも、患者さんひとりひとりに対する、あの当時のような熱意が今はありません。良くも悪くも力が抜けている診療なのでしょうが、もう若くもないし根気が続かなくなってしまいました…。あと、今の外来患者さんの数を一日通して診るには、どうしても出力をミニマムにしていかないと途中でヘタレてしまいます。果たして、あの当時の一生懸命さは治療にどういう影響をもたらしていたのでしょうね。少なくとも漢方治療という点ではこの1-2年の方が何倍もうまくやれるのではないかと思ってはいますが。

 そのような熱意の有無はあるにせよ、今なら治療できていたはずの患者さんが、やっぱりいたはずです。自分の経験や勉強が治療水準に届かなかったがためにそうなってしまった、自分が診ていなければこの患者さんの人生はもっと良くなっていたのではないか、という恐怖感はとても大きいのです。それは今でも考えることであり、特に治療に難渋し苦しんでいる患者さんの診察を終えた時は押しつぶされそうになります。自分じゃなければ、もっと知識があれば。この繰り返しです。だからこそ色々と勉強はするのですが、その思いは拭いきれません。

 研修医時代の患者さん、精神科レジデント時代の患者さん、そして現在進行形の患者さん。彼らの影におびえながら、今後も医者としてやっていけるのか。最近、そんなことを思います。他者の犠牲のもとに自分は立っているのです。でもこれから立ち続けていくことは、正直なところ重荷にもなってきています。しかしそこから降りることは、その犠牲の軽視になっているかもしれない、とも考えてしまいます。

 「患者さんは私たちの先生である」と、医療者の間で言われています。患者さんに教えてもらいながら医者は成長するということ。確かにそうでしょう。しかし、未熟な医者に診られ、そして人生が不幸に傾いてしまった患者さんもいるはずです。彼らを "先生" という一言で済ませられるのか、とも考えるのです。自分ではない他の医者が診ていたら…と後悔する気持ちは誰しも持つでしょう。患者さんを「先生」と表現するのは、その気持ちを否認するためのものかもしれません。なぜなら、生徒を教える先生という立場は崩れないものであり、傷つかないものなのです。でも、実際の患者さんは医者の診療によって傷つき疲れ、人生にも苦しみ倒れ、立ち上がれなくなることもあるでしょう。
 
 む、こんな話になるような記事にするつもりはなかったのですが、暗くなっていったな…。人はどこか負い目を感じながら、罪を感じながら生きているのでしょうね。
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2018
11.26

てんかん学会で勉強したこと2018:その2

 前回の記事に続いて、学会での勉強のまとめです。AMPA受容体など基礎医学のところはかなり疲れていて情報が抜けていたため、記事にはしませんでした。無念。


★神経発達症とてんかん

・神経ネットワーク形成と刈込 (Varghese M, Acta Neuropathol. 2017 Oct;134(4):537-566. PMID: 28584888)
神経細胞と興奮性神経と抑制性神経がある。このバランスがうまくいかないと様々な症状。
ASD関連症候群と神経細胞の形成と刈込 (Phillips M, et al. Neurosci Lett. 2015 Aug 5;601:30-40. PMID: 25578949)。
生体アミン神経系の発達 (Rakhade SN, et al. Nat Rev Neurol. 2009 Jul;5(7):380-91. PMID: 19578345)。
統合失調症も刈り込みと形成。過渡の刈り込み。抑制性シナプスの減少。
GABAは胎生期にはむしろ興奮に働く。Clイオンは未成熟な神経細胞では外に出てしまう。発達すると逆。
神経発達の神経生理学的バイオマーカーはある? 3歳では入眠時の脳波が高振幅徐波。年を経るに連れて高振幅がなくなっていく。
・神経発達症とてんかんの関連
てんかんは患者さんの20-60%が精神症状や発達障害を示す。
併存症のないADHDは34%のみ (Reale L, et al. Eur Child Adolesc Psychiatry. 2017 Dec;26(12):1443-1457. PMID: 28527021)。
二次性のADHD 頭部外傷による (文献記載漏れ。同様のものがAltun H, et al. Childs Nerv Syst. 2018 Jul;34(7):1353-1359. PMID: 29696355)
Late onset ADHD (Caye A, et al. Curr Psychiatry Rep. 2017 Nov 13;19(12):106. PMID: 29130145)
神経発達症におけるてんかん ASDは5-38% ADHDは12-17%
ASDはてんかん発作の発症時期は1-5歳の幼児期と11-18歳の思春期に二峰性
てんかんでは20%でASD、30%でADHDの併存。てんかんの診断がそれらの診断よりも先なのが2/3(てんかんが脳へのダメージ?)
てんかん性脳症と神経発達症の併存 (Jacob J. Epilepsia. 2016 Feb;57(2):182-93. PMID: 26682992)。
神経発達症と睡眠関連疾患の併存もある。生活の質の向上を目指した包括的な診断と治療が必要。
長時間ビデオ脳波はカタトニアや非けいれん性てんかん重積を診るために重要。
グアンファシン:破壊的・反抗的症状に対する治療薬として期待されている。後シナプスα2Aノルアドレナリン受容体アゴニスト。それによりcAMP産生が阻害されてHCNチャネルが閉じ、前頭前皮質におけるシグナル伝達が増強されると考えられている。ノルアドレナリン作動性神経を活性化することで症状を改善する。血圧を下げる。チックにも効くらしい。
てんかん外科:30%は発作抑制が困難。てんかん外科治療で発達障害特性の改善が見られることも。
発達障害では睡眠障害の合併多い。情動行動、不安、注意力低下、攻撃性が増強する。ASDで半分以上、ADHDでも半数近く。てんかんや脳波異常の併存頻度が高い。
ADHDでは入眠時に、棘波、鋭派、徐波、棘徐波複合、高振幅律動性速波を前頭極や前頭部優位に認める。
幼児期は睡眠障害の存在が発達障害を示唆するポイント。
抗精神病薬が生体アミン神経系の発達に及ぼす影響。心血管系副作用や代謝系副作用などを引き起こし、成長期の生体アミン神経系の発達、小児の発達に影響を及ぼす危険性があるかも。
脳波異常を伴ったてんかんのないASDはバルプロ酸が有効。脳波異常を伴う易興奮性、衝動性、睡眠障害におけるバルプロ酸の少量投与。血中濃度は20―30で良い。特に就学前。
胎生期のVPA内服は、興奮系に作用し催奇形性、ASDの発症率を上げる。出生後の少量VPAは抑制系に働いて神経興奮を抑えるかも。
発達障害では睡眠障害の併存や入眠時脳波異常を認めることが多い。抗てんかん薬の使用が精神症状や睡眠障害に効果を認めることが多い。


★てんかんと発達障害:シンポジウム

・てんかんと発達障害は併存しやすい (Devinsky O, et al. Neurology. 2015 Oct 27;85(17):1512-21. PMID: 26423430)
・新規抗てんかん薬の効果と与える影響
抗てんかん薬の作用機序 (Brodie MJ, et al. Epilepsy Behav. 2011 Aug;21(4):331-41. PMID: 21763207)。
ペランパネルやレベチラセタムは精神症状の副作用がやや出やすいかも。少量から使用を。ラコサミドはそれほど精神症状(いらいらや攻撃性)を来さない。
・てんかんとADHD:脳波所見から
てんかんは病初期にADHDと誤診されることも。
前頭部突発波、突発波出現頻度について以下。
前頭部突発波はスティグマとも関連 (Kanemura H, et al. Epilepsy Behav. 2015 Nov;52(Pt A):44-8. PMID: 26409128)。
前頭部突発波と認知・行動異常 (Kanemura H, et al. Dev Med Child Neurol. 2012 Oct;54(10):912-7. PMID: 22759211)。
小児の前頭葉は脆弱性が高い。てんかん原性の獲得あるいは異常放電という要因で前頭葉の機能的な障害が生じやすいかも?
ADHDと脳波異常:焦点部位は前頭部とRolandicが多い (Kartal A, et al. Acta Neurol Belg. 2017 Mar;117(1):169-173. PMID: 27822696 Lee EH, et al. J Child Neurol. 2016 Apr;31(5):584-8. PMID: 26341812 Kanemura H, et al. Epilepsy Behav. 2013 Jun;27(3):443-8. PMID: 23603034)
脳波所見と行動面:前頭部突発波群では有意な正の相関(ADHD-RS)。ローランド波群では明らかな相関なし。
脳波所見と行動異常に関して、前頭部突発波はADHDと高い関連性。
抗てんかん薬がADHDの脳波と行動異常を改善させる? 抗てんかん薬によって脳波所見の改善を認めた59%で行動改善あり (Bakke KA, et al. Eur J Paediatr Neurol. 2011 Nov;15(6):532-8. PMID: 21683631)。
自閉性腕も同様のことが言えるかも。発作や脳波改善を促すことで、前頭部突発波を有する自閉症では行動改善。その他の焦点部位では発作や脳波改善のいかんを問わず、行動改善を認めなかった (Kanemura H, et al. Eur J Paediatr Neurol. 2014 Jul;18(4):482-8. PMID: 24703761)。
抗てんかん薬による行動改善:ADHD。前頭部突発波群はバルプロ酸で脳波が改善し行動も改善 (Kanemura H, et al. Epilepsy Behav. 2013 Jun;27(3):443-8. PMID: 23603034)。
脳波は発達障害の治療戦略にも有意義かもしれない。
・外科治療
ASDとADHDの2/3がてんかん発症後に診断されている (Reilly C, et al. Pediatrics. 2014 Jun;133(6):e1586-93. PMID: 24864167)。
てんかんの長期化が与える脳への影響 (Ben-Ari Y, et al. Lancet Neurol. 2006 Dec;5(12):1055-63. PMID: 17110286)。
てんかんと発達障害 (Brooks-Kayal A. Brain Dev. 2010 Oct;32(9):731-8. PMID: 20570072)
てんかん外科で発達はどう変化するのか:罹病期間が長いほど術後のDQ変化が伸びない
部分てんかんにおけるてんかんネットワークの異常。てんかん発作だけでなく、認知機能低下や精神症状、行動以上の原因となりうる (文献よく分からず。たぶんLado FA, et al. Epilepsia. 2013 Nov;54 Suppl 8:6-13. PMID: 24571111 や Siniatchkin M, et al. Epilepsia. 2013 Nov;54 Suppl 8:27-33. PMID: 24571114)
たとえば側頭葉てんかんにおけるNetwork inhibition hypothesis:皮質下のネットワークを介して意識を司る脳幹網様体が抑制され、脳全体の機能が低下 (Englot DJ, et al. Brain. 2010 Dec;133(Pt 12):3764-77. PMID: 21081551)。
・早期手術で発達障害を防げる? 脳の発達過程:生まれて1歳までのあいだでネットワークが形成される。その時にてんかんがあれば形成が乱されそうだ。今後の研究が必要 (Thompson RA, et al. Am Psychol. 2001 Jan;56(1):5-15. PMID: 11242988)。


★ロボトミー

・ロボトミーとは、Freemanの造語。ポルトガルのMonizが始祖。
・中世ヨーロッパ:頭痛やてんかん、精神疾患は悪い物質が原因と考えられた。瀉血、水責め、穿頭などが行なわれた。
HemessenやBoschなどの絵画にそれが見られる。
Stonehearst Asylum:2014年の映画。
ヒステリーに対する陰核、卵巣、子宮切除術は1800年代後期に行なわれた。Emile Zolaの小説にも出てくる。
Henry Cotton:患者に抜歯。治らなければ扁桃体切除、脾臓大腸卵巣も摘出していた。
・脳の切除
スイスのブルクハルト。1888年。大脳皮質を部分切除。
動物の実験も並行して行なわれていた。1922年にビアンキが前頭葉の両側切除が必要だと言った。
1935年にフルトンがチンパンジーの両側前頭葉切除。
人類初の両側前頭葉切除。1930年。Dandy(ブリックナー?)医師。Meningioma手術中に両側前頭葉切除。
こういったのが1935年のICNで報告。
モニスがロボトミーの始祖。世界はつの脳血管撮影をシた人でもある。Prefrontal leucotomyと自身では言っていた。
第一例:会議から4ヶ月後の1935年11月12日に施行。
初期の7例ではアルコール注入で行なっていた。
8例目からLeucotomeを使用し白質切開。
1936年に20例の結果を報告。
フリーマンが米国初のロボトミー。1936年。世界最多3439例施行。
1942年に200例の結果報告。
ケネディ元大統領の妹(ローズマリー)が23歳のときにフリーマンに施行されて後遺症。
・同時代の精神病治療法
1917年マラリア療法、1933年インスリン昏睡療法、1934年薬物によるけいれん療法、電気けいれん療法。1901年は持続睡眠療法があった。
インスリン昏睡療法はオーストリア。昏睡にして痙攣を起こした。ノーベル賞受賞。
薬物けいれんは、メドゥナさん。
電気けいれんは1938年に。
・経眼窩的ロボトミー
1946年。日本でもかなり行なわれた方法。
1953年 時点では、最年少が4.5歳。小児も一定数いた。
アメリカでは多くの手術が脳外科医によって行なわれた。
1940-1969年まで、アメリカで5万例、日本で3万例、イギリスで17000例。人口あたりで考えると、デンマークスウェーデンノルウェーフィンランドが多かった(4500、4500、2500、2300例それぞれ)。
Monizは1949年ノーベル賞。
ドイツとオーストリアではあまり行なわれず、代わりに安楽死。T4作戦。精神病に加え、遺伝病、労働忌避、ジプシー、登校拒否、てんかん、脱走兵、夜尿症、不潔、同性愛などに。優生思想であり、精神障害者を価値なき生命と断じた。ヒトラーは肉体的・精神的に不健康で無価値なものは苦悩を子孫に継がせるな、と『我が闘争』に。断種法→T4作戦→ホロコースト。
1954年クロルプロマジンの抗精神病作用が発見(ラボリ)。化学物質によるロボトミーであるが非効率的だとフリーマンは批判した。
ロボトミー自体はノーベル賞の出た1949年が件数のピーク。フリーマン個人のピークは1954年(CPが出た年)。CPの登場で状況は変わっていった。1960年代に激減。
スティモシーバーによる実験:1968年電極を留置。人を洗脳したと批判を受けた。報酬系に注目して、ゲイの治療に用いられたことも。
1972年は犯罪者に精神外科。バカビリー刑務所。
・小説や映画での扱いはどうだったか(一般の人への影響)。
1985年未来世紀ブラジル。2005年コールドケース、猿の惑星も、ランドンがロボトミーされた。有名なのが1975年カッコーの巣の上で。
女優フランシス1982年。
2010年のシャッターアイランド。
日本におけるロボトミー:中田瑞穂、広瀬貞雄
中田瑞穂。近代脳神経外科を始めた人。新潟大学に脳神経外科を設立した人でもある。1942年にロボトミーは全く無危険だと報告。
戦後になり本格的なロボトミー。1946年大阪大学と北海道大学ではじまり、1947年松沢病院、そして全国に。半数に効果があったと。
1950年に精神衛生法施行。布団で す巻 の患者が毎朝外来にいた。家人は「座敷牢はお役人に壊された」と言う。私費入院で家族負担が大きく、患者がおとなしく家にいてくれればと家族がロボトミーを希望したというのもあった。
廣瀬貞雄。日本で最多。1958年の報告では、3/4に有効だったと。
1973年。札幌ロボトミー訴訟。アルコール依存症の患者に対してロボトミー施行。他に、東大脳外科、守山十全病院、横手興生病院などで訴訟。
1971年に臺先生が矢面に立たされた。1975年に精神神経学会が正式に批判。
ブラックジャックでは脳性麻痺に対する電気刺激のことをロボトミーと誤表現。
他にもブラックジャックでは快楽の座などでスティモシーバーを埋めて感情を思うようにするなどの作品。
ロボトミー殺人事件。1979年。1964年にロボトミー (正確にはチングレクトミー) を受けた患者が自宅に押し入るも本人不在で母親と妻を刺殺した。
近年の精神外科 (Neumaier F, et al. World Neurosurg. 2017 Jan;97:603-634.e8. PMID: 27746252)。
強迫神経症にDBS埋め込み。など、技術の進歩。DBSでうつ病や強迫症などが改善。ガンマナイフはOCDにインドでよく行なわれているらしい。
まだ実験的な治療ではないか、ということ。
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2018
11.20

てんかん学会で勉強したこと2018:その1

 去年 (その1その2)に引き続き、てんかん学会で学んだことを共有していきたいと思います。疲れが溜まっていてタイピングが追いつかなかったり意味不明な変換がされたり参考文献が漏れていたりということがあり、個人的には満足の行くメモではないのですが…。


★内側側頭葉てんかんの原因としての扁桃体肥大

・扁桃体肥大を伴うてんかんと精神症状
扁桃体はてんかん発作、発作間欠期の情動や行動、精神的合併症に関わる。
扁桃体肥大を伴う側頭葉てんかんは精神症状が多いのか、特徴的な精神症状があるのか、残念ながらこれにこたえる研究はないらしい。ヘテロなグループであり精神症状も多彩。
Ictal fear:意識減損は発展すると起こり得る、持続時間は2分以内、常同的、自動性は珍しくない、発作で睡眠から覚醒する、状況依存性は少ない、予期不安も少ない、など。
情動的負荷が複雑部分発作を誘発するケース。解離のようだったが、そうでなかった(Tamune H, et al. Epilepsy Behav Case Rep. 2017 Apr 27;9:37-41. PMID: 29692969)。
扁桃体肥大を伴わなくてもそういうことはある(Woods RJ, et al. Epilepsy Behav. 2006 Sep;9(2):360-2. PMID: 16877046)。
扁桃体肥大を伴う側頭葉てんかんで恐怖などの刺激を与えると…?(Holtmann O et al. Sci Rep. 2018 Jun 22;8(1):9561. PMID: 29934574)
・扁桃体肥大と自己免疫てんかん
海馬硬化が見られない側頭葉てんかんの一部に扁桃体の肥大
一過性の肥大群は経過良好。扁桃体肥大を伴うてんかんは、多くは中年期以降に発症する。約半数で発作消失。60%で扁桃体肥大の改善(Malter MP, et al. Epilepsia. 2016 Sep;57(9):1485-94. PMID: 27418040)
肥大の原因:発生期の異常(皮質異形成)、腫瘍性の病変(過誤腫など)、炎症性病変(自己免疫)
希少てんかんの診療指標(坂本光弘, 他. 診断と治療社.2017;146-149)
自己免疫性脳炎のpossibleとprobableとdefiniteの診断基準(Graus F,Lancet Neurol. 2016 Apr;15(4):391-404. PMID: 26906964)。
自己免疫性てんかんの診断アルゴリズム(坂本光弘, 他. 臨床神経.2018;58:609-616)。
髄液所見はこの文献(Malter MP, et al. Seizure. 2013 Mar;22(2):136-40. PMID: 23318046)。
自己免疫性てんかんへの抗てんかん薬は、Naチャネル阻害系の薬剤で2割が発作消失するようだ(Feyissa AM, et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 May 10;4(4):e353. PMID: 28680914)。
LGI1抗体陽性なら認知機能が障害されたままのことも(Ariño H, et al. Neurology. 2016 Aug 23;87(8):759-65. PMID: 27466467)。
・神経画像
視覚評価による扁桃体肥大の判定は再現性や一致性に問題あり
自動定量の精度は、海馬に比較してばらつきが大きくなる。
訓練された手動定量評価は精度が高いが時間と手間がかかる。
T2では有意な異常が見つかりにくい。T1で扁桃体容積の増加や側頭葉先端部の灰白質↑あるいは海馬頭部の肥大の報告が一部に。他、拡散テンソルやPET。
扁桃体肥大は側頭葉てんかんに見られやすいものではないのでは?(Reyes A, et al. Epilepsy Res. 2017 May;132:34-40. PMID: 28284051)←でも、発症年齢が低い研究である。近年の報告の多くはやはり側頭葉てんかんに扁桃体肥大が見られやすい。
・手術
扁桃体肥大を伴う側頭葉てんかんは側頭葉てんかんのサブタイプ
26%が薬剤治療抵抗性であり、手術が考慮される。肥大した扁桃体以外にもMRIでネガティブな海馬もてんかん原性領域のようだ。良好な手術成績を得るには、海馬への処置も加えるべき。


★てんかんと精神症状

・てんかんと精神症状の合併(Schmitz B. Epilepsia. 2005;46 Suppl 4:45-9. PMID: 15938709)。
てんかん患者さんの約30%が精神疾患を持つ。
精神症状が合併したら、てんかん発作に関連した症状か、抗てんかん薬が原因ではないか、をまず考える。
発作に関連した症状:てんかん発作そのもの、発作が多い時期に出現するもの、発作後に出現するもの。
発作後精神病:てんかん患者の2%ほど。発作(意識障害を伴う焦点性発作もしくは強直間代発作)後1週間以内に幻覚妄想や奇異な行動や常道変化が1日から2週間続き、この時は基本的に意識清明 (1ヶ月以上は稀)
発作後うつ症状、発作後不安症状、発作後軽躁症状、発作後もうろう状態(意識障害)←発作後もうろう状態は興奮や暴力に至ることもある
抗てんかん薬の副作用には注意を。ゾニサミドとレベチラセタムが多かった。出やすい因子は精神症状の既往、二次性強直間代発作がある、欠伸発作がある、難治性てんかん(2剤以上使用しても発作が消失していない) (Chen B, et al. Epilepsy Behav. 2017 Nov;76:24-31. PMID: 28931473)。
抗うつ薬で発作のリスクが高まる(Hill T, et al. BMC Psychiatry. 2015 Dec 17;15:315. PMID: 26678837)。
・PNES
治療について(Widdess-Walsh P, et al. Handb Clin Neurol. 2012;107:277-95. PMID: 22938977)。
PNESと診断したら:本人と家族に診断を伝える。抗てんかん薬を服用しているのなら減量中止を考慮。ただし、途中でてんかん発作が出ることもある(てんかんとPNESの併存)。良い結果であるとポジティブに伝える(脳の異常のせいでなく発作に寄る脳へのダメージもない)、演技でやっているわけではなく、そして多くの場合は自分でも気づかないようなストレスや不安が隠れている、抗てんかん薬は不要であると説明(副作用リスク)、今後も治療関係は続くことを伝える、精神科医の助けが必要であると説明。
合併例:てんかん発作と心因発作の区別。心配なら動画を。本人や家族にも区別させる。中等度以上の知的障害(精神療法難しい)では環境調整が中心。
・どうやって精神症状に気づく?
最初に説明しておく。てんかんに合併しやすい、と。症状が出たらてんかんや抗てんかん薬と関係しているかもなので、報告するように。精神症状が出やすい薬剤を処方する時は副作用の可能性と対処法を伝えておく。様子がおかしいと感じたら、本人や家族に率直に尋ねる。精神科受診を病院が予約し、受診後は「どうだった?」と話す時間をつくる


★高齢者のてんかん

・65歳以上の高齢者で発病率が最も高い
意識障害を伴う焦点発作が多い、鑑別診断プロセスの複雑さ、副作用が出やすい、薬剤相互作用
50%が意識障害を伴う焦点発作のみ。前兆としての自律神経発作は稀で本人も気づかない。自動症が少なく目立たない、発作の持続が短い、健忘だけが目立つなど。発作後もうろう状態が長く続き、数時間から数日続くことも。認知機能障害や抑うつ状態が遷延することも。
まとめると、発作自体は短い無動凝視だけで、発作後症状が目立つ。
・鑑別
失神、脳血管障害(TIA TGA)、代謝障害、睡眠時随伴症(REM行動障害、SAS、むずむず脚など)、アルコール離脱、認知症。
レム睡眠行動障害はてんかん性放電が検知されやすい。ピットフォール。脳波だけで診断しようとすると間違える(Manni R, et al. Sleep. 2006 Jul;29(7):934-7. PMID: 16895261)。
・病因
脳血管障害、扁桃体の腫大を認めることがある、アルツハイマー型認知症(10%ほどがてんかんを併発している)
・アルツハイマー型認知症とてんかん
アルツハイマー型認知症のどういう病態と関連?:APP分解しβ凝集し老人斑。Tau断片化から重合で神経原線維変化で神経細胞死。
このどの過程で? AD発症とてんかん発症の年差を調べた研究。77%はAD診断される前にてんかん。MCIの発現時期との比較では、90%はMCI以降に発症。MMSEは24点以上が60%ほど。アルツハイマー型認知症が進行してからではなく、MCIからアルツハイマー型認知症発症のあいだに生じる(Vossel KA, et al. JAMA Neurol. 2013 Sep 1;70(9):1158-66. PMID: 23835471)。
APP遺伝子導入マウスの脳波研究。Aβ蓄積し始めた段階で脳波をとると、その時点で脳波異常。ただし臨床的には異常なし。Subclinicalだった。Aβが蓄積すると神経細胞の異常興奮がおこり、そこからのてんかん発作ではないか。また、代償性抑制メカニズムが発動し、それによって神経回路網機能不全で海馬損傷が進むのではないか(Palop JJ, et al. Neuron. 2007 Sep 6;55(5):697-711. PMID: 17785178)。
ADの患者さん、海馬で無症候性発作が生じている(特に睡眠中)。人でのケース:MoCA23点。この放電が記憶にも悪影響を?(Lam AD, et al. Nat Med. 2017 Jun;23(6):678-680. PMID: 28459436)
てんかん性放電はAD進行を早める:AD33例の42%にてんかん性放電。てんかん性放電なしとありとでは、MMSE得点推移が5年の経過でかなり違う(Vossel KA, et al. Ann Neurol. 2016 Dec;80(6):858-870. PMID: 27696483)。
ダウン症:APP遺伝子は21番に乗っている。1.5倍。10歳で老人斑。50%が50歳でAD。ダウン+ADでは発作が多い。Aβ蓄積とてんかん発作とは関係性がありそうだ。
レビーでは?:レビーもアルツハイマー型認知症と同等(Beagle AJ, et al. J Alzheimers Dis. 2017;60(1):211-223. PMID: 28826176)。
・認知症を擬態する高齢初発てんかん:発作後認知症症状あり。
発作後にはもうろう状態だけでなく様々な精神神経症状:もうろうが65%、集中困難、記銘障害、見当識障害、思考の停滞。40%以上も。多くは数時間だが、中には1週弱も。遷延するとまぎらわしい。抑うつ症状も遷延化しやすい。易刺激性、落胆、アンヘドニア、絶望感、などなど。30%ほど。それぞれは長いと4-5日も続く。いくつか複数が24時間以上の遷延は20%弱も! 昔はてんかん不機嫌症などと言われていたものの一部は、発作後の気分症状で説明がつくのでは(Kanner AM, et al. Neurology. 2004 Mar 9;62(5):708-13. PMID: 15007118)。
TGAに似たてんかん関連の一過性健忘エピソードがある? 一過性てんかん性健忘:平均発症年齢62歳、健忘持続時間30-60分、発作頻度は月単位(TGAと違う!)、起床時から始まるのが74%(TGAと違う!)、同じ質問を繰り返すのが50%(TGAと同じ!)、一瞬の無反応24%、治療反応性96%、発作間欠期の奇妙な記憶障害。長期記憶の忘却加速(新たに記憶したことが数週間のうちに急激に失われてしまうと訴える)が問題。深刻なのに、遅延再生O.K.、高齢に限らず側頭葉てんかんの一部で認める。外来では捕まらない!(Butler CR, et al. Ann Neurol. 2007 Jun;61(6):587-98. PMID: 17444534)
遷延するてんかん性もうろう状態:高齢者の場合、急性症候性発作としてのNCSEが少なくない。SSRI含む向精神薬や抗菌薬や造影剤などなど、多くの薬剤で生じる(Yoshino A, et al. Neuropsychobiology.1997;35(2):91-4. PMID: 9097300)
発作後もうろう状態→せん妄、発作後認知機能障害→認知症、発作後抑うつ状態→うつ病など、間違えてしまいがち!
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